100.《ネタバレ》 ラッシュアワーシリーズって、三部作全てブレット・ラトナー監督のはずなんだけど……
(あれ、もしかして監督交代した?)と思えちゃうくらい、続編物としての欠点が目立つ作りなのが寂しいですね。
一応、1にあった楽しい雰囲気は維持されてると思うんだけど、何ていうか「1と2の繋げ方が雑」なんです。
前作のラストで「カーターは中国語を話せる」ってオチになったはずなのに、実際は手帳に書いたワードを読み上げる事しか出来ないって設定になってるし、1ではビーチボーイズを馬鹿にしてたカーターが「ビーチボーイズ最高!」と言ってる辺りも、1と2の間に何があったんだよと気になっちゃう。
シークレットサービスになれたと喜ぶカーターっていうのも、1のラストにてFBIになる事を拒否し「俺はロス市警で良い」と恰好良く啖呵を切った場面を考えると、違和感があるんですよね。
この辺に関しては、監督というより脚本家の交代が原因かとも思えるんですが、真相や如何に。
そんなこんなで、ちょっと褒めるのが難しい一本なんですが……
一応「1には無かった、2独自の良さ」も、ちゃんと備わっていたと思います。
何と言っても最大の長所は、悪役美女のフー・リを演じる、チャン・ツィイーの存在。
林檎にナイフを投げる場面とか、戦う前に鮮やかな動きで髪を結う場面とか、もう惚れ惚れしちゃうくらい魅力的でしたね。
凛々しさと可憐さ、その双方を備え持っており、爆発で死んじゃうオチなのが悲しく思えたくらい。
リーが口の中にある爆弾を作動させない為、フーにキスする場面も可笑しかったし……
父の仇であるラスボスのタンを撃つべきか、それとも正義の為に自制するかでリーが迷う場面にて、相棒のカーターが「撃て」と急かすのも、新鮮で良かったです。
こういう場合、相棒は撃たないようにと諭すか、わざと露悪的な事を言って思い止まらせるもんなのに「俺達以外には誰もいない」とか言い出す始末ですからね。
本作の主人公二人が、型通りの「バディ物」には収まらない魅力を持ってると示した、印象深い場面です。
前作と同じように「休暇に旅立つ二人」という、楽しい雰囲気のまま終わってる辺りも、嬉しいポイント。
上述の通り、続編映画としては色々と不満もあるんですが……
これ単体で評価する限りでは、中々良く出来た映画だったと思います。