239.《ネタバレ》 今までレビューしてなかったのか、驚き。
んー、南アフリカだからとか人種差別とか関係ないと監督は言ってたと思うけど、
確実に南アフリカ出身でなければこの映画は撮れなかったでしょう、と。
設定は前半見ればわかりますが、宇宙船が南アフリカ・ヨハネスブルク上空に現れるが
いつまで経っても宇宙人は出てこない、しびれを切らした地球人は宇宙船に入ってみることに。
すると、なんということでしょう、宇宙人たちは餓死寸前だったのです。
支配する賢い側が死に絶え、奴隷(エイリアン)だけが残っていた状況。
以後、ヨハネスブルクの一区画に宇宙人を押し込めて生活させていました。
そして、主人公、むなくそ悪い性格のエイリアン対策課職員のヴィカスは
第9地区で立ち退きの交渉を行っている際にエイリアンが持っていた液体を浴びてしまう。
以後、体に変化はあるわ、さらに地球人側から狙われるわという状態。
最終的には液体を作っていた紳士的エイリアン、クリストファーと共に宇宙船を動かそうということに、
というのが物語のあらすじ。
ネタバレありありで書きますと、最終的にヴィカスはエイリアンと全く同じ見た目になりますし、
宇宙船は「3年後に戻る」と言い残して飛び立ってしまった状態。
ザ・フライにも通じるというかザ・フライまんまと言っていい「変身もの」と
ヨハネスブルクという歴史的状況、
なぜか宇宙船がニューヨークやペキンやヨーロッパや日本ではなくヨハネスブルクに来るという面白さ、
ちょっと冗長だがめくらましには最適のアクションシーン、
恐らく南アフリカの日常を切り取った、ザコエイリアンの性格の悪さ、地球人の性格の悪さなど
パーツパーツはどこかで見たことがあってもその組み合わせが非常に美しいです。
ゴリゴリのハードSFに南アフリカ政治情勢、いかにもハリウッド的要素、妻への愛、3年待つという切なさ、
この内容を奇跡のバランスで描いてます。
この映画の前に作られたプロット的動画が、多分Youtubeなどで見られると思います。
南アフリカ上空に宇宙船が来た、という数分程度の内容だったと思うが、
この作品を面白いと思ったらぜひそちらもチェックしてみてください。
この数分からこの映画までよく広げたなぁと思わせる。
で、次回作の「エリジウム」は敬意を表して予約買いしたがつまらなかった。
その次に「チャッピー」という作品があって、それはエリジウムよりはやや高評価のようだから
サブスクであとで見ることにします。