21.《ネタバレ》 湿地帯や干ばつした大地、地平線と水平線などロケーションが印象的。 白黒映画なので他の馬も白く見えるが、主演の白毛は髪の毛がロン毛なので見分けがつく。 この白毛は少年にしか心を許さない。 生きた馬と少年が主演なので、気味の悪い生きた赤い風船よりは本作の方が断然好み。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-11-09 15:09:26) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 退屈さはあるが、白さが際立つ美しい映画に癒されました。馬の疾走感が素晴らしい。終わり方は好きです。途中からそういう終わり方になるんだろうなと予感はありました。 【ほとはら】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-10-05 20:21:10) |
19.《ネタバレ》 後の『赤い風船』と比べると見劣りがするが、むしろ『赤い風船』の原型であり、監督のテーマが如実に表れている。 荒々しいドキュメンタリータッチの白黒映像に、特撮技術がおぼつかない時代に撮られた走り続ける白い馬の迫力と美しさだけで充分おつりが取れる。 支配ありきの汚い人間たちに飼い馴らされたくないと、孤高の白い馬と純粋な少年は心を通わせ、追い詰められた果てに黄泉の国へ船出をする。 『赤い風船』と類似する結末で、どう足掻いても変えられない世界を悟っていたように。 |
18.《ネタバレ》 白い馬の演技がすばらしかったですね。 最後は、詩のように海に消えていくのですが、人間のエゴが出すぎたストーリー、 もっとファンタジーで終わっても良かったんじゃないと感じました。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-10-02 19:44:28) |
17.うーん。風船ほどには感情移入できませんでした、馬に。無機物に気持ち寄せられて、生き物にはなんで、と思いましたけど。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 3点(2014-11-03 11:31:56) |
16.《ネタバレ》 アルベール・ラモリスは「赤い風船」が最高に面白かったが、俺はこの「白い馬」もかなり愉しむ事が出来た。 とにかく馬の凄さを堪能できる一篇だ。 まるでサイレント映画の活劇がそのままトーキーに移ったような作品だった。 白黒の美しい画面の中を、馬たちが時に荒々しく、優美に駆けて行く。 草原を、湿原を、砂漠を、浜辺を走って走って走りまくる。 牧童たちは、野生の馬の美しさに憑りつかれている。 特に野性の馬たちを束ねる白馬の美しさにだ。 まるで西部劇さながらに馬を追い立てる。 人間のために乗馬され、かつての仲間を追う馬たちの心境はどんなものだろうか。 「早く仲間になっちまえよ」とか、それとも「捕まったら俺たちみたいになるぞ早く逃げろ」とか思っているのだろうか。 捕まっても大の大人4人を相手に大暴れの逞しさ。 「!誰が貴様らの奴隷になるものかっ!俺は自由に生きるんだ」とばかりに柵をブチ破り脱走。 後の「花の慶次」における松風である。 船を漕ぐ少年は最初傍観者だが、彼もまた白馬に心を奪われた一人だった。 牧童たちが無理矢理馬を従わせようとしたのに対し、少年は馬に“認められる”まで喰らい付いた。 白馬は少年を認める。印象深いシーンだ。 彼は馬を救うべく匿うが、交流も束の間で手当てしたばかりの身体でまた走り出す。 妹涙目。イチイチ破壊される柵涙目。じいさん爆睡。 ドラムが白馬と牧童たちのチェイスを盛り上げる。 馬同士の喧嘩も凄い。顎で馬の皮膚をむしるようにちぎる。 草むらにかくれた馬の炙り出し、炎の中を駆け抜ける馬と少年。 白馬がウサギを追うシーンが可愛かった。 渇いた土に弾痕のように刻まれる足跡。 いよいよ牧童たちとの追走劇もクライマックスだ。 水面、フラミンゴの群、距離感が掴めないチェイス。 馬は海を泳ぐワケじゃない。脚を動かして海の中を“駆けて”ゆくのだ。何処までも。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 01:04:58) |
15.皆さん言うように映像は美しいんですが、『赤い風船』に比べるといまいちインパクトに欠けるかなという印象でした。ストーリーも殆どファンタジーですし。 序盤の方の、白い馬を追い込んで捕まえようとするシーンが良かった。馬の猛々しさが感じられ、迫力満点。大の大人4人集まっても1馬力も出せないんですね。 それにしても、↑のキャストで『馬』があるとはびっくり!メイン担当動物って…動物以外を担当してたらそれはそれでびっくりですね(笑)でも馬の出てくる映画にいちいち登録していったら大変でぃす。西部劇とかキリがありません。 【ヴレア】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-10-24 02:15:20) |
14.《ネタバレ》 鮮烈な印象が残る映像詩。寓話性、象徴性に富み、映像と物語が高度に昇華された好短編。白い馬の気高き精神、他者に屈しない自尊心、野生の剛健さ、躍動する生命力が遺憾なく表現されている。最後の行動は、自由を奪われるくらいなら死を選ぶというような単純な考えではない。少年と馬を衝き動かしたのは、常人では考えもつかぬ、より高みへ進もう、未知の新天地を目指そう、新しい冒険の旅にでようとする開拓精神の表れだと思う。沖に漂う少年と馬は若さと自由のメタファーであり、逃避や自殺などでは決してない。最後は光となって消えた「かもめのジョナサン」と比較されるべきものだ。 ◆最後の語り「強くたくましい白い馬は友である少年を素晴らしい土地へと運んでいった。人と馬が仲良く暮らせる国へ」は余計だ。何故少年と馬は沖へ沖へと進んでいったのか、いつか戻ってくるのかなどを想像させて、深い余韻を残すのが常套手法。短編であればなおさらだ。 ◆惜しいのは少年パート。少年の内面が見えてこない懸念がある。少年が自尊心の高い白い馬に認められて、強い絆を築く過程がややもすると平坦。少年が何度も捕まえようとしては失敗し、時には怪我をし、時には馬飼達から守ってやるなどの辛労、精神力を見せる場面がもっとほしい。心の成長を見せてほしい。短編で尺が足りず、仕方ないのだが、非常に残念である。少年の弟(妹にみえる)が、三年後に「赤い風船」の主役を演じるとは驚きだ。子供の成長は早いもの。「赤い風船」と同じ主題であることにも驚いた。このごつごつとした現実とは別に、どこかに理想郷が存在すると夢想しているのだろう。そのロマンチシズムに乾杯。監督さん、あなたは詩人だ。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-09-13 19:28:41) |
13.《ネタバレ》 度々見返す。夏に入り久々に見る。夢のように流れ最後に儚く終わる。「彼らは馬と人が仲良く共存できる国へ向かった。」 【reitengo】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-07-09 00:45:18) |
12.《ネタバレ》 野生の白い馬と純粋な少年の温かな友情物語を見ているようでもあり、白い馬と狡賢い大人を描いた冷たいドキュメンタリーを見ているような感覚でもありました。 自分を捕えようとする狡賢い大人には一切心を開かない白い馬が、ただ友達になりたいだけである純粋な少年には心を開いた。人間同士でも、人間と動物にも、やはり通い合う心があるということなのでしょう。 このような関係性は同じラモリス監督作品「赤い風船」と共通するものを感じます。それだけに、大人から追われる終盤の展開は、その躍動感に圧倒されながらも悲しき結末を予感しながら見ていましたが・・・。 「白い馬は友を、人間と馬が仲良く暮らせる土地へと連れて行った」という最後のナレーションが悲しいですね。人間と自然、野生が仲良く共生できる世界を願わずにいられませんでした。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-10-22 19:33:11) (良:1票) |
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11.あの躍動感には息を呑みます。今では考えられないのかもしれませんの、子供にあんなスタントなしで役をさせるのは。最後はやはりとても切なかったです。「赤い風船」以上に。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-05-23 10:18:28) (良:2票) |
10.《ネタバレ》 いやあ、けっこう現実否定的な厭世観だなあ。なんかいくつかのスペイン映画思い出すし、こういうのってカトリックの世界観と関係あるのか。またこれ、仏教の浄土信仰も思い合わされる。言ってみればフダラク渡海でしょ、このラスト。この世を改革するよりは、あの世で幸せになりましょう、って感じ。負け犬となった負け馬が、孤独な少年と浄土に渡っていく、ってけっこう抹香臭い話だよね。ちょっとそこが引っかかるも、馬が走るとそれだけで興奮してしまう者なので、許せた。少年を引きずっていくとこなど、西部劇のノリ、このガッツで馬が少年を認めるって展開もいい。水辺という地理条件も映像に生かしている。馬と鉄道と車が存在しなかったら、映画はずいぶんつまらないものになっていただろうが、車よりは鉄道、鉄道よりは馬が、よりドキドキさせてくれる。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-23 12:36:12) |
9.《ネタバレ》 なかなか面白かった。手に入らないあこがれの対象を手にした少年を、童話的構成で見せる話というのは好きだ。 ストーリーは形式を考えると常識的で伝統的な作り。オーソドックスではあるが、完成度の高さは一見の価値ありだろう。どこか遠くへ行ってしまった後の世界を想像させるラストのカットは、感動を誘うし映画との一体感を堪能できる。 背景にある、何もない、という世界観は白い馬の魅力を最大限に引き出している。一方で牧場や道具、いろいろなものを持つであろう馬飼いの脅威を楽しむことができた。このフラストレーションがあってこそのあのラストだ。 骨組みと要素を楽しむ映画だし、これだけ無駄なところがないシンプルな話だ。さらに作り込むことで果たして本作の完成度を超えられる翻案が作れるのかどうかはナゾ。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-14 01:54:06) |
8.《ネタバレ》 馬の躍動感溢れる動きは面白いのですが、ストーリーに難がありすぎると感じた。まず白い馬と少年の友情が生まれる瞬間がアッサリしていて、またハッキリと分からないので、後半で「こいつら何でこんなに仲いいの?」と思ってしまう。また叙情感を出したかったのでしょうが、少年の家族としておじいさんと妹(?)を入れたのは明らかにミスでしょう。ラストで少年と白い馬がどこかの国に旅立っていくのを観て、真っ先に残された家族を心配してしまいます。そこに全くフォローが無いのはキツい。 普通に考えても結構脚本に難があると思うのですが、フランスの芸術映画ってそう云うことは二の次なんでしょうかね。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-12-30 17:41:28) |
7.《ネタバレ》 白い馬、正にタイトルが示すように白い馬の美しさ、そして白い馬に引きずられる少年、それを映すカメラ、この美しさの前には話なんてどうでも良く思えてしまいます。とにかく何もかも本当に美しい。モノクロだからこそ引き立つ美しさ、それにしてもあの白い馬が海を走るシーン、白い馬同士の格闘シーンの躍動感、迫力、これは白い馬の名に相応しい生きた馬のドキュメントでも見ているような作品と言って良いぐらいとにかく馬の美しさ、それに負けないぐらい少年の美しさも圧倒的である。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-06-21 19:53:31) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 う・・・ウサちゃん、捕まり損の焼かれ損! せめて食べてあげてくれぇ。カワイソカワイソ・・・。さて、それはともかくこの白黒短編映画、物語は一応あるものの、馬の躍動感や疾走感、荒々しさ、雄々しさ、そして美しさこそが要になっていて、多少ツッコミどころがなくもない展開を気にする意味もないほどに、後半はただその動きに見入っておりました。スピード感溢れる疾走を捉えるカメラが見事です。その映像の高揚感ゆえに、支配から逃れられる場所はこの世界にはないという最後は切ないものでした。時代や世代を越えて広くそれぞれの視点で見られる映画です。 【あにやん🌈】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-17 23:44:39) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 オープニングクレジットの背後に映る野生の馬の群れ。全てのスタッフの紹介が終わると、いそいそと野に散っていく。なんか、馬を操っているみたいな感じで、不思議な感じがした(もちろん編集ですが)。 自分がこの映画が好きなのは、馬の精悍な出で立ちはもちろんですが、それを引き立てる自然の無表情な美しさ・・・水面の静けさであったり、荒野の乾いた感じ、生い茂った草むらのざわめきや、海の容赦ない荒々しさ・・・などです。 特に、馬が干潟を駆け抜けるシーンが最高に好き。馬が走るのに丁度いい具合に水が浸っていて、水しぶきを上げながら走り抜けるシーンに妙に感動してしまいました。 この白い馬は、少年になついてじゃれあったりして可愛い面を見せるわけでもなく、どんなときも、怪我をした脚を見てもらう時も、群れのリーダーらしく孤高な姿でいるのがとても良かったと思います。 最後、どこまで走って行ってしまうのだろうか、きっと追っ手を振り切ってくれるだろうと思い見ていたら、とても切ないラストを迎えてしまう。 動物は演技なんか出来ないから、余計に心に響くものがありました。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-11-03 15:18:32) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 躍動感、臨場感、ほのぼのさが溢れる映像です。心穏やかな少年の内に秘めた芯の強さ、白馬の誇り高さには驚かされます。絆の強さ故の戻る事を全く考えぬラストシーンに呆然とさせられました。白馬と少年が穏やかに過ごせる場所がこの世にはないのでしょうか。世間の常識、倫理観とやらいうものから外れた友情や愛情がこの世から除外されなければならないのでしょうか。そうであったとしても絆を互いに切る事をしない「意志」に感じ入った作品です。 |
3.馬の演技力にびっくり。やさしい表情やら哀しい表情やらかなりの演技派でした。どうやって撮ったんだろう?って思う驚愕の映像の連続でした。ドキュメンタリー風でもあり男の子と馬のファンタジーでもあり不思議な映画でした。 |
2.セリフがなければドキュメンタリー映画っぽい感じがするけど映像美がとにかく凄い。前半は白い馬と少年との交流、後半は追いかけっこという結構分かりやすいストーリーの中にもきっちりとした構成があるのは監督の手腕の凄さを物語ってます。水しぶきや大地を踏みしめる音までしっかりと捕える撮影はさすが。モノクロ映画ってやっぱいいなぁと思わせてくれるこの映画、カンヌでグランプリを獲って当たり前、、な感じです。 |