6.《ネタバレ》 この映画のテーマは『シンプル・イズ・ディフィカルト』だと思う。
主人公の二人は性格は正反対、人種も階級も違うが、それでも惹かれ合い純粋に愛し合う。
互いの表現の仕方に違いはあるにせよ、『相手を大切に想う』気持ち、『ありのままの相手を受け入れようとする』努力、そして『自分の気持ちも大切にする』という根底の部分は一致している。
これは恋愛に限らず人間関係において大切な要素だと思った。
そんな二人もそれぞれの家族や将来の悩み・問題に直面する。
どれも互いにとって大切な存在だからこそ、万事順調になることを願う。
困難な現実に立ち向かうことは、誰にとっても厳しい。
それでも立ち向かえるのは、様々な葛藤や悩みの中『愛情』のみで繋がっている
互いの存在の大きさなのだろう。
ただ、彼氏に比べると彼女の問題は少々幼さも感じたため、そこが少々残念でもある。
気持ちは口にしなければ相手には伝わらないことを頭では分かっていても、
それを実際に行動に移し、素直になることはなかなか難しい。
「簡単だけど難しい。分かっていてもなかなか出来ない」と思う事柄は、
少しでもシンプルになれれば、それだけで何かが変わる可能性大なのだろう。
全体的に、主演二人の若さ溢れる楽しそうな輝きには自然と顔がほころんでしまう。
特に海辺の写真のシーンは、爽やかで甘酸っぱい自分の記憶をも呼び覚ましてくれた。
若さ故の勢いに乗るも様々な問題や葛藤に溺れ、しかしそれでも精一杯愛し合う二人の姿は、狂気<クレイジー>でもあるが耽美<ビューティフル>にも成りえるのだろう。