1.《ネタバレ》 手前の座敷、奥の中庭を縦の構図で繋いだルノワール的なショットや、格子窓を介した内と外のやりとりなど、
美術とキャラクターをよく組み合わせ、さらに雨もふんだんに降らせるなどして丁寧に画面をつくっている。
そしてブルーを基調とした画面や、睡蓮の花のイメージ、そして独特の音楽の響きが怪異譚交じりのドラマを良く引き立てているが、
上野戦争の場面で、逃走する柳楽らを追う新政府軍側を画面に登場させない趣向なども作品のテイストに適っている。
朝帰りシーンの、どことなく70年代風のアンニュイなムードがいい。