1.《ネタバレ》 1941年12月8日って聞くと、もう真珠湾しか出てこなくなってるけど、マレー半島上陸ってのもあるんだよな(マレー沖海戦は10日)。歴史の記憶って、どうしても太字で記されることしか残っていかなくなっちゃう。でも細字の歴史もやっぱり歴史なんだ。タイはすんなり日本軍に道をあけてくれたわけでなく、半日の戦闘があった。他国の軍隊が通過するにはそれなりの屈辱があったわけだ。別に反戦映画ではないので、そこにのみ焦点が当たってるわけではないが、このけっきょく無意味だった戦闘の徒労感が重く残る映画。弟の学資のために日本人と結婚している姉という設定など、微妙に現在にまで通じているモチーフなのかもしれない。中盤にあるのどかな軍事演習シーンが、後半の手持ちカメラ多用のドキュメンタリー的な戦闘シーンに向けて、対比の効果を挙げていた。