3.役者くずれで、怪獣ショーのぬいぐるみに入っていた父親を持つ主人公。うだつのあがらない父親を見て育ち、いつか自分は本物のヒーローになるんだと思いながらも、小さな幸せにしがみつく平凡なサラリーマンになってしまった。会社でも家庭でも全く存在感のない生活。そんな彼が、ある夜、道端でチンピラに絡まれる女性を目撃。周囲の人々は見て見ぬフリをするだけ。その時、子供用のパンツを被った滑稽な男が現れて女性を救出。好奇の目でパンツ男を取り巻く野次馬に「あなた達は私を笑っているが、私はあなた達を笑ってやる。悪いことには悪いと言いましょう」と諭して去っていく。後に、この時のパンツ男が知り合いのサラリーマンで、人助けの最中に命を落としたことを知った主人公は、彼の遺志を継ぐことを決意する。父親の遺品のふんどしを握り締めて。
絶妙で観る者に勇気(?)を与えてくれる大人の童話。ただ難を言えば、ストーリーの中心が、会社の汚職事件になってしまい、こちらは引き気味になってしまう。会社の中のどうでも良いような事件をネタにするのではなく、主人公にもっと違う活躍の場所を与えて欲しかった。ハリウッドで映画化してくれないかしら?