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ニーチェの馬

[ニーチェノウマ]
The Turin Horse
(A torinói ló)
2011年ハンガリースイス上映時間:154分
平均点:5.75 / 10(Review 8人) (点数分布表示)
公開開始日(2012-02-11)
公開終了日(2013-01-18)
ドラマモノクロ映画
新規登録(2012-12-15)【aksweet】さん
タイトル情報更新(2018-06-02)【イニシャルK】さん
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監督タル・ベーラ
脚本タル・ベーラ
配給ビターズ・エンド
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【クチコミ・感想】

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8.冒頭、ニーチェの馬が現れるシーンが凄い印象に残った。躍動感に溢れ、詩的で、美しい。

面白いか面白くないかはひとまず置いておいて、世界観と表現方法がとても素晴らしい映画だ。

ひたすら同じ音楽を流し続けるスタイル、常に嵐が巻き起こっている荒野、極端に排された台詞。30分位経過してやっと喋った台詞が「もう寝ろ」って…。

あとやっぱり馬の使い方がとても素晴らしいと思う。
ヴレアさん [インターネット(字幕)] 8点(2020-02-07 19:42:29)
7.《ネタバレ》 たとえば、トリノの広場での「ニーチェと馬のエピソード」の描写が、続く「ただ馬が嵐の中を突き進むシーン」と響き、尋常でない迫力を生み出している。そのような各シーンの響きが最後まで途切れずに続いていった。
正直なところ、この映画のシナリオにはつまらない発想が多い。じゃがいもを食べる量が減っているだとか、酒を飲む量が増えるなどといった方法で反復性からの脱却を示唆するのはあまりに勿体無い。このことは映画の中核を担う「終末への過程」についても同じように言える。反復性というのはそれ自体が幻想なのだから、一見変化のない生活であっても絶対的な意味で全く違ったものなのだ、という地点で看破されるべきだ。そうでなければ「ニーチェと馬」のエピソードを引用した意味がない。
ただし確かにこの映画に描かれた中には無為な生活を不満も言わず繰り返す父娘というイメージがはっきり描かれており(枯れた井戸を見て「ちくしょう」と呟き面倒臭そうにきっぱり移住の準備をしては、結局諦めて戻ってきたり、突然世界が暗闇に包まれても寝ようと呟きベッドに潜り込んだり)それがある意味で終末をも、終末と感じさせないところで本監督の意図したかもしれない結末とは違った奇跡的な「永劫性」を導き出したように思う。それにはこの監督特有の「長回し」の効果も大きく加担しており、欠点を持ちながらも「人は死んでも生き続けるんじゃないか」といったイメージを観たものへ刷り込むような、凄まじい作品に成っている。
浅田荷葉さん [DVD(字幕)] 10点(2019-03-12 01:46:42)
6.ミニマリズムの極致。色のない荒涼な写実主義絵画を延々と眺めるようなもので、ギャラリーに歩み寄らず(悪く言えば媚る)、むしろ「無から何かを感じ取れ」と歩み寄らせるスタンスだから、粗製濫造の娯楽映画に浸かりきった大衆が拒絶するのも無理はない(仕事に疲れ切って何も考えたくないから、劇中の父娘と同じようでダブる)。反面、今日評価されている芸術に対して、何も疑わず追従する大衆もいるという矛盾。ゼロベースから形を変えて、後世に影響を与えているのならその価値はあるかと。物質主義も精神主義も棄てた先にある答えを、後世の人たちが見つけるかもしれない。そういう意味でのタル・ベーラの遺作。
Cinecdockeさん [DVD(字幕)] 5点(2015-12-07 19:11:50)(良:1票)
5.3倍速で見たらちょうどいい映画。
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 1点(2014-09-28 01:29:23)
4.《ネタバレ》 ラシドミドシ、ラシドミドシといううねりに乗ってド~~シ~~ラ~~と下降するモチーフが否応なく陰気。息を切らせる馬の映像とあいまって、もう映画のトーンが定まる冒頭。前作『倫敦から来た男』では、話の内容とスタイルが合ってない、という不満を持ったが、本作は合い過ぎるほど合った。中風の後遺症か、右手の不自由な父とかしずく娘、老いた馬、荒天の外を窓から眺めるのが日課の日々。やがて馬は病み、井戸は涸れ、ここを離れようとしてもなぜか戻ってしまい(単に行くあてがないことを映像で表現したのかもしれないが、そう思いたい)、どうもここらあたりから何かが起こり始めている。ランプの火が消え、灯そうとしても着かない。娘は「何が起きてるの」と呟く。外の風は止むのだが、娘は馬が食べるのを止めたようにじゃが芋を食べず、「食わねばならん」と言っていた父もじゃが芋を食べる手を止め、静かにフェイドアウト。何かが起きている。人生を放擲してしまうまでの無力感なのか、もっと宗教的な終末観なのか。この終盤の「何かが片付きつつある感じ」はホラーに近い。この家族の絶望だったのかもしれないが、もっと大きなレベルでの推移だったと思いたい。日常を包む大きな世界を垣間見た気にさせる映画だった。
なんのかんのさん [DVD(字幕)] 7点(2013-05-04 09:15:56)
3.《ネタバレ》 モノクロにして長回しを多用、台本なんて必要あるの?というくらい登場人物は少なくセリフは更に些少。これで2時間34分もある。カット数は60程度というほとんどが長回しのシーンが、これまた服を着替える、寝てる、座ってる、眺めてる、食べているばっかり。食べるのはジャガイモ1個。茹でて食べるシーンも長回し。食べるのも手で皮をむしってそのまま手で掴んで食べる。塩も掛けずにもくもくと。それに気味の悪い音楽のリフレイン・・。これにお金払って付き合った人ってまさに聖者ですねw
何やら世紀末を日常から表現したとのことだけど、ハリウッドみたいに多額な予算が取れない欧州映画ってこういうの多すぎ。
CGふんだんに大金を投下したからといって、必ずしも面白い作品になるわけではないんだけど、宗教とか精神世界のテーマ含めて難解に作ればアートになるって手法、もうやめましょうよ。
大体、評論家と呼ばれる方々は、アクションやコメディを大量生産するハリウッド系娯楽作品には評価低く、アートとジャンルされる作品には評価を高くする傾向がある。評論家は、腕を組み眉間にしわ寄せ、気難しい顔にしたり顔で小難しいフレーズを発しなければ、一般定義される評論家イメージにならないだろうから、それはそれで理解できる部分はあるんだけど、無理矢理押し付けるのは勘弁して欲しいと強弁したい。
アカデミー賞より1年先輩であるといつも豪語する「キネマ旬報ベスト・テン」がなんとこの作品を外国映画ベスト・テン第1位にして読者に鑑賞会として公開。ほんとにこんな作品を読者が有り難がるとでも?フィルムからデジタルへの過渡期にフィルム作品代表とでも位置づけたいとか、或いは配給会社の持ち回りとか癒着とか、そういう政治的な背景なんだろうけど、この生きた化石の老人監督をここまで持ちあげなくてもねぇ。。
にゃお♪さん [DVD(字幕)] 1点(2013-02-11 18:34:59)(良:1票)
2.《ネタバレ》 鑑賞後は、厳しい風土の中で生まれたような骨太の古典文学を読んだ気分。でもまさしく現代の映画でもあるよねぇ。神はいない。聖なるものは有限ってことか?遠慮のない連中の「アメリカに行こう」と言う言葉で、あぁこれは地球のお話なんだなぁと思った。
トントさん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-16 05:22:04)
1.世界の終焉が、こんなみじめであるわけがないと信じたい。

そして、湯がいただけの芋に塩をして食らう時も、そこそこ幸せそうな私でありたい。

あと、邦題に「ニーチェの馬」とつけた配給会社の人には、猛省してほしい。ニーチェ、ほとんど関係ないし。
aksweetさん [DVD(字幕)] 6点(2012-12-31 23:18:54)
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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 5.75点
000.00%
1225.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5112.50%
6112.50%
7112.50%
8225.00%
900.00%
10112.50%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 1.00点 Review1人
2 ストーリー評価 1.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 1.00点 Review1人
4 音楽評価 1.00点 Review1人
5 感泣評価 1.00点 Review1人
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