13.《ネタバレ》 まず、半分はブラックコメディと思って観たほうがいい。何しろ群像劇の軸となる音楽界の大御所二人からして、「ヘブン」なんてふざけた名前のヅラ野郎と貧血ぎみの歌姫ですから。とは言え、もともとロバート・アルトマンは斜に構えてその本心を見せないところがあり、そのアメリカへの愛国心が隠せない映画であることは間違いありません。 映画は全編を通して、不景気や政治汚職にベトナム戦争の傷跡が見え隠れするし、停滞中どころか沈没寸前、そこには70年代の痛々しいアメリカの姿がありました。 そんな時代でも「歌」だけが心の拠り所と信じて観ていたら、ショービズ界の汚らしい裏側を見せつけられて、そして音楽フェスの銃撃テロ・・。しかし、続くシュプレヒコールのごとく圧巻の大合唱は、アメリカはどん底だ、もう歌うしかない、という開き直りと再生への願いが入り混じった群衆の「叫び」なんだろう。 大混乱の最中、一人会場を後にするベトナム帰還兵 (スコット・グレン) の姿が印象的。彼がベトナムに戻りたくなるほどこの国が愛想をつかれたのか、それともこの国がようやく戦争の暗い影を振り払うことができたのか。 ロバート・アルトマンは、シニカルな笑いを浮かべて我々に問いかけているようだ。 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-12-27 12:23:46) |
12.《ネタバレ》 暇で仕方がない時におすすめ。小分けしながら、ゆるりと観よう。 あと予習も忘れずに! ※この映画の日本DVD化が遅かったのは、テーマがアメリカ自身で、かつ人と歌が多くて観るのが苦痛だからである。 |
11.《ネタバレ》 初回は途中で見るのやめてしまいました。ある質問コーナーでこの作品についてのコメントを見た後、二度目は最後まで見ました。 しかし実際どのようにしてこの作品をみれば楽しめるのかやっぱしよくわかりませんでした。 ロバートアルトマン監督は、アメリカの力強さやエネルギーとそれに伴う狂気の部分を愛国心を持って描いたのかなとは理解できましたが、後でもう一回見ようとは思いません。私には難しい映画かな。 Jin 【仁】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-10-25 23:33:15) |
10.《ネタバレ》 そもそも話をまとめようという意図が感じられないのだが、その適度な拡散感あるいはダラダラ感(ほめ言葉)、さらには全部を何としても入れ込もうという情熱と執念が、製作時代の空気とも相まって逆にいいところなのかも。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-04-07 01:07:49) |
9.《ネタバレ》 不思議とソフト化されなかったので“まぼろしの名作”扱いだったのですが、ようやくDVDとなり気軽に観られるようになりました。“24大スター共演”なんてアルトマンのブラック・ジョークみたいなもので、実際は個性派バイプレイヤーと新人俳優の大集合です。カントリー・ミュージックの聖地が舞台の音楽群像劇だと思っていましたが、実はカントリーではなくてどちらかと言うと大統領選挙がメイン・テーマですよ、この映画。凄いのは劇中使われるカントリーはすべて歌っている俳優の自作ということで、あの名曲"I'm Easy"もキース・キャラダインが作ったと言うのにはびっくりです。このキース・キャラダインが演じるのが女にモテモテの(というより異常に女癖が悪いと言う方が正解)歌手なんですが、リリー・トムリンを口説くために"I'm Easy"を歌うシーンで会場に居合わせたキースお手付きの三人の女がみんな「私のために歌ってくれてるんだわ❤」とうっとり顔になるところは大傑作でした。 アルトマン作品の頂点であることは確かですし、群像劇としては完璧ではないでしょうか。本作のラストがジョン・レノン暗殺事件に影響を与えたなんて指摘もあるそうですが、そう言われてみると劇中で発砲する男とレノン射殺犯のマーク・チャップマンが良く似た風貌なのが不気味です。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-03-09 20:55:48) |
8.ロバート・アルトマンの代表作であるにも関わらず、ずっと日本では鑑賞することが困難であった作品で、待望のDVD化、劇場公開解禁といったところだ。 アルトマン作品はほとんど観たが、確かにアルトマン群像劇の原型という印象。 それだけに分かりづらさがあり、そして登場人物達が実はあまり絡んでいなかったりと、まだアルトマン自身が群像劇スタイルを模索中という様子がうかがえる。 【にじばぶ】さん [映画館(字幕)] 4点(2012-03-08 21:59:42) |
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7.160分の長尺のどこを切り取ってもアルトマンそのもの。彼の群像劇は自分にとっても特別なものですが、これが最高傑作と言われるのも眉唾ではなかった。やっと観れた!(感涙) |
6.《ネタバレ》 なかなかソフト化が実現しなかった、ロバート・アルトマン幻の名作。『ショート・カッツ』の前身とも言える群像劇で、24人(だっけ?)のスターが総出演。最初は登場人物の多さに混乱するが、キャラクターやその背景が分かるにつれ徐々に面白くなってくる。カントリーミュージックと60~70年代の〈アメリカ〉を知らないと理解できない部分もあるが、当のアルトマン自身は全くカントリーに興味がないらしく、そのアバウトさがまたこの監督らしい!エリオット・グールドとジュリー・クリスティが本人役で登場するところが面白い。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-02-22 07:27:16) |
5.《ネタバレ》 ついにこの映画を字幕で観ることができた!!ニューシネマ好きの自分にはホント嬉しい。輸入盤はもっていたが、群像劇なので観ても分からないだろ、と思ってた。それが某レンタル会社の企画でついに鑑賞することができたのだ!最初は、登場人物が多いので、誰に感情移入したらいいのか分からなかった。まずはショービジネスの舞台裏で話を引張り、そして中盤では音楽の内容で見せ、そして終盤、それぞれの登場人物が行くとこまで行くのだ。プレイボーイはついに堅物の女性を落とし、音痴の夢見る女性は町の有力者の前でストリップをやらされる。心の弱い女性歌手は最後、銃で撃たれる。なんとまぁ凄い映画だった。ルメットの「ネットワーク」にどこか似ている。ニューシネマのもつ華やかな世界への疑問。それがこの映画にもよく表れている。当初は8時間の映画だったらしい。それをどんどん短くして行って、2時間40分にまとめたのだ。いやはや、よくまぁここまで短くしたわ。ちゃんと人物が描けているし。アルトマンの群像劇への感性が飛躍した、記念すべき一本だ。たまらんです。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-02-12 02:44:28) (良:1票) |
4.これがアルトマンですか 勉強させてもらます でもとりあえず長い 【マーガレット81】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-05-18 23:46:18) |
3.《ネタバレ》 当時の時代背景が伝わってくる。カントリーミュージックの世界の舞台裏が、政治の介入と絡めて、アルトマンらしい群像劇と皮肉で描かれている。政治家ではなく歌手が暗殺されてしまうラストは、アルトマンの大きな意図があってのことらしいです。その後、「私は平気、気にしない」の合唱による幕引きは、『今宵、フィッツジェラルド劇場で』にも通じるアルトマンの人生観を感じさせられ、なんとも言えない余韻が残ります。 【カワウソの聞耳】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-01-21 22:52:07) |
2.いまは亡き叔父の部屋にK・ブラックの切り抜きが貼ってあって、お前もこのぐらいボインになれと言われた。キースがヘタレカッコいい。カントリーが好きになった思い出の一作。 【mimi】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-11-24 00:50:54) |
1.日本でカントリーが不人気のピーク時に上映された映画です。この映画からアルトマンにはまりました。アルトマン得意の群像劇ですがカントリー音楽の裏側と政治の裏側をうまくタペストリーにしています。片っ端から女に手を出すキース・キャラダインもあきれながらかっこいいし(なんたって「I'm Easy」歌われた日には大方の女性は落ちるしかないでしょう)、実力がいまいちなのにカントリーの女王になっているカレン・ブラック、障害を持つ子供の母親リリー・トムリン、ほかにも魅力的な登場人物がいっぱいです。裸になれば舞台に立たせてやるといわれて泣きながら服を脱ぎ出す蓮っ葉役のグエン・ウエルズが特に印象的。いまの日本のアイドルなら喜んで脱ぐのにねぇ。 【omut】さん 9点(2004-09-25 07:01:12) |