4.《ネタバレ》 その方面ではある種、史上最強・空前絶後のオールスター超豪華キャスト!と言って好い映画でありましょう。要するにぶっちゃけ「顔見世公演」みたいなモンで、でもそのワリには(思ったよりも)お話も整理が付いていて分かり難くもなく楽しく観てゆけます(火事場・盆茣蓙・修羅場諸々だとか、期待する見せ場も大体網羅はされており)。まあ、役者の方々のそれぞれはごくいつもと同じ様な役回りを演ってるのでその意味でも頭には入ってき易いかと(=いつもの悪者はフツーにまた悪者だし、善玉はまあ善玉だしで)。
ただそーは言っても如何せん、後半のカチコミ(オーラス)までの30分弱くらいはちょっと流れが重いかな、とも。まあコレも、嵐寛寿郎・鶴田浩二・片岡千恵蔵(+若山富三郎も)といったごく「大物」の方にもシッカリ見せ場をつくってかにゃならん…というコトで、鬼鉄一家と「に」組がイザ喧嘩しそーになると片岡千恵蔵やら鶴田浩二やらが都度仲裁に入って来る…てな始末で(⇒に組は冒頭で明らかに鬼鉄に河岸政が殺されてるのですから、思えばそもそもこの流れ自体がちょっとまどろっこしいですよね)。そして(コレも)そもそもこの辺て、一番肝心な藤純子その人の出番があんまし無くなってんじゃねーか!とも思いますよね。
まあ、それでもやっぱ肝心の藤純子にしたって冒頭は芸者⇒後半は火消の親分(髪型が変わってるのがまたナイス)の両構えで、修羅場でもピストルぶっ放したり槍振り回したりモチロンポン刀でも大暴れしますし、またオーラスの流れとかだってそこそこすんなりと好く出来ていたとも思うのですね(=藤純子の「皆さん、お世話になりました」の台詞への繋がりも含めて)。そして、ソレこそが「やりたかったコト」でもある…というその辺はどれもとても上質にやれていた、と思うのです。結論、やはり一点足しておくコトにはナンの躊躇もありませんですね。良作です。