1.《ネタバレ》 ソフトフォーカスや残像、逆光での撮影など、妙に凝った映像が鼻につき、また「地球は本当に回っているのか?」などという安易な抽象で心情を表そうとしていることに、監督としての稚拙さがでています。しかしながら、台所で妻が黙々とオムライスを作っているシーンや、その後の食べかけの映像などカット割は良かったと思いますし、心情描写に『ドックフード』という奇抜な手段を用いているなど、魅力的な部分もありました。そういうことを考えたのですが、やはり冷凍庫に入れたコム風船や犬小屋の靴でオチをつけるというなんとも情けない結末にげんなりしてしまいました。もう少しリアルなオチにしないと感情移入できないかな、と思います。ゴム風船って数日で萎むものなんですが、そこに風情があると思うんですがね。主題歌にジェーン・バーキンを使っていますし、たぶんフランスあたりの映画が好きなんだろうと思います。