28.《ネタバレ》 シリーズ25作目。ここらで半分折り返しです。オープニング、華麗な身のこなしをするねずみ小僧。寅の役をスタントマン(だよね?)が演じるのは本作が初じゃないだろうか? 前作でひっそりと初の海外ロケをした寅さんシリーズ。本作はいよいよ沖縄。飛行機嫌いの虎さんも沖縄は初上陸。まだ戦争の名残りが感じられる米軍基地と、チンプンカンプンな琉球語。日本であっても異国情緒が色濃く出た作品です。 ここ最近(個人的に)低空飛行だった寅さん。もしかしたら、この辺でシリーズをお終いにする考えがあったんじゃないでしょうか?そうなるともう、寅に一番近いマドンナ・リリーに再登場願うしかなかったのかなぁ?って。本作を含めてリリー3部作と呼ばれているそうですが、前作“相合い傘 ”で、十分綺麗にまとまっていたと思えます。 リリーとは、最北の北海道で出会い、最南の沖縄県で再会するのは上手な〆方です。またTVシリーズの最終回も沖縄だったとのことで、益々最終回感を強く感じます。寅と一番相性のいいリリー。夫婦のような同棲生活をするふたり。リゾート感満載の沖縄での生活は、まさに夢のようなひと時。現実世界では消して結ばれることのない、でも相思相愛のふたりにとって、本作自体が夢物語のようなポジション、リリー前後編の番外編ポジションのように思えます。 悲しいのは、この同棲の中でも、寅は一人でふらりと遊び歩く毎日。終いには些細なことで大喧嘩してしまいます。夢の世界でさえ上手く行かないふたり。当然、現実世界で上手くいく筈もありません。 「リリー、俺と所帯持つか?」寅がこれほどしっかりと、言葉に責任を持って、真剣に告白するのって、本シリーズ初じゃないでしょうか?冗談として返すリリーが“相合い傘”のアンサーにもなってますが、このシリーズ全体の寅次郎の結末にも思えます。 旅先のバス停。爽やかでカラッとした心地よい再会が、寅とリリーにとって結ばれる以上に幸せな関係に思えてしまう。 こんなの観せられると、これでシリーズが終わりだとすると「あぁ、綺麗に終わったなぁ」って思えたことでしょう。 だけどシリーズはもう半分続きます。そして私も観続けます。 数え間違いじゃなければ、本作まで観続けてるレビュワーさん、私含め16名。さぁこれからも楽しもう! 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2023-11-04 00:22:32) |
27.《ネタバレ》 冒頭の夢から始まるシーンがやっぱりあまり好きでないかなぁ、長い。やけに軍用機を見せてくるのも、意図を感じて【男はつらいよ】にはマッチしていないように感じた。 【はりねずみ】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2021-07-26 08:56:04) |
26.《ネタバレ》 いつも思うのだが、寅さんは余所の人(特に困っている人)にはすごく優しいし、気を遣うのに、 とらやの面々を始めとした「身内」には手のひらを返したようにわがままだし、厳しく当たる人だ。 今作では、沖縄で療養中のリリーと半同居生活をすることになった寅さんが、ふとしたことから痴話げんかになり、 ついリリーに憎まれ口を叩き、リリーのちゃぶ台返しにあってしまう。 ここまで寅さんの「身内エリア」に入り、寅さんと対等にやりあったマドンナはリリーが初めてではないだろうか。 ここに至って、リリーは寅さんの「身内」になることの難しさを知り、終盤の寅さんのプロポーズを冗談と笑い飛ばしたのだ。 ※ちなみにこのシーンは前作「相合い傘」でのリリーが示した本音に対して寅さんが笑い飛ばしたのと対をなしている。 ラストシーンの爽やかさは、こうした二人のすれ違いを経て、一番いい距離感を表現していたからなのだろう。 【田吾作】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-09-23 14:45:57) (良:2票) |
25.《ネタバレ》 寅さんとリリーの相性がいいためか、『相合い傘』と同じようなところがあっても惹かれてしまう。沖縄でまるで夫婦のように暮らし(これがまた似合ってるんだ)、プロポーズされても「夢でも見たのよ」で終わってしまう哀しさ。2人でいるのがいい雰囲気だけに、より強調されてしまいます。2人の関係が絶妙すぎて、ほかの人々がちょっとかすんでしまうのが難点か。それでもやはり、とてもいい作だと思います。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-09-29 22:02:16) |
24.《ネタバレ》 「忘れな草」と「相合い傘」で作り上げたキャラクターを再利用するだけだったらどうしようかと思っていたのですが、そんなことはなく、物語はさらにその先を行っていました。ただ「病室に駆けつけるだけ」という単純な展開がもたらす強力な情感。食事補助の際、リリーが腕を取ろうとするのをさりげなく払いよける寅の切なさ(これは後でとらやでも同様のアクションがある)。若い男女がそれぞれに絡んでくることでさらに重なる心理の綾。リリーのちゃぶ台返しの直後に、暗色に照らされる寅の険しい表情。この世で最も悲しい寅の「プロポーズ」。話が終わったと見せかけて、さらにもう一歩先の2人の進んだ関係を凝縮してみせたラスト。演出が冴えに冴えています。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-09-21 02:51:30) |
23.リリーと寅さんの絶妙なプロポーズも結局はすれ違う...自分の人生の一部を観ているよな恥ずかしさもあった。 沖縄での幸せな生活はやはり夢だったんだろうか、と最後にそう思わせる。 このシリーズの定番進行もあるが、お互いの道を譲らずに、どうしても同じところを歩けない、そういう物語が芯になっていて、それで寅さんと(寅さんを好きになる)マドンナは絶対に幸せになれない、その運命がちょっと哀しい。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-07-04 21:59:52) |
22.相思相愛の男女であっても結ばれるとは限らない。寅さんとリリー、誰が見てもぴったりと思える仲なのにちょっとした食い違いですれ違う。その心理のあやがうまく描かれた映画だと思う。だがたとえ夫婦にならなくても、寅さんとリリーはしっかりした絆で結ばれている。男女間の友情というものだろうか。この映画の終盤はすがすがしく後味良い。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-05-06 19:19:01) |
21.《ネタバレ》 いわばリリー三部作の三作目。この長いシリーズでもこういう展開はとても珍しい。「所帯をもつか?」のセリフには思わずギョっとして固まってしまったよ・・・。でもある意味このシリーズにはやっぱり似合わない展開と言えばそうな訳で・・・。でもそんな何とも言えない複雑な気持ちを爽快なラストで吹っ飛ばしてくれましたね(グッジョブ山田監督) 寅さんはこうでなくっちゃね!と何故か少し安心した次第でゴザイマスハイ 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-08-01 09:31:48) |
20.《ネタバレ》 いやぁ、泣いた。 今まで『男はつらいよ』というのは、寅次郎が永遠に女にふられ続ける人生を描いてきた映画だと思っていた。だがこの映画を見て、『男はつらいよ』というのは、寅がリリーさんに巡りあうための道程を描いた映画だったんだ、と思い直した。 自分の家で普段の夕餉の茶の間ですっかり気を許している時に、つい口に出たホンネ、プロポーズの言葉を「冗談」として笑い飛ばしてしまう寅の悲しさ。ド直球の本音であるのを承知の上で去らねばならぬリリーの哀しさ。もう、泣かずにはいられない。 そして、旅先でまたもや顔を合わした二人のやりとりの、なんと粋で楽しそうなこと。この二人は、こうやって永遠に旅の空で暮らすのが宿命で、それが幸福なのかもしれない。 50年も生きてきて「邦画が好きだ」などと言いながら、この映画を今まで見ていなかった己の不明を、我ながら大いに恥じねばなるまい。 渥美清さんが亡くなって、最後にこの作品の特別編が作られたのは知っている。そして、その一つ前の作品にリリーさんが登場するというのも知っている。どちらもまだ見ていない。この先の新たな展開があるのだとしたら、『男はつらいよ』というシリーズ映画の評価も変わるかもしれない。だがそれらを見ていない現時点でこの『寅次郎ハイビスカスの花』はシリーズ最高と言って差し支え無いと思う。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-07-21 22:29:56) |
19.《ネタバレ》 ○何度目の登場だろうか、リリー。沖縄である必然性はあまり感じないが、飛行機の下りは面白かった。○寅さんがいち早く駆けつけてくれたのはうれしかっただろうが、徐々に水族館などへ遊びに行く寅さん。所詮は遊び人。結婚に近づいたようで、かなり距離があったんだなと。○ハイビスカスの取って付けた感は否めない。 【TOSHI】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-04-20 23:49:16) |
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18.《ネタバレ》 【リリーはいずこ 沖縄篇。今回のマドンナ:三度登場、浅丘ルリ子さん。】 「ねえ、あたしの為に来てくれたんじゃなかったの こんな遠くまで 」 リリーのこの言葉の後に寅は黙りこみ、そのままブッチしてしまった 翌朝ゴメンと言ってももう遅し。 そしてリリーが急に去って、それを慌てて追ってゆく形で寅も急に去る あの島の家族からしてみれば とんだ迷惑じゃなかったのかしら 男女の腐れ縁を目の当たりにさせられた挙げ句、タカシは即失恋、女学生の娘は男女関係の薄っぺらさが今後トラウマとなって残ってゆくかもしれません 結果、ただの通りすがりだったような形であの家を去る その後、きっと気まずさと虚しさだけが残ってしまうのでしょうね あの家族には。 見ているこちらとしてはすごく後味の悪さが残ってしまいます。 そして、結果、結ばれぬ恋。 でも自分としては、残念な思いなど残らないところが他の視聴者様とは違うとこ。 どうもリリー出演の回は過去のものも含めて自分の性には合わない。 だから結果、今回のハイビスカスの花も心底楽しめるものとはならなかった でもそれは確実に想定内のことであったことが自分としては救い、笑える箇所も多少あったことが救い、そしてラストシーンの健やかさが救い。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-04-20 22:11:57) |
【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-04-14 22:33:04) |
16.《ネタバレ》 リリー三部作第三部(だいぶ後に再出演されますが敢えて)。今回は当時はまだまだ遠い感じだった沖縄が舞台でプロモーションフィルム的な感じもある。リリーの為に遠くまで行ったのにこの結果。まぁ寅さんが心底コンプレックスの塊でまさか俺に惚れる女などいない気満々だから仕方ないですな。リリーの方が一枚上手(うわて)でこの関係のまま方が彼と私の為だと悟ったご様子。寅さんも毎度新鮮な恋を楽しみたいかもね。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 7点(2012-09-29 23:25:00) |
15.《ネタバレ》 マドンナは3回目の浅丘ルリ子。 リリー3作目である。毎度パターンの沖縄編という感じかな。ラストシーンも前回の変奏故に寅さんとリリー、とらやの面々も僕らも、予想通りのお約束なラストにがっかりというよりもひと安心か。。。寅さんの「所帯を持つ」というセリフも現実感が乏しく、正に夏の夜の夢の如き一篇でした。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-04-29 23:18:28) |
14.飛行機が飛び交う沖縄の風景が印象的な作品です。南国の雰囲気よろしく、リリーと一つ屋根の下で暮らしながらも、決定的な瞬間に女心を汲み取れないばかりに喧嘩してしまうという設定は、あえて寅さんシリーズを続けるための脚本だったのでしょう。恋愛についての本音が良く表れていて良かったです。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-12-31 10:38:01) |
13.寅さんが全国各地を旅してその地方の懐かしさを感じさせる風景を楽しむ事も本シリーズの楽しみの一つなのですが、本作は沖縄に着いてまず寅さんが乗り込んだバスの窓の外には米軍基地が広がり米軍機が騒音をあげて飛び交う様子をこれでもかと見せる。この様子はそんないつもの寅さんの旅の風景と比較すると殊更異様に感じられます。これも実際に山田監督が感じられた沖縄の風景の一部だったのでしょう。 本作のマドンナは3度目となるリリー。他の作品でも見られますが、リリーが寅さんに甘える様子はいつも本当にいい絵になりますね。そして喧嘩するシーンは切ないですがこれもまたいい絵になります。やっぱりこの二人の間には他のマドンナと寅さんの間には無い特別な味わいがあります。(ラストの二人のやりとりなんて本当にいい味があります) 本作は第25作。第20作あたりから寅さんは時として若者の恋愛相談役に回る事が増えてきてこの頃はマドンナとの心の触れ合いにも物足りなさが見られるようになってきます。このタイミングでのリリーの再登板はシリーズのピンチヒッター的役割でもあったのでしょうか。 【とらや】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2009-12-14 20:53:03) |
12.寅さんシリーズはまだ数作しか見ていないけど、どれも面白くて大好きです。車寅次郎という人は間違いなく実在の人物として生きていました。寅さんならこんな時こんな事言うな、こうするだろうな、という確固たる人物像があるから生き生きしているんです。特にこの「ハイビスカス」がどうのと評価する気は無く、寅さんの生きている姿をただ覗き見て笑うだけです。一つ、沖縄の地に寅さんは違和感があってそれがまた面白かった。リリーはその日本人離れした派手な感じが妙に沖縄に似合っていた。寅さんの前に数多くのマドンナが通過して行ったけど、リリーさんは他の人たちとはちょっと違った立場で、女寅次郎ですね。とにかく難しいことは考えずに「寅さん」のことを見ましょう。 【ちゃか】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-10-07 12:28:46) |
11.この頃の沖縄を見ることができるだけでも貴重なフィルム。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-06 17:04:00) |
10.《ネタバレ》 ラストにリリーと会う。リリーだからこそそれが名シーンになる。 【monteprince】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-03-18 16:52:55) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 最後のバス停でリリーと寅さんが出会うシーンに尽きますね。もう、個人的には寅さんシリーズの中で一番の名場面だと断言します。「ございませんか!この薄情者!(笑)」って一度言われてみたいですね。 【TM】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-08-16 00:23:11) |