1.「スウィート・スウィートバック」と続けて鑑賞。当時、黒人としては数少ない成功した監督だったメルヴィンが、(白人が主流である)映画会社からさかんに「ウケるコメディーを撮れ」と言われ続けていたにもかかわらず、少ない予算と日数、その他諸々の障害を乗り越えて「スウィート~」を完成させ、ヒットさせたという実話を元にしているのだから、話は勿論面白い。ただ、これは仕方のないことなのかもしれないけれど、オリジナルの「スウィート~」に比べてしまうと、どうしてもパワー不足のように感じてしまう。この作品の中でもメルヴィンが、周りから「独裁者」と言われるくらい唯我独尊の振る舞いで映画を作っていたという事、或いは徹夜で編集作業をしたせいで危うく失明しかけたエピソードなども語られているのだけれど、思うに実際は、ここで描かれてるよりももっともっとkey違いじみててスリリングな現場だったんじゃないか、と思うのだ。そう思うと、やっぱりこの作品は、普通のハリウッド作品にありがちな、ありふれたサクセスストーリーのように感じてしまう。んんん、題材が面白すぎる、というのも映画にとっては善し悪しだな。ただ、当時の状況がわりと丁寧に説明されているので(ってその“親切さ”が映画のパワー不足の要因であるとも思うのだけれど)、黒人映画の歴史に興味のある人は観てみて損はないです。