1.《ネタバレ》 『続』になっていますけど、“反清復明”“三十六房目の修行房の設立”という壮大なテーマを据え、陸阿采、洪熙官といった英雄たちが揃い踏みする前作に比べ、今回はナンともこじんまりとしたお話しとなっております。
更にこの映画、肝心の修行シーンにおいて『三十六房』ファンにとっては失神モノのトンデモナイ事実が待ち受けていたのである。
ナント何と、今回の主人公は三十六房で修行することが出来ません!
イヤ、それどころか少林寺に入門することすらできんのだ!!
!!!!そ、そんなバカな!アンビリーバボー!卍★☆@∞>◎~!
んじゃ、どうやって強くなるの!
そこで代わりに登場するのが「修行房の周りに足場を竹で組む」という修行…てか工事。
一年経って完成させるも、今度は「足場を取り壊して帰れ」と三徳住持。
反抗するも結局下山を余儀なくされ、悲観する主人公だったが、ナント彼は知らず知らずのうちに“搭棚クンフー”という武術を習得していたのであった!!って…ンなアフォな。
あのぉ、いくらなんでも修行のプロセスに少々無理がありませんかぁ?
第一、それで強くなれるんでしたら三十六房の修行も無意味なものになるんじゃ?
もしかして適所適材ってヤツですか?
主人公が元々その“搭棚クンフー”の素質をもっていたって事ですか?
そう解釈したとしても、前作で修行のプロセスを丹念に見せられた身としては納得するのは難しんではないかね?
おまけに修行の成果を発揮するのもクライマックスの十数分足らずってのもどうよ?
それでもって、敵が主人公の腕前に見合わせたようにわざわざ床机を武器にするってのもご都合主義っぽくてどうよ?
と、なんだか悪いことばかり書いてしまいましたけど、アクションは少ないながらも見応え有り。(ま、カーリョンだし)
アクション無い部分でもチャーフィのコメディ演技が手伝って最後まで飽きさせません。
また人が一人も死なないので、死にまくりの前作より爽やかな印象を受けます。
ここらあたりはカンフーで徳を教えるというラウ・カーリョンの作家性が滲み出ていますね。
…ですけど、せっかく同じ題材扱うんなら、やっぱ前作で見ることのできなかった残りの二十五房で修行してほしかったなぁ。
労働者の給料カットの怒りを 「今度は全体の7割りだぁ!」とカンフーの手加減で表現する主人公の所業に爆笑。