25.《ネタバレ》 チャールズ・チャップリン短編時代の傑作の一つ「偽牧師」。 この「偽牧師」は「黄金狂時代」の前に撮られた西部劇の要素を含んだコメディだ。 チャップリンは「移民」や「犬の生活」辺りから優しさのにじみ出る映画が増えてきたが、本作はそんなチャップリンがブラックだった頃の面影を感じさせる。 今回のチャップリンは脱獄囚。 何で捕まったのかは知らないが、お腹が空いてホットドッグでも盗んだ(「犬の生活」)か、無銭飲食(「モダン・タイムス」)か、女性関係のもつれ(私生活ノンフィクション)で豚箱に入れられたかどれかだろう。 それよか下水道から脱走しただって!? 新聞にそう書いてあった。 後の「ショーシャンクの空」である(違います)。 そんでチャップリンは牧師の服を拾って偽の牧師と化す。 しかし運の悪い事に本物の牧師と勘違いされてチャップリンは街に居座る事となる。 教会でやりたい放題自由奔放なパフォーマンスを演じるチャップリン。 聖書を見て「宣誓!」の場面は爆笑したわ(裁判についての詳細はビリー・ワイルダーの「情婦」かシドニー・ルメットの「十二人の怒れる男」辺りが解りやすいかな)。 踊って、笑って、騙してバタバタ・・・「黄金狂時代」への布石が散りばめられた44分間。 でも流石に帽子は食えなかったか。 泥棒仲間との再会でギクリ、スピーディーなスリ合い、「牧師」から「紳士」への早変わりなど見事としか言えない。 ラストが実にチャップリンらしい締めくくりだ。 ありがとう保安官。どうせなら銃撃戦の無い場所でほっぽってくれれば良いのだが・・・。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-12-01 20:13:23) |
24.《ネタバレ》 脱獄した囚人(チャップリン)が牧師と間違われ、ドタバタコメディを繰り広げる。盗み目的で近づいてきたかつてのムショ仲間との攻防、良く出来ている。娘に惚れているからとはいえ、殴り合ってでも家を守ろうとする誠実さが気持ち良いし、保安官の粋な行動もあって、面白いだけの映画じゃないぞと… 8点献上。 【リーム555】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-06-12 00:01:29) |
23.チャップリンの短編作品。今作ではキャラの設定が妙味。 小ギャグで笑わせ、ラストはやはりほんわかとシメてくれる相変わらずの安定感ぶり。 小粒な作品だけど、後味がさらっとしていて時間が短いのもいい。 【MAHITO】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2011-08-26 11:40:24) |
22.《ネタバレ》 ◆チャップリンお得意の巻き込まれ型のドタバタ・コメディ。次から次へとハプニングが起こり、気の弱い主人公が事件に巻き込まれてゆきます。そこそこ笑えるので見て損はありません。 ◆一方で、後期の名作に到る過渡期の作品として観れば、尚興味深いものがあります。 ◆脚本にいくつかの難点があるように思います。 ①男はいくつかの罪を冒している。入獄に到った何らかの罪と脱獄の罪。そして牧師の服とお金を盗んだ罪。母娘のお金を悪人から取り戻したというだけで、これらの罪がチャラになるだろうか。 ②男がどういう罪で刑務所に入ったか不明。ジャン・バルジャンのように男に同情すべきようなシナリオを用意すべき。脱獄も同様。偶然脱獄のチャンスが訪れたとか、どうしても誰かに会わなければならないとか。それが無いので人間が描けていない。少なくとも悪い男ではないという点をもっと強調すべき。その前にあんなドジな男が脱獄などできるはずないと思うのだが。 ③男は教会ではお金に執着を見せるが、母娘の家ではお金に無頓着。それは娘に対する恋心に起因するものだろうが、このところが弱い。心変わりする決定的な契機が欲しい。 ④ラスト・シーン。男は保安官の親切心に助けられるのですが、これが弱い。これが当時のチャップリンの限界か。後のチャップリンなら男は収監され、その悲劇性と社会批判とで観客の心をつかんだはず。喜劇と悲劇の両立の域に達するまであと一歩の作品。笑いだけにこだわった作品。 ◆それにしてもカメラのズームもパンも無いが、当時は技術的に難しかったのでしょうか。ピントを合わすのに一苦労したものと推測します。それでも今でも笑えるのは、やはり凄いことです。 【よしのぶ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2010-10-11 02:16:23) |
21.相変わらずチャップリンの初期作品は肩の力を抜いて楽しめる。 ただ、本作は特別にチャップリンの動きの凄さ、面白さ、泣き所などが突出してはおらず、普通に楽しめるレベルであった。 それにしても、子供をあそこまで巧く動かすチャップリンの演出力は凄すぎる。 チャンプリンの子供や動物を操って演出する技術は、マジックという他ない。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-04-09 00:49:01) |
20.《ネタバレ》 あのクソガキは2人に対して何発殴ったんでしょう(笑)最後の最後1回蹴り倒すだけで終わらせるのもチャップリンらしくて愛嬌。帽子ケーキのシーンも引っ張って引っ張って最後に一言「食われるとこだった」って落とし方は笑いのセンスが何とも◎。そもそもチャップリンは初めから全然牧師に見えないし、寄付を持って帰ろうとしたり、協会のお話の所で全然違う話で笑わせてみたり(子供しか笑ってない辺り分かりやすい話なんだろうなあと推測できる)、常に捕まる覚悟でビクビクしてるし、いよいよ観念となったらあっさり手錠してくださいみたいなジェスチャーしてめちゃめちゃ可愛い! 新聞に掲載のチャップリンの指名手配顔ってどう見ても悪い人に見えず「小心者のコソ泥」って感じだけど、それがそのまんま街でコソコソやってるから笑えるんですよね。最後の最後、保安官が逃してやろうとして「あっちの花を取って来い」と言ってるのに、鈍感だからまた保安官の所に戻ってくるバカ正直ぶり!「ターミナル」のトム・ハンクスも真っ青!ニヤニヤしてしまいました。 指名手配中のアメリカ、自由だけど国境付近から既にドンパチやってるメキシコ、チャップリンはずーっとあのまま国境またいで歩いてそうな余韻に浸りながら見終えました。しかし汽車の切符が大晦日のスーパーのレシートみたいに長くてビックリ!車体の下に陣取ろうとしたチャップリンも皆愛くるしいです。1番のツボは教会で聖書を渡された時、手を置いて宣誓しようとした所!ああいう分かりやすいの大好きです!お客さんも陪審員と同じ12人だし。 |
19.《ネタバレ》 チャップリンの優しさがにじみ出てくるような作品。ラストの保安官の優しさに気付かないチャップリンが滑稽で仕方なかった。そして、国境をまたぎながらのエンディングはまさにセンスの塊。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-08-17 13:25:43) |
18.《ネタバレ》 チャップリンが、ファーストナショナル時代の中篇作品を、3本立てに編集し直して戦後再公開した、『チャップリン・レヴュー』の、トリを飾る作品。終始、チャーリーが黒い牧師の服で登場するためか、映画全体も極めて異色な雰囲気。マット・モンローが、開巻とエンドクレジットで歌う『テキサスへ (I'm Bound for Texas) 』が、西部の雰囲気を何とも良く出しています。お気に入りは、何と言っても教会のシークエンス。牧師に成り済ました脱獄囚のチャーリーが、教会で聖書を手渡されて、思わず手を置いて裁判の宣誓をしてしまったり、聖歌隊の人数を数えてみたら12人だった(陪審員の数と同じ)…など、細かい素性ネタが出て来るところ。そして、有名な「ダビデとゴリアテ」の説教。この場面の、誰が見てもはっきり話が解る、簡潔明瞭なパントマイムは絶品!ほとんどのチャップリン映画には、彼の芸の見せ場が必ずありますが、中でもこれは屈指の上手さです。後年の、「3大傑作」ばかりが引き合いに出されるチャップリン映画ですが、この作品は雰囲気・ストーリー・彼のパントマイムの見事さと相俟って、知られざる佳作と言えると思います。 |
17.《ネタバレ》 「帽子はどうした」「彼らが食べていた」。面白い。定番のようにバナナで転ぶし。小さいときに見たからラストとかはよく分かっていないのだろうけど、それでも面白かった。 【θ】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-12-22 23:37:56) |
16.いやあ、ほんとチャップリンっていつ観ても面白いし、観る度に笑えて、最高の映画作家だ!この作品にしてもとにかく理屈なんていらない。もう最初から最後まで本当に面白い。どう見たって牧師には見えないチャップリンが偽牧師として教会に招かれてしまい何とも可笑しくて、ただただ笑いぱなしの作品としてこれまた私の中では傑作の一つです。 【青観】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-04-16 22:05:46) |
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15.あのクソガキしばいちゃりたいんだけど(笑) でもかなりポイント高かったんだよなあ、あのクソガキこそが^^ そしてラストにちゃんと用意してあったあの微笑ましさやら面白さ、国境またいでえっちらと~おっちらと~ 【3737】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-07 00:17:34) |
14.《ネタバレ》 ラストを飾る本作は、オープニングの音楽からして好印象!♪I'm Bound for Texas land~ですよね。しかし、最後のあれは解説を見るまで意味がわからなかったなぁ。 「犬の生活」でも犬の見事な役者っぷりに感心してしまいましたが、本作に登場する餓鬼もそれに負けず劣らずの見事すぎるくらいの暴れっぷりをカマしてくれます(あみものの棒を手にしたときの表情にご注目!)。 本作で驚いたのが、パンケーキをデコレートするシーン。笑いを取るのはもちろんのことなのですが、しばらくして持ち主が帽子を探し始まってから、帽子が出てくるのを今か今かと待ちわびているとき、帽子がケーキの上に被さっている事を知っているのはもちろん(当たり前ですが)それを観ている観客のみなのです。この、ちょっとしたドキドキ(ワクワク)感がこんな映画で味わえるなんて意外でした。これは、ホラー映画などでよく出てくる“観客が劇中の役者よりも先をいく(例えば、主人公が背後から襲われるシーンは、その役者は背後に気づいていないのだが観客はそれを知っているので、より一層のハラハラした緊迫感が生まれる)”という見せ方でしょう。さすが! 【もっつぁれら】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-05-01 12:18:47) (笑:1票) |
13.まるでO・ヘンリーの短編のような、粋で可愛らしくて、心がほっこりする作品。最後の保安官が良いよなあ。やっぱチャップリンは素敵っす。 【ぐるぐる】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-16 16:54:27) |
12.ケーキの中から出てきた帽子を見て帽子の持ち主のオジサンの反応を見て爆笑。 |
【ボビー】さん 8点(2004-12-05 22:18:35) |
10.この手のワンシュチエーションですっきりとまとまっているチャップリン映画の方が好みなので好きです。ラストシーンも心憎くナイスなオチでとても好きなシーンです。 【亜流派 十五郎】さん 9点(2004-09-26 23:54:44) |
9.《ネタバレ》 あくまでも中間を歩いていく、それがチャップリン! 【かんたーた】さん 8点(2004-08-08 19:09:51) |
8.なんだかこの作品とよく似た映画を見た事があるような気がします。もちろん「偽牧師」の方が先に製作されていますが。とにかく、本作品もチャップリンのユーモアが冴え渡っていて最高に楽しい映画でした。ストーリーの先行きがどうなるのかなって思いましたが、流石はチャップリン!着地点は見事でした。素敵な映画です。 【たにっち】さん 7点(2004-07-17 22:15:04) |
7.『殺人狂時代』でもそうだけど、チャップリンは犯罪者という設定でも良い人にしか見えない。最後のシーンで保安官の粋なはからいに気づかない鈍感なチャップリンには思わず「馬鹿だなあ、こいつ」と微笑んでしまいました。 【藤村】さん 6点(2004-02-13 12:07:51) |
【ボーリック】さん 7点(2003-12-23 23:32:56) |