6.《ネタバレ》 原作既読…ですが読んだのは3,4年前なので細かいところはちょっと怪しいです。
さて、長編小説を時間制限がある映画にする場合、エピソードの整理再編集は欠かせません。
そうしないと映画の枠に話が収まらないですし、無理やり話を詰め込むとわけのわからないダイジェストになってしまいます。
だから映画化する上で映画用にストーリーを再構築する事は非常に重要になるわけですが…そういう意味でこの映画、そのエピソードの整理再編集がとても下手だと感じました。
肝心なとこはサラっと流す癖にどうでもいいシーンは長い。
結果、妙にダラダラとしてるわりにストーリー自体は駆け足で進むというつかみどころのない散漫な物になってしまっています。
例えば、序盤、テディベアが映っただけの写真が何枚か送られてきて肝心の犯人は死亡。
これじゃ場所が全くわからないじゃん!やばいよやばいよ!って箇所は、もっとスリリングに盛り上げるべきとこだと思うんです。
本来、この段階で十分に危機的で絶望的なシチュエーションなんですから、うまくやればここで観客の気持ちを鷲掴み…のはずなんですが…
しかし無駄にコミカル?な所長とのやり取りなどに時間を使い、肝心のサスペンス部分は完全にスルーしてしまっています。
そして「息子が突き止めました」の一言で解決。
いや、それおかしくない?
全体としてテレビ的な軽いコメディ感覚でまとめようとしたんでしょうけど、それがこの映画を良くしてるかというと、甚だ疑問なんですよね。
そもそもコメディっぽいシーンはだいたい面白くないというのがもうダメ。
明らかにダブルがやってるのがバレバレな上に役者のセリフが上滑りしててシラケるスキーのチェイスシーンなんかに時間つかってる場合じゃないでしょ。
総論:テレビ局が絡む邦画でよくある「テレビドラマレベルのお気軽映画」として仕上げてますが…おかげで本当にテレビで十分レベルのものになってしまいました。
映画ってやっぱ映画であるべきなんじゃないかと思うのです。