1.《ネタバレ》 『県庁おもてなし課』の監督だったことを忘れていた。
難聴と聾が違うのは承知するし、原作との絡みもあるだろうが、少なくともこれは映画なのだから、
手話までいかなくともせめて身体言語をもう少し活用して欲しいと思う。
作り手は『息子』や『風の歌が聴きたい』での俳優たちの感情表現力をよく見ろと。
男の側は、相手にわかりやすく伝えようという口話をまるでしていないし、
女の側は、相手によって筆談と口話を巧妙に使い分ける人物となっているから、共に好感度は上がらない。
ちょっと解らない事があれば、何でもかんでもお手軽にネット検索、、。
それを映画で見せるか。図鑑でも辞書でも取り出して、身体を使って愚直に手で頁を括れと。
ダラダラだらだらダラダラと画面にメール文字を並びたて良しとし、それをさらに(ヒロインに出会う前から)気色悪いアニメ声で延々と音読させるのだから
自堕落な阿りとしか言い様がない。その免罪符が「言葉を大事にする」だと。
携帯メディアという非映画的な小道具を多用するからには、それをどう映画的に活かすか。演出家が真剣に模索した形跡がまるでない。