1.《ネタバレ》 素晴らしい映画でした。日本も無縁ではない教育現場の問題を描くだけでなく、効率や利潤を求め人々を精神的に追い詰めていく個人主義で競争社会であるアメリカの病巣を鋭く指摘しています。そういう、目をそらしたくなるようなヘヴィなテーマを取り扱い内容もひたすら暗いのですが、卓越したセンスとエイドリアン・ブロディをはじめとする役者陣の熱演が我々観客の心を掴み最初から最後まで作品の世界に引き込まれっぱなしでした。そして、エンドロールの「マイ・バック・ページ」(ディラン版)ははっきり言って反則です。
しかし、自由を守りながら無秩序を防ぐことの難しさを痛感しましたね。エイドリアン・ブロディ演じる主人公の言葉も含蓄があって心に響きました。また、完璧な人間など存在せず、誰もが何らかの事情を抱えながら日々生きていることも映し出していて少し心が楽になりました。
トニー・ケイ監督の他の作品はまだ未見ですが、今度見てみます。