1.《ネタバレ》 TVシリーズは当然見ていない。特にこの映画を見る義理があったわけでもなく、同時上映の戦隊モノを以前に見たのでその関連でということだが、メインキャストのうち3人(白石隼也・奥仲麻琴・戸塚純貴)をこのサイトで人名登録したのが自分だということもあって若干の思い入れはなくもない。うち白石隼也は、映画初出演の「制服サバイガールⅡ」(2008)では最悪の印象を残していたわけだが、さすがにこの段階に至るともう違和感もなく、基本的にはイケメン役者だろうがとぼけた感じも出していて、かなり好感度の高いキャラクターになっていた。ほか凛子ちゃんというのもきりっとして感じのいい人である。
この劇場版では日常を離れた異世界で物語が展開し、単純なTVの拡大版でないのは「劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト」(2003)のようでもある。世界が「マジックランド」になってしまったために主人公の強さが相対的に低落し、TVシリーズを見ていなかった自分としてはもっと普通に格好いいところを見せてもらいたいと当初は思ったが、中盤以降は当然ながら本領発揮していたようで結構だ。ちなみに黒が基調で透明感のある赤という姿は嫌いでない。
ストーリーとしては何だかよくわからないところもあるが、今回の劇中世界では浮いた存在に見えた「ファントム」というものが終盤でちゃんと意味を持つことがわかったのは感心した(感心するまでもなく当然だろうが)。また自分としては、特にエンディング後のしあわせ感のある場面が非常に嬉しかった。登場人物の役名で「マヤの妻」というのがあったのでどこに出たのかと思っていたら、最後になってそういうことだったのか、という意外感がある。「世界を一つ、ブッ壊した甲斐があったな」という台詞が感動的だったといえなくもない。