13.《ネタバレ》 東映という会社は、本当に凄いなーと最近思う。
この勢いで、本格的に日本映画を席捲して欲しい。
観たのは――イン・ザ・ヒーロー。
ずっと前にBlu-rayを買ってたが、全然観ないままだった。
厳密に言うと…アレだ。
前の会社で、隣で知り合いが観てたのを斜め見したけど…それで「観た!」とは言えんしね。
まず、感想としては「キャスティングが最高!」と思った。
それも、日本映画じゃ最高級に素晴らしいと思う配置。
いや、最高なのは「豪華」な俳優陣って意味じゃなくて…言わば「役柄がバッチリとフィットしてる」俳優陣って意味。
それと、ヒーロードラマの創り方や、制作の仕組みが分かり易く、解説されてたのも興味深い。
四苦八苦するスタッフを観ながらも「こういう感じで撮ってんのだね…」と、軽ぅぅぅぅく知ってはいた撮影風景だったけど、久しぶりに再確認できた。
そして、アレだ。
彼らの仕事っぷりから、昔から仲良くしていた人達を想い出す…。
当時、モーション・キャプチャーをして貰いながら「スタントマン」や、「アクション指導」をしていた方々だ……まぁ、何かの迷惑になると嫌なので、敢えて名前は出さないようにするけど……あの人らは日々すっごく鍛えている日々を送っている。
年齢を感じさせない動きが本当に素晴らしかったし、それを彷彿させた映像の数々。
いやー、創ってた「北斗の拳」を想い出すなぁ…。
そして、何より…この映画は「ヒーローを製作するドラマ」ではあるが…業種は違うと言えど、自分の働いてるゲーム業界にも通ずるものが確りとあった。
年齢も50代を迎えて、人生を振り返って生きてるなら…また、挫折したり、人生でショックな出来事が、少なからず有るならば、残酷にもガンガンに突き刺さるだろう…業種を問わずに。
――人生の出来事を後悔するか?
――それとも死ぬまで突き進むか?
そこは人それぞれだけど…時おり胸に刺さっただろうタイミングを想い起こせると思う。
この作品で残酷にも、ただ美しかった「こんな事があったなぁ…」って想い出がさ。
さて、素晴らしきキャスティングについて。
中でも、唐沢寿明が演ずる本条渉が、福士蒼汰演ずる一ノ瀬リョウに述べた言葉に強く共感する。
仕事ってのは、アレだ。
例え、部分的な担当だったとしても「全体を掴む事で、全てが理解できて完成度が向上する。」……それってのは俺の大事にしてる強き持論。
殆どの人間はそれを効率や、時間的な不都合で避けているが、俺は絶対に徹底したいと常に考えてる。
あ、ただ……その考えがあっても、上には教えて貰えない場合が(不幸にも)多分にある。
更には、「秘密保持」とか「仕事の優先順位が激しい人」も居るだろうけど…。
そして、その想いを体現するキャストが本当に「いい味」を出してたし、愛しき熱を持った面々だった。
主人公の唐沢寿明は勿論の事、リーを彷彿するあの動きと佇まい。
更には、仮面ライダーフォーゼでも素晴らしい身体能力を見せてくれた福士蒼汰も。
寺島進の出現シーンも(笑ったけど)納得できたし、黒谷友香の張り切り度合いも素晴らしかった。
松方弘樹も久しぶりに観たけど、やっぱ場が締まるねぇ…凄い貫禄だな、と改めて驚嘆した。
あと、アレ!過去、最高に好きだった和久井映見が(個人的に)心をメチャクチャに引っ張られる配役だったし、何よりも素晴らしい演技。
そして、釣りキチ三平に続いて、小宮孝泰が好い味を出してた。
いや、想えばアレ!
これは映画クリエイター版「蒲田行進曲」だね。
ただ、本物の蒲田行進曲と同じで「完成された映画の評価」が出てこないのが若干切なかったりした……まぁ、自分も一応クリエイターなんで、そこが気になったのかな…と思ったりすんだけどね。
俺的には、アメリカン・グラフティのように、軽く各自の「その後」のヒストリーが出る方が好きかな……と思うが、此処に関しては人それぞれだろう。
ともあれ、胸に刺さった。
そして、仕事人の心意気も観せて貰った。
この仕事こそ、まさに最高の仕事だった…と思う。
さて、作品でヒーローが胸に入った。
キッチリと胸に刻まれた。
そして、今週の金曜日に、シン・仮面ライダーの券も入手!
なら、次は新しいヒーローを胸に入れるだけだ。
俺の胸にイン・ザ・ヒーロー。
それが一番大事だ。
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