13.《ネタバレ》 ウェス・アンダーソンの映画によくあるようなスチール写真で古着感がいい具合の衣装ですし、
シニカルなコメディかなと想像して観たんですが、コメディというより教訓みたいだなと。
コメディ色はあんまり感じなかったです。
ただ、出て来る人がみんな善人なんです、こんな風変わりで異質な集団なのに。そこがいいですね。
お父さんは権利のことばかり拘ってましたけど、権利だけじゃどうにもならない。まず子供を学校に行かせないっていうのがダメでしょ。これは権利じゃなくて義務であり、子どもは教育を受ける権利を奪われてるわけです。アメリカ人て大昔から何かっていうと権利だ自由だと闘ってるみたいな印象があるけど、そういうものを皮肉ってるのかな?
文明社会、管理社会を嫌うのはいいけど、自分が絶対君主、独裁者になっちゃって子どもを洗脳しちゃってるんですよね。
食料を救うミッションとかご都合主義だし、次男を救うミッションで娘が死にかけて「押し付け」だったと気付くお父さん、あぁよかった。いつでもどこでも極端というのはよくないし、受け入れられないですよね。
そして狩猟民族から再び農耕民族へ、ラストの登校前の朝の静かなひととき、音楽もセリフもなく反抗的だった次男がなんとも自然にシリアルの入れ物を渡すとこで泣けた。そしてお父さんが窓の外を見上げるとこね、なかなかセンチメンタルで感動的なラストでした。
アーミッシュにもなったことのあるヴィゴ・モーテンセン、デンマーク系っていうのもあるけど私の中ではマッツ・ミケルセンとどこか被るんですよねぇ