1.《ネタバレ》 岩下志麻主演のシリーズとしては最後の作品となる第10作。前作である「危険な賭け」と同じく中島貞夫監督が手がけているが、前作に比べると正統派のヤクザ映画という感じ。岩下志麻の演技も最後ということもあってか気合が入っている。あまりこのシリーズは見ていないのだが、今回のクライマックスは、岩下志麻ひとりではなく、かたせ梨乃と一緒に敵方である中条きよしを仕留めて二人で去っていくというのもこれが最後というのを意識しているのが分かる。(今まで見た作品はクライマックスは岩下志麻がひとりまたはゲストの俳優とで敵方ヤクザを仕留めて終わりというのが多かった気がする。)たけし映画の常連である大杉漣(この人をヤクザ映画で見るとつい寺島進を探してしまう。)や、いかつい竹内力、ワンシーン出演だが中尾彬も出ていて、一見豪華に見える脇の出演者たちだが、なんかこれまで見たシリーズと比べて大物感のある出演者が少なくそれが残念で、とくに最後をうたう今回は敵方ヤクザも中条きよしではちょっと物足りない。流れ者のヤクザ役で愛川欽也が出ているのだから、この役は菅原文太あたりでも良かったのではと思ってしまう。