一人息子のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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一人息子

[ヒトリムスコ]
The Only Son
1936年上映時間:82分
平均点:6.73 / 10(Review 11人) (点数分布表示)
ドラマモノクロ映画
新規登録(2003-10-15)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-02-26)【イニシャルK】さん
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監督小津安二郎
助監督原研吉
キャスト飯田蝶子(女優)野々宮つね
日守新一(男優)野々宮良助
葉山正雄(男優)野々宮良助(少年時代)
笠智衆(男優)大久保先生
坪内美子(女優)野々宮杉子
浪花友子(女優)大久保先生の妻
突貫小僧(男優)富坊
爆弾小僧(男優)大久保先生の子供
吉川満子(女優)おたか
高松栄子(女優)女工
原作ジェームス槇
脚本池田忠雄
音楽伊藤宣二
撮影杉本正二郎
厚田雄春(撮影補助)
製作松竹
配給松竹
美術浜田辰雄(美術監督)
衣装斎藤耐三
録音茂原英雄
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【クチコミ・感想】

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1
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11.《ネタバレ》 小津トーキー第1作。

会話の内容が実にはっきりしていて、聞きやすく、味わい深い。
飯田蝶子の話す演技が実に際立っていい。
トーキー第1作にして、小津は自分の映画文法を確立したかのようである。

それにしても戦前の東京でもう都会に人が流れる様が描かれている。
それから80年間(途中戦争があるが)、東京に人が流れていったのだから、一極集中は当たり前だね。
トントさん [ビデオ(邦画)] 7点(2019-10-29 13:47:37)
10.《ネタバレ》 明らかな失敗作です。小津は日本にトーキーが持ち込まれた31年以降、トーキー移行に向けた実験を繰り返してきました。フェードイン・アウトによる安易な場面転換や移動撮影など、小津が嫌ったと「される」演出を徐々に減らしていき、満を持してのトーキーデビューが本作でした。しかし、本作には捨て去りつつあった演出が総動員されています。小津がトーキーの編集に手こずったことは確実。そんな中でトーキーに対する風刺をかます惨めなシーンもありました。小津の心境はお母ちゃんの悔し涙と奮起を誓う息子の意志にシンクロしています。その後、本作での反省を活かして小津は黄金期を迎えます。本作は避けられるものなら避けたかったが、成功のためには必要だった失敗作です。
カニばさみさん [DVD(邦画)] 3点(2016-12-13 00:14:53)
9.《ネタバレ》 小津安二郎監督のトーキー映画第1作。戦前の小津監督の映画には喜劇色の強いものや、外国映画を意識した作風の映画が多いように思うのだが、初のトーキー作品となった本作では、「東京物語」に代表されるような親子の物語で、笑いのシーンはほぼ皆無で、シリアスな作風となっている。しかし、本作も間違いなく小津監督らしい映画となっていて、息子の東京での生活の厳しさや、その現実を見た母親の切なさを丁寧に、それもこの親子の絆を優しくあたたかく描いており、戦前のこの頃から小津監督はこういう親子のシリアスなドラマも描ける監督だったんだなあと感じた。焼却炉の煙突を見ながらの親子の会話、そしてその夜の口論はなんだか息子の立場になって考えた場合にすごく身につまされるものがあってつい息子に感情移入してしまう部分もあった。馬に蹴られた近所の子供のために息子がとった行動を見た母親が息子にかける言葉がああ、この母親は息子がどんな暮らしをしていても、自慢の息子には変わりないのだなと感じさせていて感動的だった。しかし、やはりこの映画が描いているのは理想と現実は違うということで、帰京した母親が「息子も偉くなって」と周囲に語るものの、一人になるとしょんぼりとしているラストシーンはこの母親の心情というものがすごく理解でき、侘しい気持ちになるのだけども、その前のシーンで東京で息子が今度母親が来るときにはこんな侘しい姿は見せないぞと奮起する姿を描いていて、そこに希望を感じさせているのがいい。「東京物語」だともっと親子関係はシビアに描かれるのだが、まさしくこれはその原型といったところ。主演の飯田蝶子は晩年に演じた若大将シリーズでの主人公の祖母役が大好きなのだが、この映画では息子を時に厳しく、そして優しく見守る母親を演じていて若大将シリーズとは全く違う一面も見せているのだが、その演技が非常に素晴らしく、間違いなくこの映画は彼女の代表作と言っていいだろう。もちろん息子を演じた日守新一も素晴らしい。ところで、親子が映画館で外国のトーキー映画を見るシーンで「これがトーキーってやつですよ。」というセリフを息子に言わせているのは、初めてトーキー映画を撮ったことが嬉しくてたまらないという小津監督の素直な喜びが感じられるシーンではないだろうか。
イニシャルKさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-11-07 18:00:42)
8.《ネタバレ》 小津の作品で「過去」が描かれた部分があるのは珍しい。大正末の信州シーンから始まる。ランプ。そこで人物を設定しておいてから、現代の東京に母が上京してくる。嫁は下宿の近所の娘だったそうで、なにやら小津の学園ものコメディを思い出す。あの青春を謳歌していた学生たちのその後。しかし現在の夜学の生徒たちはかつての学園ものと違って、坊主刈りだし生気がない。家ではずっと近所の工場の音が続いているのが、初トーキー作品ならでは。それで支那ソバのシーンでしたか。ちょいと隣の家によって「ひょっくり出てきちゃって弱ってますよ」なんてところ。これを夫婦で語ると深刻になってしまう。隣りのおばさんに軽く言って「まあ(そんなこと言っちゃバチがあたりますよ)」ってな調子で受けてもらいたいという主人公の側の期待も含まれている。つまり愚痴。こういうとこがうまい。そして埋立地のシュールな、後のアントニオーニめいた茫漠とした風景。ひばりの空との対比。夜の不満の爆発。母の性根論もむなしく響くぐらい、風景のうつろさが家族を取り囲んでいる。富坊が馬に蹴られるエピソードがあって、これで母が「お前もお大尽にならないでよかった」と結論づけようとする哀れさ。小津の主要なモチーフとして「不如意」があるが、これをすぐ「諦念」に結びつけるのは危険だと思う。どうして挫折するのか、どうして家族は一緒にいられないのか、どちらかというと小津は諦めるというより苛立ってたんじゃないか。これを「人生の味わい」なんて片づけさせないぞ、ってな意気込みを感じる、少なくとも戦前の作品では。私は基本的には明るい小津が好きなのだが、しかし本作の侘しさはコメディのネガとしてズッシリと記憶に残された。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-18 12:03:27)
7.後の小津代表作『東京物語』の原型ともいえる小津の王道的作品。
つまりは、私の苦手な系統の小津作品である。
やっぱり小津の魅力はコミカルさにあるんではないか。
本作は終始淡々と進み、コミカルさは成りを潜めている。
にじばぶさん [ビデオ(邦画)] 5点(2008-01-16 22:14:55)
6.小津安二郎監督、最初のトーキー作品!小津監督にしてはユーモアがやや薄い気がするが、そこは小津監督ならではの親と子の愛情を丁寧に描くことで生まれる人間愛、優しさというものが込み上げてきます。貧しい市井の人々の暮らしというものを描きつつも温かく描く小津監督作品らしい人間味溢れる作品というのが観ての感想です。飯田蝶子の優しい母親ぶりと息子役の日守新一の二人の演技が素晴らしい!
青観さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-05-30 22:10:27)
5.昭和18年だから無理もないけど、音声や映像の状態が悪くてセリフが聞き取りにくい。半分くらいしかわからなかったので点数ははばかられるんだけど・・・信州の田舎の母親が一人息子を東京へ勉学に出し、久方ぶりに上京してみると息子は結婚し子供までいる。出世を励みに仕送りし、貧乏にも耐えていたのに夜学の教師と聞いて内心がっかりする。でもこの息子は借金してまで母親を毎日もてなし、妻も協力する。隣近所との人情味ある交流など、今見ればすっかり失ってしまったような美しい心が描かれている。さすがに時代を感じるし古いなぁと思うが、貧しいからこそこんな人間関係があったのだと思う。今のイランや中国の映画を見るとこれと同じような雰囲気があり、懐かしい気がする。飯田蝶子や笠さんが若い!みんないい顔をしています。
キリコさん 6点(2004-08-28 17:48:57)
4.期待の息子は職を失い、勝手に結婚、子供も作り、およそ孝行息子ではないのだけれど、人間的には大きく成長した息子を誇らしく思う母。本作の後には戦争があり、その後東京物語、社会状況はめまぐるしく変化していきながらも、小津作品は時代を超えた普遍的テーマのため何時の時代も心に響く。ただ流石に録音状態は酷いかな。
亜流派 十五郎さん 8点(2004-06-13 22:24:00)
3.《ネタバレ》  この映画に華やかな東京はほとんど描かれていない。煙りのあがる焼却場であったり、辺鄙なクラブであったり。東京での生活の厳しさを、母親と一緒に見る人もだんだんと感じ取っていく。後半、母親は息子が妻の着物を売って手に入れたお金を、隣家の子どものけがの治療費にやってしまうのを見る。「在郷への一番のお土産」や、信州へ帰った後の「息子も偉くなって……」という台詞に、母親の息子を誇らしく思う気持ちが現れる一方、最後の表情には本音ものぞく。さっぱりとして、奥の深い映画だった。
アイカワさん 8点(2004-02-22 10:35:57)
2.「東京物語」の原型が見られる作品。母一人子一人の「東京物語」。東京市のゴミ焼却場に象徴されるように、昭和11年頃の東京の外れの風景が非常に殺伐とした雰囲気で捉えられている。こんなところには、夢や希望や豊かな生活などと言うものは何も無い感じ。それでも心は豊かにさせられる親孝行の物語かな?と思っていると、肩すかしを喰らわせられる、人生に対する見方が、とても厳しい物語だ。ラストは、ほとんど、絶望的な気分になる。
ノーコメントさん 7点(2003-12-25 02:22:35)
1.初めて見た小津映画です。起伏の少ない地味目の物語でしたが、古き良き日本を垣間見れて懐かしい気持になりました。人生が思い通りにいかない皮肉さと、親子の愛情が書かれていたのが印象的です。昔の日本人は貧しくとも、現代の人より思いやりの心、支え合いの心を持っているように感じます。難を言えば、古い作品のため、音声が聞き取りににくかった場面が多々あったことです。今後は小津監督のほかの作品も見てみたいと思います。現代の日本人にこそ見てもらいたい作品です。
プミポンさん 5点(2003-10-15 23:12:22)
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【点数情報】

Review人数 11人
平均点数 6.73点
000.00%
100.00%
200.00%
319.09%
400.00%
5218.18%
619.09%
7218.18%
8436.36%
919.09%
1000.00%

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