1.《ネタバレ》 実写版は三木孝浩監督と浜辺美波、北村匠海って鉄板の布陣で爽やかな良い青春映画となったけれど、このアニメ版もコレはコレで。日本のアニメの良さが実写版とは全く違った魅力を放ってるわ。
基本的な物語こそ一緒だけれど、全くの別物と言っていいレベル。実写では不可能なデフォルメを多用してキャラに魅力を持たせてるし(ここら辺は原作準拠なのかな?)、ラブラブな展開に突入すると共に突如入るキラキラエフェクトは見ていて恥ずかしかったりもするけれど、それもアニメならではの魅力ね。
ただ、終盤になって失速してしまうのがなんだかもったいなくて残念。実写版ではそれぞれの家庭環境や現実的な問題、将来の夢や目標も盛り込んでいたのに対して、こちらはラブラブメインの展開で、だけど終盤になって家庭や将来がのしかかってくるので、そこでスローダウンしてテンションダダ下がりになっちゃうのよね。せっかくテンポ良く(良過ぎて移り気で恋多き面々になっちゃってる感はあったけれど)ラブラブほんわかワールドだったのに。そのまま上がりきらずにエンドロールになっちゃう感じで、ちょっと画竜点睛を欠く感は否めないのね。もっとあっさりすっきりまとめちゃって良かったんじゃないかなぁ。
高台から眺める風景なんか、実写版に比べるとあまり重要視されてなかったりして、何かキーになる映像なりアイテムなりがあれば、って思ったわ。その役割を果たしそうだったハズの朱里のジュエルケースはちょっと全体のトーンから浮いた感じの存在だったし。
でも、こういうアニメはやっぱりキャラクターデザインと作画が命なので、その点、魅力的な絵を見せてくれたところは評価したいわ。