8.《ネタバレ》 人間の言葉の文法の中には、どの言語かに関わらず、虐殺を誘導する仕組みが組み込まれている。この設定からして、僕的には、観てる間、ゾワゾワ感が止まりませんでした。出てくる近未来の兵器や装置にも、リアリティーがあり、将来、こんな兵器、絶対あるわって思えました。てゆーか、ドローンの兵器とかは、実際にあるし。ただ、ちょっと端折り過ぎたのか、わかない所や、主人公に共感できない部分があり、そこは若干気になったかな。めちゃめちゃ映画に没頭ってほどでもなかったです。ちなみに、ラストのあれって、ひょっとしたら、虐殺器官が使われたの?ってゆう描写があり(主人公が虐殺の文法に関して、色々メモっていたので)、めちゃめちゃ気になったので、調べたら、小説では使われたらしいと知って、その後のアメリカを想像して、さらにゾワゾワしました。 【なにわ君】さん [インターネット(邦画)] 7点(2018-11-18 21:34:53) |
7.《ネタバレ》 すごく面白かったです。虐殺器官とは人間が戦争やホロコーストを起こしてしまうには、脳内の特別な器官が発動するのではないかという推測に由来します。しかしこの行動はエーリヒ・フロムやスタンリー・ミルグラムらの学者によって、人間が難しい判断を他人にゆだねがちで、しかも間違いと分かっていても従ってしまうある種の「間抜けさ」から逃れられないことが証明されています。 そうは言っても未開の社会には戦争はあっても皆殺しをする虐殺戦争はなかったわけで、それら平和な戦争はパプアニューギニアの山岳部族の一部にも近年までみられた文化でした。この映画では非常に上手に、またSFアニメのカッコよさを損なわないままに虐殺戦争を行う人間および集団の意図が、所有や貯蔵されたものを略奪するためと説明されていました。その部分が哲学的であり、いわば考古学的ともいえる部分です。とにかく私の説明以上に満足感の高い作品です。 |
6.《ネタバレ》 この手のSFアニメ映画の一番の懸念点である世界観に入り込めるか否かにおいて、ものの見事にエンディングまで入り込めることができなくて、終始退屈に倦んでいました。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2018-06-09 04:39:17) |
5.《ネタバレ》 伊藤計劃アニメ化3部作の中ではこれがいちばん良かった。分かりやすいです。他2作は難しい映画になっていました。 (子供も含めて)人殺しのシーンが多くて気分良くは観られません。でも、そのこと自体がテーマに直結しているので目を瞑る。そのうえで、しっかりサイエンスフィクションとして成立している映画だと思います。 以下はほとんど原作への感想です。国内で殺し合いをやっている国を報道で見ます。対して、現在の日本は世界で最も平和な国のひとつ。そのギャップはどこから来るのか? 伊藤氏のスタート地点はそこだったと思います。地政学や宗教、最近ではテロ絡みで説明されることが多いけど、彼はSF的な説明を試みて、彼が興味を持つ(と思われる)脳機能に関連付けて書かれたのが本作。それは勿論フィクションですが、平和な国で安穏としている私には直感的に腑に落ちると云うか、納得しやすい設定でした。優れた視点とスケールの大きさに感心しました。私も「メタルギア5」にはオマージュが入っていると思います。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-02-27 02:21:52) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 哲学的であり、観念的であり、演劇的な映画。社会派のテーマやハードな殺戮シーンを観るにつけ、確かにアダルト志向ではあるのでしょうが、イチイチ台詞で説明してしまう(せざるを得ない)中2病な世界観とロジックが気恥ずかしくもありました。誤解を恐れずに言うなら、実写で観たかったなと。例えば『エヴァンゲリオン』も同カテゴリーのアニメ作品と判断しますが、彼方は”ロボットSF“という”ザ・お子さま向け”看板を掲げているので、似たような仕様でも違和感が無いのかもしれません(そもそもがリアリティを必要としていないので)。真っ当な大人向けアニメを成立させるには、仕立てに相当なテクニックが必要であると感じる一作でした。へんてこな着地点ですみません。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-02-20 18:56:02) |
3.《ネタバレ》 事前にメタルギアの小島秀夫監督と伊藤計劃さんが亡くなるまでの話をwikiで読んでから見たので、少年兵、言語による虐殺への誘導というキーワードからメタルギアソリッド5の物語を連想して興味深く見れました。メタルギアの言語虫などのアイディアはきっとこの作品をオマージュしたものなんでしょう。二人の関係性を考えるとちょっと涙腺が緩みますね。 ジョン・ポールの虐殺を引き起こす理由はあまり期待してなかったのですが、テロリストたちの世界と自分たちの世界を切り離すためという納得の出来る答えが用意されていて良かったです。自分たちに害が無ければ見て見ぬふりをする傍観者でいられるという冷酷な面は誰しも持ってる部分ですから説得力を感じました。 【映画大好きっ子】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-12-30 15:32:44) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 ナルシスト気味な演出と美術、身の回りはアニエスやら一点物の家具やらで整えてそうな世界観が苦手(いいがかり)な村瀬修巧監督と、アニメ化プロジェクトの過去二作とも低評価だった伊藤計劃原作が手を組んだ…あれ?意外と悪くない。 物語世界と現代の地繋がり感があったせいか、ナカナカに興味深い設定。そこに村瀬修巧のお得意な米ドラマっぽい空気感がイイ具合でマッチしていたように思える。ギリギリで臭くない脚本・演出と、血生臭いアクションシーンは、観応えがあった。本作のターゲットでもあり適役のジョン・ポールのキャラクター造型が、純然とした悪役でも狂人でもない「悲しき天才」という設定は、巧い。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-12-27 03:43:32) |
1.期待し過ぎてしまったのだろうか。とても人には勧められない。 平日の夜、場末の映画館で観客は10人程度。観終わって、みなで同じエレベータに乗り込んで一階まで降りていく。この時の数秒間の無言の空間で、やり場のない残念な気持ちを皆と共有できた気がする。 【センブリーヌ】さん [映画館(邦画)] 5点(2017-04-04 14:05:22) |