76.《ネタバレ》 実在の人物がモデルだが、主人公の戦場カメラマンに共感できない。 動機がよくわからないからだ。 子供の遺体撮影を激怒するおばさんがいたが、そちらの気持ちならよくわかる。 正義感や使命感、ジャーナリズム精神などといえば聞こえはいいが、どうしても空々しく聞こえる。 戦争に対する怒りよりも、いいショットが撮れたとの興奮が優先して見える。 金や功名心を臭わせるシーンもあったが、人が命を落としている場面をカメラに収めて回る姿に腹立たしさを覚える。 共感できない主人公の行動を淡々と追われても、見ていておもしろくない。 なぜアンコールワットを目指したのかが伝わってこないので、それを目の前にした姿を見ても感動も何もない。 戦争の巻き添えになったとしても、リスクは承知の上だろうから自己責任としか思えない。 下手に反戦やヒロイズムに脚色して主人公を美化したりはしていないので、リアルさだけはある。 地雷で吹き飛ばされる子供や簡単に人が殺されていく様子に、戦争の実態、狂気を感じる。 それだけになお、そこへ自ら好んで身を置くことがわからなくなる。 「自分探し」をするにはあまりに危険な場所なのに、自分は大丈夫という思いがどこかにあったのだろうか。 「地雷を踏んだらサヨウナラ」という言葉とは裏腹に、死を自らに降りかかる現実として受け止めていないようにも見えてしまう。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 3点(2013-06-08 00:16:42) |
75.小雨の降る中、地元唯一のミニシアターに観に出かけたが、その帰路の心の高ぶりは今も忘れられない。あらゆる「重厚」に包まれた映画だと思った。重厚な映像、重厚な演技、重厚な音楽、重厚な生き様……。圧倒的なまでの一之瀬泰造という一人の戦場カメラマンの行き方に接して、感動というよりも身震いに近いものを覚えた。「地雷を踏んだらサヨウナラだ」と笑顔を残して聖地アンコールワットへ行く浅野忠信=一之瀬泰造のたたずまいが印象的だった。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 10点(2011-07-03 23:46:24) |
74.日本人は、沢田教一と一ノ瀬泰造の名を忘れてはならないと思いました。浅野忠信の爽やかな演技が印象的ですね。観賞後、しばらくして、プライベートで買い物中の彼と街で偶然すれちがったことがあります。圧倒的なオーラを放っていて、格好良かったです。出来に拙さを感じる部分がありますが、事実がベースなので重くずっしりとした作品でした。 【ジャッカルの目】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-08-13 08:12:12) |
73.いやぁ~、なんつーか、ベタベタな展開と学芸会のようなせりふ。チープな和風ドラマを海外で撮ったらこうなる、っていう典型なんじゃないでしょうか。ステレオタイプのテーマや人間や場面が続々と登場し、なんともげっそりしました。アンコールワットも、できたらもう少し神秘的に登場してほしかったです。ふぅ~。 【きのう来た人】さん [DVD(邦画)] 2点(2009-08-13 06:01:18) |
72.浅野さんの泣きの演技でどうしても冷めてしまう。それにしても、戦場のジャーナリストたちは何のためにその場所へ向かうんだろう。名声?金?真実を伝えたいと言う正義感?私にはどれもピント来ないし命を懸けるべきモノとも思えないが、文字どおり命を懸けてまで自分の夢を追った泰造さんの情熱に憧れます。 【雪駄】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-07-06 04:41:37) |
71.《ネタバレ》 こういう現実を伝えるのに映画というメディアは必要なのだろうが、この映画は描写不足があまりに多過ぎる。これで生涯を描いたというには本人に失礼ではないか。なぜ戦地へ出向いてまで写真を撮るのかは絶対描かないとダメだろう。他にもシーンが飛びすぎ。そして、テーマ性は良いが、ぬるい。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 3点(2008-10-04 00:25:37) |
70.この映画を見て一ノ瀬泰造のHPを訪れたのですが、顔や雰囲気が浅野忠信となんとなく似てませんか? 私も遺跡好きで、昨年はタイのアユタヤに行ってきました。そこで首なしの仏像や半壊された寺院を見て寂しさを覚えました。ミャンマー人による破壊や略奪で荒廃したアユタヤとは違い、アンコールは内紛による戦禍に埋もれて荒廃していきました。地球とは創造と破壊を繰り返して成り立っているわけですが、戦争や侵略の過程で崩壊する文化遺産ほど虚しいものはありません。この映画を見て少しだけ考えさせられました。 【黒めがね】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-01-28 23:07:53) |
69.《ネタバレ》 兵士でもないのに戦場に赴き、戦争というものの姿をシャッターに捉える。非常に無謀な行動であることはいうまでもありません、ただその無謀な行動をする人間がいるからこそ、戦争の真実の姿がどのようなものであるか戦地以外の人間も知ることができるんですよね・・・。 しかし、知り合いの子供が戦災に遭う姿をシャッターに収めようとする泰造の姿などをみると因果な商売であるとつくづく感じました。 泰造が惹かれ目指していたアンコールワットの美しさが非常に印象に残りました。 【TM】さん [地上波(邦画)] 7点(2007-11-18 21:45:28) |
68.特殊な役どころが多い、浅野忠信出演作の中にあって、珍しく(?)まともで、エネルギッシュで、人間的な役どころを演じている。そういう意味で、貴重な作品。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2007-09-04 09:26:46) |
67.この人たちはなぜ写真を撮りに行くのだろうか。なぜ死ぬ危険性があるのに最前線に行ったりするのか。そこまでして何を得ることが出来るのか。 【アスモデウス】さん [地上波(邦画)] 7点(2007-08-14 23:55:09) |
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66.絶対行くという彼の熱意に誰もが眉をひそめる、危険極まりないあのアンコールワットに、「今、どうしても今、この目に焼付け写真におさめたい!」、ただただそんな先走る思いだけで足を運ぼうとしたのかな。映画としては可もなく不可もなく、という感じでしたが、個人的には評価のコメントがしづらいので、とりあえず点数を・・・ 【☆Tiffany☆】さん [地上波(邦画)] 5点(2007-08-04 05:58:24) |
65.実話ということで、物語としてはそんなに盛り上がらない。 淡々と話が進んでいく感じ。 最終目的地であるアンコールワットも今となっては6万円のパックツアーで行けるような有り触れた観光地となってしまっているわけで、危険な情勢下で行くことに意義があるということなら、主人公に同情の余地はなさそう。 命知らずの危険自慢なら、もう少し世間の役に立つようなことをした方がいいと思う。 【もとや】さん [地上波(字幕)] 5点(2007-08-04 04:43:55) |
64.他人から無条件に愛される人を演じたり描いたりする人間はどんな人間なんだろう、と思う。この映画でそんな人の魅力のかけらも感じられなかったので、よほど無神経な人間なんだろう。 【准将】さん [ビデオ(邦画)] 2点(2007-07-30 14:25:14) |
63.やっぱ実話ってのはゾクゾクきます!邦画では最高ランク! 【Andrej】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-11-08 22:44:10) |
62.俺は本気でアンコールワットが見たい!そんな映画でした。 【ゆきむら】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-08-16 03:38:54) |
61.カメラ。フィルターを通して世界を見る。この浅野演じる一ノ瀬泰造にはそんなニュアンスを感じた。何人もの人が死ぬ姿を見ているのに、自分の知り合いが死したときのあの悲しむ姿は不快。仕方なくそこにいるのではなく、わざわざ自らの意思で赴いているんだから。なんか矛盾してないか?と。あくまでこれは「映画」に対するレビューだけど。さらに、彼が写真を撮ることの動機がはっきりわからなくて、感情移入することができなかったのが残念。けど、最後のアンコールワットを見たときの感動はなんかすごい伝わってきた。カメラがなくてきっとよかったんだよなぁ。 【透き通るBlue】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-14 20:13:23) |
60.主人公が何のために写真を撮るのか、その理由が自分には理解し難いところがありました。 戦争の悲しみや理不尽さはとても伝わってきました。 【ねこかもめ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-11-13 14:27:41) |
59.《ネタバレ》 スゴイ。期待以上でした。泣きました。あんな生き方が、出来るならしてみたい。アンコールワットに辿り着いたときは、本当に感動しました。でも1度でいいから、シャッターをきらせてあげてほしかった…。私も行ってみたくなりました。アンコールワット。 【M・M】さん 8点(2005-03-21 11:59:41) |
58.《ネタバレ》 浅野忠信主演作。浅野自身が語っている様に、浅野には珍しいタイプの明るい役柄となっている。だが、率直に言って、当時の浅野には荷が重過ぎたと思う。写真家の一ノ瀬泰造が、アンコール・ワットに理由なく飛び込むことができるための、役者の身振りができていない。浅野は泰造を客観的に見る役柄を演じているかのようだ。それでいて、役柄は一ノ瀬泰造なのだから、どうしても違和感が残るのだ。 戦争シーンもどうにもならない位に退屈である。悲惨さを訴える必要はないけれども、リアルさは訴えなければならない。戦争がそこにあるような、ヴァーチャル・リアリティの感覚。それを紡ぎ出せない映画は、精神分析的な映画でない限り、瞠目されることはない。それと、戦争が個人的であるとする映画側の姿勢も感心しない。現代の戦争は、無名の兵士達が、数値に置き換えられて行く戦争であるという。個人のなした戦争での功績など、兵器一つで吹っ飛ぶ時代だ。そこでは、誰が功名を立てたかではなく、何人死んだかが目的となっている。文字通りの意味での無名の兵士しか存在しない。現代の社会一般のように、戦争も「匿名性」の顔をあらわにしてきているのだ。 一つ良かったと言えるのは、一ノ瀬が地雷で死んだ子供の写真を撮っているシーンである。その子供は、カンボジア人で、一ノ瀬が世話になった村の子供だった。その子供はついさっきまで生きていたが、死んだ。しかし、一ノ瀬はこの子供の死体を撮る。そこには、レンズを通して現実を創作する芸術家の指がある。だからそこを村のおばさんがついてくる。なぜ撮るのか、非常識だと。一ノ瀬は現実をこれだと思いこんでいるが、それは抽象に過ぎない。おばさんは、非常識を責めるが、ここでは一ノ瀬が現実を「共有する」人物として、同じ土地に立つことを要求されているのだ。 一ノ瀬は、レンズに映されたフィルム写真を見て現実を見た気になっている、ヴァーチャル感覚の人間の姿とも言える。それを映画の中でやることが、またシニカルな響きを持っていて、おばさんも所詮はフィクショナルな存在でしかない。フィクショナルな存在が、フィクションの中で「現実に戻れ」と諭す。これは私たちの誰をシンボライズしているのか?メディアに浸っている人間の群集がいるが、その中で蒙をひらかれた人間であろう。 【はなぶさ】さん 5点(2004-10-13 11:40:41) |
57.残念ながらこの映画、私の性格としてはその無鉄砲さが鼻につくというか・・・冒険が大好きで純粋な目標に向けてひた走る若者、そんな自分に酔ってる主人公が観ていて苦しいというか・・・。自分もこんな生き方に憧れているからなのでしょうか。彼にやきもちを焼いているのでしょうか。否。基本的な価値観、何をかっこいいと思うかという部分が彼とすれ違っていると思います。その無鉄砲によって結果的に誰が幸せになるのでしょうか。自己満足とは言いませんが、九州からわざわざ危険を承知でアンコール・ワットを見に行って戦争がどうなるのでしょうか。というわけで、私はこの映画を観て「おつかれさーん」としか言えません。その前に浅野忠信は雑誌だけ出てればいいと思います。そのどうしようもない演技をしなければ、かっこいいと思います。映画自体も敏腕プロデューサー奥山和由らしからぬ、弛緩した感じでした。ただ、カンボジアの映像がドキュメンタリータッチで流れてきて気持ちよかったです。 【おしりはばとび】さん 6点(2004-09-20 02:37:44) |