12.「任侠映画」から、「Vシネ」そして「ドキュメンタリー」へ。アスペクト比の切り替わりは、そのままこの映画が描き出す“ヤクザ”の実態を丸裸にしてくようだった。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-10-13 00:45:26) |
11.うーんテンポが悪い、オープニングクレジットが入るのに20分、ここまで丸々カットしても普通に話が理解できそうです。藤井道人監督の薄暗い映像は好きじゃないですねー、安っぽく感じてしまいます。煙を吐き出す工場のショットが何度も挿入されますが、別にヤクザのしのぎとも関係ないようですし単にかっこいい画を挿入したいだけなんでしょうか。90年代の時点で義理とか人情を謳うヤクザは絶滅危惧種になってそうなんですが、まるでそれが未だに生きてるような不思議な世界で物語が展開します。同じ綾野剛主演のヤクザ映画なら白石和彌監督の日本で一番悪い奴らという作品もありますが、頭の中だけでお話を作らずあちらのように実在の人物への取材に基づいたリアリティのある人物造形をするべきではないでしょうか。当時の風俗をしのばせる要素も出てこないので1999年、2005年、2019年という数字には何の意味もないです。時代は変わったという旨の台詞が何度も出てくる(本当に何度も出てくる!)のはまともに時代を再現して変化を演出するつもりがないからでしょう。ヤクザというか舘ひろしの役は理想的な親父として美化しすぎていると思います。ヤクザと社会の関係を描く作品のはずなのに基本的にヤクザの身内の中の人間しか描かれません。彼らを追い詰める暴力団関係の条例も抽象的で具体的にどんなものなのかすらよくわかりません。これではヤクザ同士が延々と傷の舐め合いをしている甘ったるいメロドラマという感じです。半径5mの世界しか描かれないダメな日本映画そのものですよこれ。余命10年はてっきり売れるために嫌々撮ったのかと思ってましたが、実は泣けるラブロマンスというジャンルこそこの監督の資質に一番適した仕事なのかもしれません。 |
10.《ネタバレ》 社会全体がヤクザを排除していく時代になり、そのファミリーの生きづらさをリアルに描いている。 堅気になるにしても、元反社のレッテルを剥がすのは簡単な事ではない。又、SNSによって個人情報が簡単に拡散する功罪にも踏み込んでいる。 主人公がヤクザの世界に足を踏み入れ、抗争を経て刑務所に収監、出所してからの戸惑い、終焉に至るまで、よく出来た脚本、演出である。 藤井監督の力量が感じられ、綾野剛も好演している。 只、最後の娘のシーンは不要かと思った。 【とれびやん】さん [DVD(邦画)] 9点(2023-07-01 13:06:19) |
9.《ネタバレ》 昔からたくさん作られてきたヤクザ映画ですが、ヤクザを取り巻く社会が変わってきたように映画の描かれ方も変わってきたんだなと。任侠という感じや暴力一辺倒ではなくヤクザの生きづらさも描かないといけない時代になってきたようです。いつか時代劇のような描かれ方になるのかもしれない。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-12-31 14:25:19) |
8.《ネタバレ》 まさに『ヤクザと家族』でした。ここまでしっかりとタイトルで内容を表している映画なんてのも最近では珍しい。直球ですね。日本におけるヤクザのここ数十年の環境の変化をわかりやすく描いている。「ヤクザ」「暴力団」「反社」。呼称もさまざまだが彼らを取り巻く環境も激変したのであろう。翼のようなヤクザでもない半グレのような存在も台頭し、少なくともかつてのように一つの大きい組織が一帯を牛耳るといった状況はほぼ無くなってきているんだろう。 どうしても主役となる山本目線で描かれるため、ヤクザの立場を美化したものに映りがちだが、それだけに終盤元ヤクザであることがバレた山本に悪徳警官の大迫が言い放つひと言、 「お前らがやってきたこと考えりゃ当然の報いだろ」が響く。 作中では山本のヤクザとしての「仕事」はほとんど描かれない。せいぜい麻薬を売らない信条があるといった程度だが、やはりヤクザである以上誰かや何かを食い物にして生計を立てているはずで。柴崎組の「シノギ」が具体的にどういうものか知らないが、「道を極めた漢達」の仕事がどういうものなのか描いて欲しかった気持ちもある。まあそれを描くと柴崎組やその組長の見方もだいぶ変わってくるとは思うが。 でも、どうしてもこの手の映画はSNSの表現が過剰な気がします。いち地方に勤める市役所職員の家に元ヤクザが出入りしてるとか、仲良くピースサインしてる程度の画像があれほど拡散されるだろうか。よっぽど他にニュースがない平和な街なんだな、しきりにヤクザ同士の抗争が起こる割には。まあ単にああいう街だからヤクザ情報に敏感だということかもしれないけど。 「真っ当に生きたい」そう言いながらも安易に入れ墨を入れたり誰かと家族の契りを交わしたり、やはり先述の大迫刑事のセリフがどこかから聞こえてくる、そんな映画でした。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-10-12 21:57:29) |
7.随分とヤクザが生きづらい世の中になってるんだなー。もちろんそれは一般社会から見れば喜ばしいことだが、足を洗った人にも容赦ない現代の残酷さを目の当たりにするとやはりつらかった…。ポスターにもある通り、物語は1999年~2019年、つまり20年間ということになるが、明らかにそれ以上の重みを感じるのは日本映画界が1960年代後半から70年代にかけてヤクザ映画に力を入れ、菅原文太、松方弘樹、渡哲也といったスターも生まれ、大衆の支持を得てきたところにあるんじゃなかろうか。ヤクザを肯定はしないが、映画を通して馴染みのあったあのエネルギッシュな時代はもう終わってしまったという寂しさが後半にドンとくる。そういう古き時代を生きたオヤジには渡の舎弟を自称した舘ひろし、これが嵌まった。敵対する組の豊原功補もやや古い型の芝居をしているのが良い感じ。主演の綾野剛は言うに及ばず、北村有起哉、磯村勇斗など脇を固める面々も好演しており質の高さを感じさせる。一つの時代の終焉を描いた力作だ。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-31 20:08:23) |
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6.良作です。見ごたえがありました。 配役がよかったと思います。 退屈せずに最後まで鑑賞できました。 舘ひろしさんかっこよかったです。 綾野剛さんもよかったです。 【まっか】さん [インターネット(邦画)] 8点(2022-05-04 11:51:08) |
5.《ネタバレ》 いやー、まさに題名通りヤクザと家族だ。前半のスピード感は見事だし、それが後半の展開に悲哀を感じさせる。更正して、妻と娘との幸せな生活があるストーリーを見てみたいと思わせる綾野剛はさすがです。本来ならこれほど、ヤクザに向いている男はいないでしょう。何カットかある、漁しているシーンが何ともいえない。 【ラグ】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-03-13 00:30:02) |
4.注目していた作品、予備知識なしで かなり期待して 鑑賞..いや~ なかなかシブくてリアルな社会派作品、と言っていいヤクザ映画でした..「新聞記者」の 監督/脚本とは思えないほど 出来が良かったです..ただ 終盤、やりすぎ感、作りすぎ感が 否めなかったかな.. 【コナンが一番】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-12-05 14:53:22) |
3.《ネタバレ》 バイオレンスと人情のヤクザ映画な前半と、没落稼業の悲哀を描いた後半で2本の作品を見たような、ちょっとお得な感じ。綾野剛、市原隼人、磯村勇人のそれぞれのハマりっぷりもよい。とくに前半と後半で別人のような市原隼人の演技の巧さに久々に唸った。開始20数分後に登場するタイトルもワクワクした。ただ難点は、藤井道人監督の前作『新聞記者』と同様に、暴対法以降のヤクザというテーマ的な新しさの反面、人間関係の描き方、とくに男女関係の描写の妙な古くささ。『新聞記者』の松阪桃李夫妻の描き方もそうだったが、本作の綾野剛と尾野真千子のロマンスは最初から最後まで「いつの時代の話だ?」というクエスチョンマークが続く。ヤクザ映画の男女関係なんてそんなもん、なのかもしれないが、新しいヤクザ映画を模索した本作だったからこそ、尾野真千子のキャラは重要だったはずなのに、なぜか「純朴」で「努力家」で「待つ女」という、いつもの「ヤクザの脇で悲劇に耐える女」でしかなかった。肝心の親分との絆も、実はそこまできちんと描かれているわけではなく、そこは古今のヤクザ映画を思い浮かべて観衆の想像で補うしかない。ラストの娘と翼が会うシーンは「いい場面」風なのだが、本編を見た身としては「おいおい、また同じ間違いを繰り返すのか、この人たちは・・」という危惧のほうが先に立ってしまう。狙いは面白く、新しいアプローチを評価したいのだが、肝心の映画として台詞や演出の古くささが目立って微妙な印象というあたりも、『新聞記者』と同じだった。 【ころりさん】さん [インターネット(邦画)] 5点(2021-09-09 09:10:43) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 どのように認定されるのか知らないが、新しい条例は厳しいのですね。いかなる理由があっても自業自得ではあるので同情はしないけど、家族という点においては心揺さぶられるものがありました。5年ルールというのは知りませんでした。 毎週映画を観るのが定番になりつつあり、嫁評価では本作が一番良かったので8点とします。 【ないとれいん】さん [映画館(邦画)] 8点(2021-02-22 11:54:37) |
1.《ネタバレ》 「家族」の絆について焦点を当てたヤクザ映画。ヤクザがブイブイ言わしていた時代と、ヤクザが綺麗ごとでは飯を食えなくなった時代を対比的に描く。淘汰されても、裏切りや逆恨みにあっても、在り続けるはぶっとい家族の絆。主演・綾野剛、むくれ面にて怪演。映画館観賞の今年1本目にして傑作。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 8点(2021-02-20 23:31:09) |