2.《ネタバレ》 ドリームワークスアニメーション、このところパッとしないイメージ。小さなお子様向けに特化してる感じで映画よりも配信用のシリーズ作品に注力している?みたいな。ディスニー&ピクサーは元より、イルミネーションにも置いてゆかれ気味って印象なのよね。
この映画も見る前はあまりピンと来なくて。擬人化された動物モノって海外アニメーションにはありがち過ぎるほどにありがちだものね。
でも実際に見てみると痛快な娯楽と普遍的なテーマとを両立してしっかりと見応えのある作品だったわ。
簡単に説明しちゃえば窃盗団が警察に捕まって改心するまでのお話、なのだけれどもそこに幾つものひと筋縄ではいかない要素があって。始まってそう経たないうちからワリと簡単に改心しちゃうライン?と思ったら正義と悪とが曖昧になっていったり二面性があったり、裏切りの裏切りのまた裏切りみたいな二転三転する波乱に富んだ展開があったりで全く油断できない、飽きさせない作り。
一方でテーマの中にある元からのイメージによって世間が決めつけてしまう、差別的な扱いを受ける、っていうのは『ズートピア』とカブってるのね。キツネの持つイメージの部分はそのまんまってカンジ。そこはもう少し違いを見せられなかったのかな?と思ったのだけど、他者からの影響による変化じゃなくて自身の内側からの変化という点には違いがあるのかも。
コントロールされたモルモットが集団で暴走するっていう『DCがんばれ!スーパーペット』とのモロネタカブリは同時期公開ってコトで(本国ではこちらの方が三か月早いわ)仕方ないわね。
これからのアニメーションは『スパイダーマン:スパイダーバース』前と後とに分類されるって思っているのだけれど(国産も含めて)、これは確実に『スパイダーバース』後を感じさせる作品ね。ガチガチなリアル志向から離れ引き算で描かれたCGや、スタイリッシュな画面構成、大人が見ても楽しめる要素(冒頭はアレ、『パルプ・フィクション』のトラボルタとサミュエルよね)、より自在になった時代のCGアニメーション映画って感じ。
個人的には知事がステキで好き。知事のままだったらつまんないキャラだったけど、ね。
『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』の次のドリームワークスアニメーション映画ってことでお子様向けみたいなイメージがあるけれど、オトナも楽しい映画よ。