1.リュック・ベッソンが製作に名を連ね、アメリカ・フランス合作となっている西部劇。
この邦題からも痛快なアクション・ウエスタンかと思っていたらさにあらず。(久しぶりに出会ったひどい邦題です)
西部開拓の地の当時の過酷な日々の暮らしがしのばれる重さのある作品でした。
西部で一山当てようと東部の町から夫に着いてやって来て、精神を病んでしまった3人の女性。
彼女たちを東部の町に送り届けるヒラリー・スワンクと、同行することになるトミー・リー演じる、処刑寸前のところを助けられた悪党。
送り届ける3人の女性たちとは意思疎通をはかれず台詞も無い。しかしこの2人もベラベラ身の上を話したりすることも無い。
西部開拓の地から東部の町へ。寡黙なロードムービーですが、前半はヒラリー、後半はトミー・リーの見せ場となっており、
ホテルへの放火など不要に思われるエピソードの挿入があったりもしますが、主演の2人の素晴らしい演技を堪能できる作品となっています。
3人の女性たちを受け入れ先の教会に送り届けた後が印象的。
酒場で西部から来た人間だと分かると「ここにあなたの居場所はない。」
そして町で出会った若い女には「西部で一攫千金を狙うような男とは一緒になるな。」と言う。
しかしそれでも再び川を渡り西部の地に戻っていく。銃をぶっ放し、陽気に歌い踊りながら。トミー・リーの姿が切ないラスト。
こんな話もまたアメリカの歴史の一部か。主演2人の存在もあり、重さの中にも味わいがある作品です。