スパイの妻《劇場版》のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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スパイの妻《劇場版》

[スパイノツマゲキジョウバン]
2020年【日】 上映時間:115分
平均点:6.57 / 10(Review 7人) (点数分布表示)
公開開始日(2020-10-16)
ドラマサスペンス戦争もの歴史ものスパイものTVの映画化
新規登録(2020-09-13)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2020-10-19)【イニシャルK】さん
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監督黒沢清
キャスト蒼井優(女優)福原聡子
高橋一生(男優)福原優作
恒松祐里(女優)駒子
東出昌大(男優)津森泰治
笹野高史(男優)野崎医師
脚本濱口竜介
黒沢清
制作NHK(制作著作)
NHKエンタープライズ(制作著作)
配給ビターズ・エンド
特撮浅野秀二(VFXプロデューサー)
美術安宅紀史
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7.嘘は言わないが真実を言わない夫と、何も見えていないが気付かない振りをするのが上手い妻。矛盾し相反する二人が突き進む筋書きは、"真実こそ正義"とも言えるし、そのためなら多少の犠牲も厭わない狂気とも言える。自分らしさと信念を貫くのが困難な時代、権力や思想に全身を預けて安寧を得ることが当たり前のようになっていく様は、ネット全盛の現在と重なる。夫も妻も憲兵隊長も狂っている。では見ている自分は狂っていないと言えるのか? そう問われているような気がした。だからこそのあのラストなのだ。監督の映画は初めて見たが、ベネチア銀獅子賞受賞は、戦争直前のような不穏な世相とマッチし、功労賞的な要素も大きいだろう。ホラーが得意と聞くが、一見、戦火に引き裂かれた男女のメロドラマのように思えて、実は誰にでも存在するサイコパス性を浮上させた意味では、"らしい"と言える。
Cinecdockeさん [映画館(邦画)] 7点(2020-11-13 23:29:00)★《新規》★
6.《ネタバレ》 太平洋戦争開戦前夜、運命に翻弄され、信念を貫く、或る女性(妻)の物語。
正義よりも、平和よりも、彼女にとっては優先されるべき「愛」。
危うく、愚かな時代の中で、それでも貫こうとする狂おしいまでの女の情念は、恐ろしくも、おぞましくもあるが、同時にあらゆる価値観を跳ね除けるかのように光り輝いてもいた。

“昭和女優”が憑依したかのような蒼井優の女優としての存在感は圧倒的で、ただ恍惚とした。
映画ファンとしてデビュー以来この女優の大ファンだが、そのことが誇らしく思えるくらいこの映画における蒼井優の存在感は絶対的だった。

1940年代から50年代における“日本映画”の世界観を蘇らそうとする映画世界に呼応し、あの時代の“女性”というよりも、あの時代の“女優”としてスクリーン上で体現してみせた様は、まさに「お見事です!」という一言に尽きる。

映画における秀でた女優の魅力は、ただそれだけで“芸術”として成立し、“エンターテイメント”として揺るがない輝きを放つと思い続けているが、今作における「蒼井優」は、まさしくこの作品が織りなす「芸術」と「娯楽」の象徴だった。

そして、彼女の存在を軸にして、運命の渦を加速させる二人の男。
最愛の夫をミステリアスに演じた高橋一生、幼馴染の憲兵隊隊長を非情に演じきった東出昌大の両俳優も素晴らしかったと思う。

無論、黒沢清監督による映画世界の構築も「見事」だった。
俳優たちへの演出はもちろん、1940年を再現した街並みや家屋、人々の衣装や髪型、その一つ一つの表情に至るまで、この映画で映し出されるべき「時代」そのものを映画の中で構築してみせている。



個人的には、自分が生まれるよりもずっと昔の昭和の日本映画を、長らく好んで鑑賞してきたので、この映画が挑んだ試みと、その結果として映し出される映画世界は、終始高まる高揚感と共に堪能することができた。

成瀬巳喜男監督の「女の中にいる他人(1966)」や、増村保造監督の「妻は告白する(1961)」などは、描かれるテーマや時代こそ微妙に違えど、昭和という時代の中で生きる女性(妻)の情念や強かさを描ききっているという点において類似しており、興味深かった。



ただし、そういった昭和の名画を彷彿とさせると同時に、それ故のマイナス要因もこの映画には存在していると思う。

それは、今この時代に、この作品が製作され、主人公・福原聡子というかの時代に生きた女性像を描き出すことに対して、踏み込み切れておらず、その意味と意義を見出しきれていない印象を受けたということ。

この映画が、かつての名画を忠実に再現した“リメイク”ということであれば、何の問題もなかろう。
だが、黒沢清と若手脚本家たちによって今この時代に生み出されたオリジナル作品である以上、太平洋戦争直前から末期を描いた時代映画だからこそ、映画の結論的な部分においては、2020年の時代性を表す何らかの価値観や視点を表現し加味してほしかった。

その唯一の不満要素が顕著だったのは、ラストシーンだ。
この映画は、戦禍を生き抜いた主人公が、夜明け前の暗い海で一人咽び泣くシーンで終幕する。
何よりも孤独に恐怖し、何よりも夫への情愛を優先した主人公の心情を表すシーンとして、この描写自体はあって然るべきだろうとは思う。
ただ、その描写で映画自体を終わらせてしまうのは、あまりにも前時代的と思え、工夫がないなと感じてしまった。

必要だったのは、悲しみと絶望から立ち上がり、新しい時代に踏み出していく女性の颯爽とした姿ではなかったか。
エンドロール前のテロップでは、その後聡子が、一人アメリカに降り立つということが後日談的に伝えられる。
そのような展開を物語として孕んでいるのならば、やはりその様はビジュアルとしてたとえ1カットだったとしても映し出されるべきだったと思う。

仕立てのいい洋装で身を包んだ聡子(=蒼井優)が、サンフランシスコの港に凛と立つ。
そんなシーンでこの映画が「Fin」となっていたならば、鑑賞後の余韻と映画的価値はもっと深まったのではなかろうか。
鉄腕麗人さん [映画館(邦画)] 8点(2020-11-11 22:39:30)★《更新》★
5.《ネタバレ》 何となく、劇場で描かれた作品をシネマカメラ目線で撮影したって感じだった。蒼井優は熱演、が、舞台なら映えた演技もシネマでは現実味薄く、
個人的には引いてしまう感じ。高橋一生はまんまの印象。
筋も自分的には受け入れ難いものがあり、ちょっと辛い採点になってしまいました。
Postefさん [映画館(邦画)] 5点(2020-11-09 20:44:22)《新規》
4.《ネタバレ》  予告編で、妻が、ずっと騙されてたけど私は夫を信じます、みたいな信心の話かと思ったら、お互いがお互いを騙し合う愛憎渦巻く狂おしい物語でした(お見事!)。

 あと官憲役の、東出昌大の不穏さ、悪辣さが今までにない感じの凶気を感じさせられて、良かったです。

 あの、離れ離れになるかもしれないが心が一つになることを選ぶか、生きて一緒に居られるが心がバラバラになるか、二つに一つを選べと問われ、見事望んだものを得られたが、失ったものは身を切るほど辛いという、たまらない感じでした。
simさん [映画館(邦画)] 7点(2020-10-26 23:48:33)
3.《ネタバレ》 太平洋戦争下、正義のために国を売ろうとする夫に、愛のために従う決意を固めるアタシ。夫の策がハマり、戦争に負ける日本。それで「お見事」とは言えないけど、意外性のある筋書きには引き込まれた。決して素直な戦争ドラマではない、クセのあるサスペンス展開。ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞作。良作。
獅子-平常心さん [映画館(邦画)] 7点(2020-10-25 01:24:45)
2.NHKラジオの監督インタビューを聞き、興味が沸いて鑑賞。
蒼井優さん、見事に大正時代の女性になりきっていた。
監督の光と影の演出も見事でした。
とても綺麗。

そしてこの視点からの反戦も、ああ、そうだねと納得。
私は母から中国での出来事を聞いていたが、知らない日本人には知るきっかけになると思う。
自国の過去を知り、自分が聡子だったら?と考えたいと思う。
たんぽぽさん [映画館(邦画)] 8点(2020-10-24 14:59:44)
1.《ネタバレ》 ※以下、ネタバレ全開です

話の大枠は非常にオーソドックスな間諜ものサスペンス、しかし裏をかき合うのは敵と味方ではなく、味方同士なハズの夫と妻である。その二度の騙し合いのトリックはシンプルながらそこまで陳腐というワケでも無く、これを軸に周りを着実に固めてゆけば確実にもっと面白くなったはずのお話だと思う。実際、妻の方が夫を「裏切る」までの前半は、かなり面白く観れていた。

しかし、どうもそこからが率直に色々しっくり来ないのだよね。男も女も感情に一貫性が無いと言うか、一貫性が無いのならその心境が変化することに理由が必要なはずなのに、それもよく分からないと言うか。諸々どうにも引っ掛かる、という意味では(特に感情の流れの整理が)やや雑な映画だと言えるのかも知れないね。雑という意味では、敵方たる憲兵隊の夫婦に対する対応もテキトーなことこの上ないし、終盤で精神病院に居る蒼井優の諸々の状況も(実際の病状・反逆者としての身分・そして何より彼女の抱く感情が)どーにもチンプンカンプンだし、そもそも彼らの行動にどういう意味があったことになっているのかも全く描写されないし(まあ史実と整合しないのだから成功ではないのだろーけど)、レビュー書いてみると結構にいい加減な映画だったなあと思う。建付けがちょっと悪いかもね。前半は心理サスペンスなのだけど、後半は2個目の仕掛けのキレ味を際立たせることに注力した力技なサスペンスになっちゃってて、という。

褒めるとしたら、役者の演技は(特に夫婦ふたりは)割と素晴らしかったですよ。両人ともレトロな時代の日本人の雰囲気の醸し方が実に上手くて(特に台詞の読み方ですかね)、あぁ歴史ものを観てるナァ…という醍醐味を十分に味わえた。ただその意味では、どーにも軟弱な若造で(しかもこいつだけは現代風な)、特に憲兵という感じがまるで出ていない東出クンは、個人的にはかなりイマイチだった(まあ終始一貫してそーなのだから、これは監督の意図なのだろうと思うケド)。
Yuki2Invyさん [映画館(邦画)] 4点(2020-10-16 22:53:05)
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【点数情報】

Review人数 7人
平均点数 6.57点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
4114.29%
5114.29%
600.00%
7342.86%
8228.57%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review2人
2 ストーリー評価 6.33点 Review3人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review3人
4 音楽評価 7.00点 Review1人
5 感泣評価 8.00点 Review1人
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