1.《ネタバレ》 ライフガード物……というよりは、刑事物って感じの映画ですね。
作中でも散々「それは刑事の仕事」とツッコまれていますし、海での人命救助がメインの話と思って観ると、ガッカリしちゃうかも。
海ではなく、スタジオで撮影しているなって丸分かりな場面もあったりするし、色々とハードルを低くして観る必要があると思います。
それと「よぉ、ハイスクールミュージカル」「有り得ないTVドラマのパクリみたい」などのメタな台詞を挟んでいるのは、ちょっとオタク映画っぽくて、この題材とは不釣り合いにも思えましたね。
内気なロニー青年を「第三の主人公」枠にしたりして、マッチョ賛美な体育会系の映画ではない、幅広い客層が楽しめる映画にする意図があったのかも知れませんが、それが成功していたとは言い難いかと。
でもまぁ、自分としては「ザック・エフロンとドウェイン・ジョンソン主演のアクション映画」が拝めただけでも満足というか……
至らないところも多々あるけど、充分に合格点に達してる映画だと思うんですよね、これ。
怖いもの知らずな若者と、経験豊富なベテラン主人公のコンビって時点で、バディ物としては王道な魅力があるし、二人が衝突しつつも互いを認め合い「仲間」「相棒」になっていく流れも、微笑ましくて良かったです。
観ていて安心させられるというか、新鮮な驚きは無い代わりに、落胆させられる事も少ないって感じ。
音楽もノリの良いのを揃えてあるし、水着美女のサービスシーンも豊富。
海が舞台なんだから、これは外せないとばかりに、ジェットスキーでのアクションがある辺りも嬉しいですね。
先程は「スタジオ撮影なのが丸分かりな場面がある」と減点個所を述べてしまいましたが、それ以外では「海の美しさ、解放感」を感じさせる場面も多かったし……
結果的にはプラマイゼロどころか、プラスの方が大きいくらいなんじゃないかと。
元ネタのTVドラマ版で主人公ミッチを演じたデビッド・ハッセルホフが「ミッチの師匠」というポジションで登場したりと、ファンサービスをしっかり行っている点も良かったですね。
エンドロールのNG集も和気藹々としてるし、撮影現場の楽しい雰囲気が伝わってきました。
それでも、最後に「これだけは、どうにかして欲しかった」という希望を述べさせてもらうなら……
クライマックスは「敵のボスを撃つ」ではなく「人命救助」って形にして欲しかったですね。
一応、ボスを倒す直前に「ミッチがブロディを助ける場面」もある為、ライフガード要素が必要無かったって訳じゃないんですが、最後の最後で(……これ、やっぱり刑事物でも成立したよなぁ)って気持ちにさせられて、興醒めしちゃいましたし。
そこのところを上手くやってくれていたら、もっと自信を持ってオススメ出来る品になってたと思います。