6. 数年前に観たのだが、とにかく他の方がおっしゃるようにヒロインの魅力のなさが目立つ映画。
大林作品の生命線ともいえる、要素において、なぜ、こんな作品が生まれてしまったか?
世の中には 当たってほしくない推測もあるもんですねえ。
今回 大林宣彦 全作品を語る という本を読んで、謎がズバリ解けました。
ただ、解けたからと言って、全然嬉しくない。逆に失望感ばっかり。
「(前略)鈴木(政徳)さんというプロデューサーの方と出会うんですが、この人に鈴木聖奈というお嬢ちゃんがいて、なかなか意欲に満ちた子なので、娘のために映画を撮ってやりたいとお父さんが思っていて、他で何度かそういうことがあったんだけど、なかなか娘さんを映してもらえないと(笑)まあ普通のアイドルの感覚からいうと違いますからね。それで娘のために主演映画ができませんかというので会ってみたら(後略)」 大林宣彦、全自作を語る P603より。
少し、補足すると鈴木政徳さん、プロデューサーとなっていますが、他に全く作品が見当たりません。これ、一本だけです。なにかIT関連では成功された方のようで。
要は、金が余ってしょうがない父親が、全く身の程知らずの娘のために、道楽で金を出して作ったと。
いや、別にそれはそれで、人の金の使い方は自由だし、どんな娘でも父親の眼には可愛く見えるのはよくあることなので、非難するつもりは全くありません。
ただ、そんなんに大林監督を使って、大林映画にするなよと。
そして、大林監督も、映画さえ作れればなんでもありだったのかなと、ものすごい失望感が。
おそらく、こんなこったろうと思ってた自分のゲスな推測がもろに当たってしまってがっかりです。