127.《ネタバレ》 『お葬式』に続く伊丹十三の監督第二作目ですけど、この初期二作はサブカル寄りの視点が濃厚で次作『マルサの女』からは社会派的な作風に変化します。でもこの『タンポポ』こそが伊丹の作家性がもっとも色濃く出ているんじゃないかと私は感じます、海外でも評価が高いというのは納得です。 世はあの『美味しんぼ』の連載が始まったころ、膨らみ続けるバブル景気の熱気の中で日本人の関心が食に向き始めてきます。その中であえて伊丹が今でいうB級グルメ的な位置づけだったラーメンをテーマに選んだところは秀逸な観点で、これこそまさに食のサブカルと言えるでしょう。設定やディティールは“ラーメン・ウェスタン”と称するだけあって西部劇のカリカチュアと捉えることができ、登場人物たちを漫画チックなキャラにマッチした撮り方だと思います。ストーリーと並行して挿入される食にまつわるエピソードというか小話がこれまた絶妙。駆け出しの頃だった役所広司を始め、豪華な大物たちがショートコントみたいな寸劇を見せてくれるとはなんと豪華なことでしょう!でもまだ無名だった役所の白服の男の存在感は大したもので、とくに洞口依子との牡蠣のエピソードはヤバいですね。初期の伊丹作品では劇中に一か所はフェティッシュなエロをぶち込んでくるのがお約束ですけど、その中でも直接的な脱ぎや表現はないこのエピソードがエロ度最高峰じゃないかと自分は思います。そして食の映画でもっとも大事なのは、その料理がいかに美味しく見せるかということです。その点では本作でのラーメンは、たとえ深夜に鑑賞していても食べたくてしょうがなくなるまさに“飯テロ”と言ってもいいんじゃないでしょうか。今や定番のネギラーメンは、本作がきっかけで全国に広まったという説があるそうです。あとあまり認識されていないようですけど伊丹十三は音楽のセンスが絶妙で、役所広司のエピソードでのマーラーの使い方は『ベニスに死す』に匹敵するんじゃないでしょうか。 製作から35年経ちましたが、いまだ本作を超える食がテーマの映画は日本映画界では撮られていないのが現実です。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2021-12-18 22:14:38) |
126.邦画の面白さが詰まったような映画。 暖かくて笑えてホロリはそうでもなかったが、なんとも言えない気分を良くさせてくれる。 関係ないエピソードは関係なさすぎたw もう少し本編に近づけた方が良かった気がした。 【たんたかたん】さん [インターネット(邦画)] 9点(2019-09-23 10:31:54) |
125.《ネタバレ》 さえないラーメン屋を立て直すだけの映画。 尺を稼ぐために関係ないエピソードを詰め込みすぎ。 役所広司のエロシーンのせいで少なくとも家族で見れなくなってる。 一番引っかかるのはタンクローリーのドライバーのおっさんがなぜラーメン屋の立て直しができるのかってところ。 ラーメン屋のレクチャーしてるあいだ、本業はどうなっているのかと言いたい。 【承太郎】さん [インターネット(邦画)] 5点(2018-12-23 03:15:41) |
124.名シーンが多すぎる。文句なし。伊丹映画の真骨頂。「邦画はつまらない」と言っておきながらタンポポを見てないやつは信用ならん。せめて、40歳になるぐらいには見ておいてほしい。 【よこやまゆうき】さん [地上波(邦画)] 10点(2017-10-05 01:47:43) (良:1票) |
123.《ネタバレ》 ”ラーメン・ウェスタン”と謳うように、偶然立ち寄った主人公がラーメン屋を再生させる、という内容は西部劇そのもの。 ストーリー運びはいたって真面目で、そのシリアスさと”ラーメン”というある種下らない題材とのギャップがシュールな笑いを誘う。 また、エログロ・シーンや食に関するエピソードが脈絡なく挿入され視聴者を混乱させるが、それは監督の味として、あまり捕らわれずに鑑賞するのが良いだろう。 テンポも良く努力の実るハッピー・エンドであるため、個人的には非常に楽しむことができた。 余談だが、この映画でラーメンを知り、その魅力にとりつかれた外国人は多いそうだ。 ラーメン文化の発展に貢献した功績に、一ラーメン好きとして敬意を表したい。 【ポン酢太郎】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-01-22 15:00:04) (良:1票) |
122.「僕は食文化に造詣が深いんですよ」とずっと言われ続けているようで、「ああそうですか」としか言えません。なーんかテンポも悪いし、ストーリーも当たり前すぎるし、挿入されるエピソードも言っちゃ悪いが汚らしいし。「つい食べたくなる」ような映像を目指したのでしょうが、伝わるのはその意図ばかりで、少なくとも当方の食欲はまったく感応しませんでした。伊丹作品は、やっぱりこの後の「社会派」のほうがおもしろいかな。 だいたい、肝心のラーメン自体がまったく美味そうではない。それはおそらく、時代のせいでもあります。今や美味そうなラーメンの画像は、ネットや雑誌にいくらでも転がっています。うちの近所にも、個性的で美味しいラーメン屋が複数あります。まさに「ラーメン戦争」の成果ですね。そういう環境に慣れると、“戦前”のラーメンは食べる気がしません。「レトロ味」ではありましょうが、もし現存すれば、きっと「食べログ」あたりで酷評されることでしょう。 「失われた20年」と言われ、成長が止まったように思われがちな日本ですが、少なくともサッカーとラーメンだけは大きく進化した。そう気づかせてくれたことが、この作品の最大の価値かなと。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-07-19 15:27:09) |
121.ラーメンが食べたくなる映画だということは間違いありません ( ‘ j j j ’ )/ 【アキラ】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-05-28 02:42:03) |
120.《ネタバレ》 なんとも風変わりな映画。 ラーメン店の再生ストーリーがメインだが、それとは関係ない食にまつわるエピソードが幾つも挿入される。 それはそれで結構おもしろく、食料品店で桃やパンをブニュッとする老婆や、死にかけの母が作るチャーハンなど印象に残る。 ただ、一つの作品としては散漫に感じるので、こうしたスタイルはあまり好みではない。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-05-24 00:13:20) |
119.《ネタバレ》 本編だけで押し切れば良いのに、役所と情婦のエピソードが全く邪魔(他のエピソードも流れを止めてしまっている・・・) それと改装後のタンポポは小奇麗過ぎやしないかい? ラーメン屋ってのは脂ぎった店内に、大将の親指がスープに入ったまま『お待ち』って出される位の店の方が旨い!!という私の勝手なイメージ・・・ まぁ~、たかがラーメンされどラーメンてな訳で面白く観れましたけど・・・ あと当時40歳の宮本信子が、今では十分守備範囲の女性なのに気づき、つくづく自分も年取ったもんだな・・・と実感しました。 【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2013-05-18 16:44:17) |
118.最初、じいさんがラーメンの食べ方を説明するシーンがめちゃめちゃオモろかった。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-05-15 22:38:10) |
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117.理屈抜きに面白い。桃のぷにぷにや母ちゃんのチャーハンなど、途中のエピソードも印象的。 【noji】さん [地上波(邦画)] 10点(2013-05-12 17:56:51) (良:1票) |
116.《ネタバレ》 自分にとっての映画の面白さは、 「何度も観たくなる」 「何回観てもオモシロイ」が結構な条件です。 多彩な人物のそれぞれの「食」にまつわるエピソード。 そのどれもが印象的。 もちろんラーメン屋のエピソードも大満足な映画です。 【しんしん】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-05-08 11:08:05) (良:1票) |
115.最近の映画で、「世知辛い世の中だけど、美味しい食べ物で人を幸せにしよう。自分のすぐそばにある豊かさに気づこう」みたいな胸糞悪くなるような映画が多くて、食にまつわる映画というのは避けてました。1発ネタだけで勝負してる風に思えちゃうんですね。しかし、実際観てみるとこれがなかなかどうしてどうして(笑)。凄く楽しい映画でした。「食」が題材の映画ではあるんですが、様々なジャンル映画の魅力をこれでもか!と、この一本の映画にありったけブチ込んでいます。西部劇、アクション、友情、恋愛、親子愛、犯罪、美、シュール、生と死、そしてセックス!まるで「これが映画だ!」と言わんばかりです。「映画」で「食」の魅力を表現するのではなく、「食」を通して「映画」の魅力を表現しようとしているようにも思えてくるんです。このへんが、ただ「食」を題材にした「だけ」の映画にはない魅力だと思います。「威勢がいいだけで1ヶ月で抜かれる店」とは違うぜ!って気概を感じます。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-01-23 01:44:52) |
114.グルメファン特にラーメン通にとっては欠かせない映画だろう。大友柳太朗を初め懐かしの名優たちが多数出演するなど役者陣はすごい。音楽までマーラーやリストのクラシック音楽を使うのは凝っている。基本的には良い映画でおもしろいが、少々悪のりしているように思うのは私だけか。 【ESPERANZA】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-10-29 23:41:14) |
113.《ネタバレ》 かなりぶっ飛んだスーパー喜劇ですね。 なるとがペタッ。 (^w^) ここから始る怒涛のコメディ。 レストランでのメニュー選びのシーンで、最後、上層部たちの顔が変に色付けされてて まっ赤っか。 (^w^) うちの子に(おやつ) を与えないでくださいねって (猿のこどもか 君は。) (^w^) それに加えて役所と黒田福美、乳首にお塩を少々、レモン汁をジュワッと。良い子には見せちゃダメなシーンなんだが、そもそも伊丹十三作品、良い子だったら見ないだろうさ そこらへんは まあさ ヨシとしよう。なにかといろいろ面白かった。 でも、あとそうそう、大事なことだね エンディング、、 お乳にむしゃぶりつく赤ん坊のお顔というか お乳そのものをずっと眺めていたい次第ではあったが 画面左半分に流れ出してきたエンドロールのキャストだって確認したいわ お乳だってじっと眺めていたいわ 右見て左見て大変だったわ 最後、ほんと大忙しだった。 でも、一番馬鹿受けしてしまってたのって、スーパーに陳列してあるパンやらチーズやら食材を 手当たり次第に揉みしだいて逃げゆくあの婆さんだったんだよね。あのババアめコノヤロが! (≧∇≦) アハハハハ! 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-08-29 21:42:20) (笑:1票) |
112.《ネタバレ》 どうですいろんな食に関するお話もとりまぜて、単なるラーメン屋成功譚ではないでしょ?という入れ込み方が作為的すぎて、かえって発想の底が透けて見えてしまうのが難点。ただ、エンディングの授乳シーンがもたらす原始的な破壊力は、作品本体のメッセージときちんとつながっており、これがなかったらつまらなくなっていたと思う。あと、個人的には、あまりにピカピカに綺麗で上品すぎるラーメン屋って、美味しかったことないんだけどな。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-08-27 00:14:40) |
111.どうして関係ない話が入るのかな? 全部「食」に関係してはいるけど…。これには賛否あるようだが、私は「否」の側で。特に変態プレイは要らなかった。タンポポさんとゴローさんたちの話は面白いです。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-08-25 16:30:24) |
110.《ネタバレ》 いや~面白いなぁ。邦画でもこんな面白い映画があったんだ! 食を扱った映画なら、変に真面目に作るよりこんなタッチで作ってくれたほうが自分としては好き。 本編と関係ないエピソードがまた面白い。ちょっとエグいのもあるけれど、単なる箸休めを通り越してすごく味がある。泣き笑いしてしまうお母さんチャーシュー編も良いけれど、僕が感心したのはこどもアイスクリーム編で、「オヤツを与えないでください」と書かれたカードをぶら下げた男の子が、欲しそうに左手をニギニギしてしまうシーンだ(笑)まさに本能の成せる技が面白いなぁ。 ハッピーエンドなのも後味が良い。監督の才能を感じさせる作品。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-08-22 20:09:09) (良:1票) |
109.伊丹作品の中では一番好きな作品。ラーメン屋が舞台、マカロニウエスタン風の展開と、 判りやすいオーソドックスなストーリーに、本筋とはまったく関係のない、 食に関する様々なエピソードを劇中に織り込んだ、何ともヘンテコな作りの映画。 にもかかわらず、これが最後までまったく飽きさせず、してやられたという印象を覚えてしまう。 キャスティングに関しては何も問題なく、いかにも役者という人ばかりが出演しているので、 安心して観ていられる。徹底的な「食」に対するこだわりが興味深く、大変面白く鑑賞できた。 【MAHITO】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2012-08-19 03:58:35) |
108.画面に映る人物が常になにかしらの料理を食っているという状態が最初から最後まで続く。だが、これがなかなか映像的に飽きさせない。出てくる料理がどれもおいしそうで、見ているこっちの方の食欲をそそるからだろうか。ストーリーは王道展開でこれも悪くない。 【peeper】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-06-25 15:43:28) |