13.《ネタバレ》 映画も含め、現実社会でも常に思い出すのは 「人間が最も愚かで残虐になるのは、自分が正義だと思った時だ」という言葉です。 何で見たか、誰の言葉かは覚えてないですが、 この言葉は自分の中で忘れてはいけない言葉だと思っています 虐待を描いた映画で、虐待の悲惨さを描いてはいますが、 メイン演出はそこではない。 なんだろう? 本質的には自分の行為に何も悔いてない感じ? 子供を守るためと言いながら、結局子供は子供自身の行為だった。 私のせいではないと普通に言える感じ? 私は辛かった。苦しかった。でも正しく真面目に生きてきた。 結果がこうなっただけで、私は間違ってはいない。 自分が正しいと信じ切ること。 それがどれほど怖いことか。 実話をベースにして(調べたら実際はもっと悲惨でした)描かれているからこそ もしかしたら自分も無意識に同じ場所に陥っているかもしれない。 自らの言動がどうなのか、しっかりと戒められました。 【こっちゃん】さん [DVD(字幕)] 10点(2024-03-12 15:24:02) |
12.「隣の家の少女」を知識なしで観たあとにこの映画を観ました。とても恐ろしい犯罪をここまで正確に描写したという点で評価いたしますが、内容としては観る価値はなく、おすすめもしません。 【新しい生物】さん [DVD(吹替)] 4点(2013-10-02 15:24:04) |
11.《ネタバレ》 これは猛烈に殺意の沸く映画だ。『隣の家の少女』と同じく実際にアメリカで起きた事件を元にしているが、描き方がかなり違う。 本作の主犯ガートルードは、エキセントリックでヒステリックな女でははく、一見普通のおばさんに見える。ところが、自分に都合のよい独善的な解釈と正当化で、酷い虐待を主導していても悪びれた様子もない。息を吐くように嘘をつき、自己弁護のために最後は自分の子供さえ裏切るところが恐ろしい。 実際の事件はもっと残酷で陰湿だったようだが、かなり控えめな描写になっており、暴力的なシーンもあまりない。裁判と回想を交錯させて比較的淡々と話が進行するが、それにも関わらず加害者には強い憤りを覚えるようになっている。 裁判で子供たちがなぜ虐待したか質問されて「わからない」と異口同音に答えている。これは自己弁護の一種で、本当ははっきりとわかっているはず、おもしろくてやったということを。子供の頃、昆虫を無邪気にイジメて楽しんだ覚えのある人も多いだろうが、その延長線上にあるのだから。健全な社会なら、成長とともにそうした行為がくだらないこととして、他者の痛みを感じることを覚えていく。ところが、ここではそれを導くべき大人が、弱い人間を虫けら扱いして鬱憤の捌け口として利用しているので救いようがない。 事件を助長した傍観者や共犯者にも怒りが募るが、主犯の女にはキャサリン・キーナーの好演もあって同じ目に遭わせてやりたい衝動に駆られる。それにしても刑が軽すぎて、被害者や遺族が浮かばれないのは日本と同じだ。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-01-10 00:33:38) |
10.《ネタバレ》 怖い!暗い!不快!の3拍子揃った実録犯罪映画。インディアナ史上もっとも恐ろしい事件と言われたシルヴィア・ライケンス事件を扱っているだけに内容は超重量級なのですが、その一方で、露悪的な描写は最小限にとどめられています。血や裸はまったくと言っていいほど出てこないし、被害者役を演じるエレン・ペイジの顔も過剰には汚されません。安易な映像的ショックに走ることなく、演出や構成、演技の力で事件の恐ろしさを再現しようとした製作陣の真摯な姿勢には感心しました。本作と同様の企画をブチ上げると、必ずと言っていいほど血みどろの悪趣味映画を作ってしまう邦画界とはまったく違った奥深さを味わうことができました。。。 被害者少女の家庭環境や加害者女性の心理的背景、虐待の事実を知る者が大勢いたにも関わらず誰も通報しなかったという集団心理の恐ろしさ等、この事件には考えるべきさまざまな要素があるのですが、監督はその中でも加害者女性の心理にフォーカスしています。映画の視点を散漫にしないようひとつの要素に絞り込んだ監督の判断は支持できるし、物語の中心に立つガートルード・バニシェフスキーの完成度は驚異的なレベルに達しています。自分にとって都合のいいように物事を解釈し、理不尽を理不尽とは言わせない異様な空気を作り上げる恐ろしい女なのですが、それと同時に彼女は決してモンスターではなく、あくまで普通の人間の延長線上に位置づけられています。これを演じるキャサリン・キーナーの演技には鬼気迫るものがあって、序盤からラストまで嫌な汗をかかせてくれました。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 8点(2012-11-07 01:15:58) |
9.《ネタバレ》 シルヴィアが両親に再会する場面、「えっ?実際の事件でそんなことなかったでしょ?」とずり落ちそうなくらい驚いたのですが、つまりあのシーンこそがこの作品に必要だったのですね。むしろ、祈りを込めてそのシーンを撮り、シルヴィア・ライケンスに鎮魂の意を捧げることこそが制作の出発点だったのかもしれません。だから、虐待描写は量的・時間的には意外に少ないにもかかわらず、作品全体から、一筋の真摯な静謐な想いを感じます。照明やカメラにも丁寧さを感じました。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-09-25 01:21:20) |
8.児童虐待の本質を扱った中身の濃い大変重苦しくて悲しく、見るのも辛い物語ですが、これが実話とは!!・・・。バックに流れる当時、流行った幾つかのヒットナンバーだけが生き生きとして僅かの救いのようでした。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-26 22:04:58) |
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7.サンダンス映画祭出品の作品ななので、外れはないと思い鑑賞しましたが、幼児虐待の映画とは知らずに鑑賞してしまいました。上映中に以前裁判で虐待事件で同じ内容の事件を傍聴したことがあり、途中その当時の裁判のやり取りを思い出してしまいました。サンダンス出展作品なので、虐待シーンが重いのかと慎重に鑑賞しましたが、軽いシーンが多くて良かったです。 【SAT】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-10-09 23:38:02) |
6.《ネタバレ》 家を脱出してから最後の回転木馬までの演出はとても素晴らしかった。 こういった類の話で加害者側の視点というのは、この事件が孕む恐ろしさや、なぜこのようなことが起きてしまったのかということを分かりやすく伝えることができたと思う。 しかし、虐待描写が事実と比べて軽い上に少なくなっているため、この事件の残虐さが表現しきれてない。もう30分ほど虐待していたころの描写があれば10点をつけていた。 【eureka】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-08-16 15:49:53) |
5.エレン・ペイジの悲痛なる表情がいつまでも胸に焼き付いている。本作も「ボーイズ・ドント・クライ」「乙女の祈り」などのいつまでも記憶に残る不快映画の類だが、一番怖いのはこれらが実話という点だ。惨い。下手なホラーよりよっぽど怖い。こういったことが惨いとか怖いと思えるうちは自分も健康なんだと思うが、人間は慣れていく、麻痺していく生き物だから、自分だけは絶対にこんなことをしないと思っていても、壊れる瞬間があるのじゃないかという疑いがある。それも結構怖い。人間(自分も含め)不信になりそうだ。観たくなかったが、大切なことを知る、考えるため、或いは現時点での自分の感覚を試すという意味でも、観るべき映画だと思う。余談だが、エレン・ペイジは誰かに似ていると思っていたが、大路恵美に似ていることに気づいた。別作品では大竹しのぶに似ていると思ったし、要するに日本人的な顔なのだろう。目に馴染みやすい女優さんである。 【よーちー】さん [DVD(吹替)] 7点(2010-07-03 23:35:38) |
4.えぐい。これが1960年代のアメリカで起こったとは・・・。育児の疲れと薬によって正しいことと正しくないことの分別がつかなくなった母親の狂気、なんだけどもここまで報われない映画を俳優陣もそうだけど見事に映画化した脚本家と監督は賞賛すべき。一つの家族の中で起きたことではなく赤の他人が何人も絡んで起きた事件であり今でも共通する、「あの家族には関わるな」が一人の少女の命を奪ってしまったこの辛さ、見ていて痛いほど伝わってきました。なんでもそうだけど、相手をいじめる理由が「わからない」が一番怖い。 |
3.《ネタバレ》 残虐。だけど、おそらくいじめというものの構造の本質がここにある。自分があの場にいても虐待に加担しなかったとは断言できないところに恐ろしさがある。 【θ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-06-27 16:25:53) |
2.《ネタバレ》 アホな私は「ジェームス・フランコ」目当てに、ろくにパッケージも確認せずにホイホイとレンタルしてしまい、キャハキャハと観だしたのですが・・。あまりの内容にショックでした。たぶん、ジェームス・フランコが出ていなかったら見ていないだろう。これを見るのには勇気がいるし、作るのにはもっと勇気が必要だっただろう。スタッフも役者さんたちもすごいと思う。日本の「女子高生監禁殺人」もだけど、助けるチャンスは必ずある、しかしそれを生かせないのは、やっている人間達の狂気がバリアとなって「生へのチャンス」を遠ざけるのだろうか・・。 【グレース】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-06-23 00:33:20) |
1.《ネタバレ》 見終わったあと手や体が震えた。怒り、悲しみ、恐怖、色々な感情が沸いた。これらはもちろん映画の登場人物に向いていたが、同時に自分にも向いていた気がする。あの場にいても最初に行動を起こせないであろう自分。悪魔の様な登場人物たち、そして自分も彼らと同じ人間なんだと。この映画がレンタル屋の棚に並んだ時、最初は手に取るのを戸惑った。落ち込むのが目に見えているし、人間の汚い部分を見るのは正直辛いし逃げたいから。しかしそれでは見て見ぬふりをする人間と同じだと思い、勇気を持って真正面から見つめる事にした。映画を見終わって事件(インディアナ少女虐待事件)について色々調べた。虐待の描写は事実と比べ相当抑えた作りになっているが、それでも辛い。そしてラスト。これは事実と違った作りになっている。事件の詳細を知らずに見ると?マークが付くかもしれないが、これは犠牲になった彼女への追悼の意を込めているんだろう。救いはないがこの描写を入れて良かったと思う。見れば間違いなく沈む映画だが、多くの人に見てもらいたい。そしてこの様な悲劇を二度と起こさぬ様、一人一人が勇気を持って行動する必要がある。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-06 18:40:03) (良:1票) |