34.《ネタバレ》 残念ながら、衛星で受信したソレは、デジタルリマスターでもなんでもなく、めっちゃ汚い映像だったのだった。もしかして単なる劣化したビデオ録画をそのまま流したのではとまで疑わせる。
だから、絶賛される白黒映像美だったのかどうかが全然わからなかった。
それで、ストーリーの流れだけを一所懸命追うしかなかった。
「セレブリティ」の時はそんなに気にならなかった白黒映像が、妙にカンに障った。
なぜなら、私はNYという街の美化された姿について、「ユーガットメール」で散々刷り込まれていたもので。
エピソードの中で印象に残ったのはメリル・ストリープの冷たい前妻ぶりかなあ。〝メリル・ストリープなのに〟妙にセクシーだ。
私も、永遠さんの言われるように、「マンハッタン」でのウッディ・アレンはファニーじゃないと思う。マンハッタンのアイザックをペットにして飼う気にはなれない。よって、マンハッタンは何度も見たい映画ではない。
それにしてもダイアン・キートンは不思議な女優さんだ。彼女が出てくると、俄然画面に見入ってしまう。映画の面白さが違ってくる。吸引力がありすぎる。
字幕についてはやはり不満が残る。誰の訳だったかなあ。また例の人だったかな。
「アイムナッタセイント」を、「俺も男だから」って、そこまで訳すかなあ。この調子では、他の部分も意訳しまくりだったと思われる。
ひとつ気付いたこと。アイザックの新しい部屋はトラブルだらけで、神経質な彼はグズりまくり。
トレイシーは茶色い水にも騒音にもあまり動じず、グズるアイザックを受け流す。
反対に、メアリーは、部屋に入った途端「音がうるさい」「水が茶色くておかしい」など、即座に反応する。…二人は同じタイプ。
が、アイザックがラストで真実の愛(と思い込んでいるもの)に気付くのは、トレイシー。
カップルは、性格が反対のほうがいいみたいですね。アレンもそう思っているらしい。