3.《ネタバレ》 というわけで(どういうわけだ?)帰ってきました、若大将。ただし、ヒロインは草刈正雄版にも出ていた坂口良子。おばあちゃんの飯田蝶子が死去したため、やはり草刈版に出ていた賀原夏子が、代理のような形で出演しています。
お話の方は、あいかわらずといえばあいかわらず。しかしどうも、若大将と純子さんの接近度が弱いように思え、純子さんが嫉妬する展開に違和感を感じます。若大将も恋愛に関しては淡泊なように思えますし。これに対して、青大将は例のごとく。特に後半は、手紙を取り返すドタバタの展開でほとんど主人公なのですが、このシリーズのドタバタの例に洩れず、たいして笑えない。さらに、死ぬだの何だのと、これもあいかわらず幼稚な言動を繰り広げていて、見ている方は疲れます。ただしラスト、純子さんを若大将に譲るという展開では、男気を見せてなかなかいいです。これまでシリーズを見てきた者としては、「恋より友情をとる」という内容で、嬉しくなります。
田能久のメンバーの出番が少ないとか、ほかにも不満はありますが、『若大将対青大将』ではなく、本作でシリーズが終わって本当によかったと思います。それだけでも製作された価値があるでしょう。