192.家族なんて幻想、というよりは家族なんてこんなものでしょ?というお話です。意外と原節子の出番は少ないなあという印象を受けます。それよりほとんど杉村春子の映画かもしれませんね。終始親に対して毒づいているんですが親の死を目の前に突然泣き崩れるシーン、あれはすごい演出だと思います。個人的には原節子と杉村春子の役は逆にした方が面白いと思います、今のままですといかにもな美人の聖女と憎まれ役のように受け取られてしまいますから。孝行したい時分に親はなしなんて映画を見ていれば普通にわかるものを台詞で言っちゃうのもなんだかなあという感じです。間違いなくいい映画ですけどもうちょっとつまんないと文句を言う人間が多いぐらいでバランスが取れるんじゃないかと思いますね。小津安二郎の真似なんて誰もできないのにこれが神格化されたせいで日本映画がつまんなくなった部分もあるんじゃないでしょうか。まあそれでも大多数から支持を受けているのはきっと似たような経験をした家族が日本にはたくさんいるからなんでしょうね。世界にも似たような人たちがたくさんいるんだったらいいのですが、批評家や作家しか見てない上にオリエンタリズムでも評価されてそうなのが嫌な感じではあります、ってこれは当の日本人にも言えるんでしょうけどね。 |
191.《ネタバレ》 小津安二郎の作品を見るのは、5年前にみた「彼岸花」に続き2作目ですが、5分もたたずに、その世界に引き込まれて、安心して映像に身を委ねられてしまうから不思議です。映像の語り口の妙なのでしょうね。「子の親離れ」というシンプルなテーマですが、同時に奥が深い。大きなテーマを据えつつも、相変わらず、日常の何気ないおかし味をディテールとして織り込んでいく丁寧な仕事です。(メモ)ばあさん役の東山千栄子が60過ぎなのに対して、じいさん役の笠智衆は当時まだ50歳に達してないのですよね。驚きです。長女役の杉村春子と2歳しか違わないのですね。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-04-12 17:54:59) |
190.なんでこんなに高評価なのか 良さがわかりませんでした 正直退屈でした 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 5点(2023-03-16 02:58:38) |
189.20年前にレンタルビデオで見た時にはとくに感動しなかったが、今日映画館で見て感動した。襖の影から人が現れて襖の影へ消えるの繰り返し、膝の高さのローアングル構図、小津映画のお約束をこれでもかと見せつけられる。しかし心に残るのは深い感動であってテクニックそれ自体ではない。ベタな平凡なストーリーを展開させて、人生の普遍的な喪失感が胸に迫ってくる。何故そんなことが可能なのか小津の魔法使いとしか言いようがない。 【ブッキングパパ】さん [映画館(邦画)] 10点(2020-12-12 16:45:51) (良:1票) |
188.《ネタバレ》 こういう話に弱い。 年齢的に自分に重ねてしまうんだろうな。 あと役者が良い。 父親役の笠 智衆はすごい好き。 亡くなった自分の祖父と被る。 でもこの人49歳くらいなんだなー。 もう一人サバサバした娘役の杉村春子。 こういうキャラ好きだわー。 悪気の無い嫌なキャラというか人間味ある性格。 昔だったらよく思わなかった作品だろうけど今はむしろ大好物だな。 気になったのは会話の受け答えでカメラアングルが細かく切り替わって没入感が一瞬途切れる。 【Dry-man】さん [DVD(邦画)] 8点(2019-11-25 00:42:02) |
187.日常を描いている風でいて、何もかも胡散臭くて気味が悪い。表面的で本質的ではない。 特に演技が酷い。こんなものを有難がっている者が多数派だと思うと寒気がする。 【浅田荷葉】さん [DVD(字幕)] 0点(2019-04-01 13:36:07) |
186.《ネタバレ》 映像の力が弱い。音楽の力が弱い。でもずっと見てられる。何でだろうと思ったらやっぱり自分が日本で生きてきた人達の共通認識を持ち合わせてるからだと。そして「もうこの人に会うのはこれが最後かも」という勘は当たりますよね。 最初のシーンと最後のシーンにコンテクストを持たせてたり、当時としては見事だったんだろうけど、今見るとどうしてもありきたりに感じてしまう。最後ももう少し何か欲しかった。 役者さんはみんな良かったな。原節子さんも香川京子さんも綺麗でした。 例えばアメリカだともっと年老いた親を大事にしたりするので、日本固有の文化で生まれた作品かと。両親大事にしようと思います。 【なす】さん [インターネット(邦画)] 7点(2019-02-11 09:51:33) |
185.小津の日本映画の傑作。見た時よりも、見た後、そして年を取るごとに、感慨が深くなる作品。実生活で親が亡くなった時、ふと思い出す作品。個人的には、晩春の方が好きだったが、今は逆転しているかも。若い時見て、詰まらないと思う作品でもある。他人の批評など 気にせず、見ておきたい作品。本当だから。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 10点(2018-12-26 22:50:11) |
184.《ネタバレ》 お母さんが亡くなった後に、紀子が京子をなだめたり、冷たい兄弟をフォローしたりとグッときました。こんな優しい義姉さんが居たら本当に帰って欲しくなくなるでしょうね。更にお父さんが紀子に感謝の気持ちを伝えるのは、もらいますね。このシーンは心が本当に動かされる名場面です。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 9点(2018-05-17 18:54:28) |
183.わかる、わかるけど、離れて暮らす者と一緒に暮らす者では見えるものが違うんだね。親孝行ができる子って、いるんだろうか。 【Skycrawler】さん [インターネット(邦画)] 7点(2017-02-12 02:45:13) |
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182.夫を亡くしてもなお夫の両親や親族に献身的でいい嫁を演じる原節子さんに感情移入できないのは、自らの当時の空気に寄り添う姿勢の欠如でしょうか。登場人物の人間関係を把握するのに時間がかかりましたが、それにしても長男・長女役とそれほど年も違わない笠智衆さんの老け方は見事でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-01-23 23:56:44) |
181.《ネタバレ》 原節子さん死去を聞き、哀悼の意を込めて名作と名高い本作を観ました。 ほのぼのジワジワって感じの映画です。 話はゆっくり、今の映画ならば3〜5回掛け合いして次のシーンへと行くようなところでも、10分くらい割いたりします。 タイトルから想像して東京観光の話かと思ってましたが、そうでは無く東京という都会の環境が人を変える、そんなものを込めて名付けたのでしょう。 特に東京や時代を批判するわけでもなく、しょうがないことのような描き方です。 そこに好感が持てました。 【たんたかたん】さん [インターネット(字幕)] 9点(2015-12-26 10:15:27) |
180.原節子さんをしのんで観賞。 映画として、かなりの出来だと感じる。この世界観は普遍的なものだろう。それでも、作品の出来が良いとしても観る時の心理状態と合うかどうかが評価のポイントになってしまう。 泣けそうで泣けなかった、それが気になる。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-11-28 19:38:09) |
179.これはまあ、何と言ったらいいか、言語に絶する、あるいは言語道断(?)とでも言ったらいいのか こんな完璧な映画作っちゃいけませんよ。 レオ・マッケリーの「明日は来らず」にインスパイアーされて作ったということで、 あちらも、見捨てられた老夫婦が自分たちで生る道を模索するさまが悲哀とともにが描かれて素晴らしい作品だが、 これはさらにその域を越えて、諦念とそれを許容する寛容が、世界的なスケールで描かれ、ほとんど普遍の域に達している。 不朽の名作とはこういう映画のことを言うんでしょう。映画史上、永遠に残る傑作です。 【kinks】さん [映画館(邦画)] 10点(2015-10-04 23:32:00) (良:1票) |
178.《ネタバレ》 見る人によって受取り方が違って来る映画らしいが、個人的感覚でいえば、劇中の長男・長女の対応はごく自然に見える。また次男の元妻は、いわば嫁の立場として極めて誠実に対応していたようでご苦労様だった。 この長男をはじめとした子どもらもいずれは両親と同じ立場になり、最後には老夫婦だけが家に取り残されることになるのかも知れない。現代だけでなく、この映画の時代や前近代においても跡継ぎ以外は全員家を出るのが当然だったわけで(劇中の三男もそういう感じ)、昔と今が違うとすれば跡継ぎさえも残らないことだが、それは人情の問題というより家という観念の希薄化である。老いた親を見守るためなら誰か一人が地元に残るだけでも十分であり、劇中の末娘なら適任だったかも知れない。 老夫婦としても、この境遇をまあ幸せだと納得しようとしていたようだが、ほとんどの人間にとってもこのあたりが納得のしどころではないか。次男は別として、生きている子は既にそれぞれの社会的地位や家庭を築いており、自分らの生きた証はちゃんとこの世に残っていく。決して慰めなどではなく、本当に幸せだったではないですか、と自分としてはこの老夫婦に言ってやりたい気がする。 なお次男の元妻に関しては、いくら昔の人とはいえ作り笑いが過ぎるのではと思いながら見ていたが、最後になって本音を言ってもらえたのはよかった。 ところで末娘は可愛らしく見えるので女学生かと思ったら教員とのことで、道で会った児童は頭を下げて挨拶し、教室での様子を見てもきりっとした立派な先生である。しかし社会的にはそういう立場でありながら、兄から見れば子ども扱いなのか大事な家族会議にも入れてもらえず、また姉からは小間使いのように使われていた。古い家族観が崩壊すればこういう理不尽な扱いもなくなるのかも知れない。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-08-03 23:58:11) |
177.《ネタバレ》 あのラストは、京子と紀子の会話から含めて印象的なのです。京子は、とみの死後に見せたしげたちの言動に嫌気をさします。実母が亡くなった直後というのに、あれやこれやと無遠慮に形見を欲しがったり、さっさと帰路についたりして、なんと薄情なのだと、なんと無頓着なのだと嘆くのです。しかし、紀子は、そのしげたちの言動に対しフォローを入れます。「大人って、だんだん親から離れていくものじゃないかしら」。大切なはずの人を亡くしてもすぐに割り切るしげたちの言動を、紀子は肯定して、京子をなだめるのです。この、紀子が年下の京子をなだめる姿は、一見、大人の強かさが現れているようにも映ります。しかし、親の死の無頓着を否定しなかった紀子自身も、未だ亡き夫の死を引きずって生きているわけです。夫の死に無頓着になりつつある自分に、罪悪感を抱いていました。京子にはあんなことを言ったのに、自分の場合は「大人って、だんだん夫の死から離れていくものじゃないかしら」と割り切れないずるい自分。親の死の無頓着を肯定しても、夫の死の無頓着は否定したい紀子。そんな彼女に、亡き夫の「親」である周吉が、その無頓着を肯定するのです。新しい男(ひと)を見つけてもええよ、と。そして、亡き妻の形見を、血縁でもない紀子に無頓着に授けます。そうして、夫の死の呪縛から開放された紀子の涙。これが、感謝と安堵に満ち溢れていて、感動的なのです。 【Jar_harmony】さん [DVD(邦画)] 9点(2015-05-11 01:02:19) (良:3票) |
176.もっともっと期待してたけど、21世紀の今これが公開したと考えてみるとまぁこんな感じかな。 |
175.親の死、葬式という儀式の中での人間模様を極められた映像、語りで描写されている。 この表現力において、並ぶもの無し。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-08-04 23:06:29) |
174.《ネタバレ》 昔の映画だし、やっぱり地味な印象を受けるのは致し方ない。が、戦後間もない当時の日本を描いた内容は、現在の日本にも大いに通じるところがありある意味何か普遍的なものを感じます。海外での評価の高さも伺えるとても素晴らしい作品でゴザイマシタ 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-06-28 08:42:19) |
173.《ネタバレ》 世界でも有名と評判の小津監督の代表作。「どうせ、甘ったるくて古臭い映画だろ」「有名だから信奉されてるだけさ」。●違った。人間を優しく冷たく、そのまま表現している映画と思う。もちろん映画だから嘘だらけだし、わざとらしいけど。●孫より子供が可愛いというのが、正直過ぎて笑えた。実際、孫なんてさ、幼児なんてさ、可愛いもんじゃない。馬鹿でわがままだしさ。●大人になるとは、妥協して無視すること。家族でも、親子や兄弟を無視するのが現実。絆は虚構。●悲しくて、冷たくて、優しくて、現実っぽい映画。古くならない映画だと思う。■1950年代の「名作」は厳選されてるから、現代の映画より高品質だと思う。「古いけど面白い」と書いてる馬鹿がいるが、「古いから面白い」ことに気付けと思うな。★10点 【激辛カレーライス】さん [DVD(邦画)] 10点(2014-06-15 05:57:00) |