2.《ネタバレ》 予告編や前評判からコレは他のB級未満映画とは違いそう!と思ったのだけれどやっぱりB級未満から大きく飛躍してるってワケではなかったわね。
ファーストカットはとても良かったの。カブトガニちゃんが鼻唄混じりに軽やかに泳いでゆく、って。清々しい莫迦っぷりを見せてもらえそうで。
だけど中身はこのテのユルい出来の、そう、濫造されまくってるサメ映画やゾンビ映画と同じフィールドに居て、それらの中では多少マシな程度ってカンジ。
脚本はユルユルよ。保安官2人は初期から犠牲者の一部やら重症者やらに遭遇しながら特に対策に乗り出したり応援を依頼したりもしないし(散らばった手足はそのまま放置?顔面食べられちゃった人はどこ行っちゃったの?)、カブトガニたちの扱いが雑で風呂敷広げただけでちっとも畳まないし。ってゆーか上映時間は決して長くないのに大ゴトになるまでが長い長い。それまで若い子たちの恋とオトナの恋、微笑ましいドラマを堪能してね、ってそこもそーんなに面白くはないし。演出と編集がぎこちないのでヘタなモノ見せられてる感が強いわ。でも役者さんたちがこのテの映画には珍しく美男美女揃ってますってカンジなのよね。なので見られちゃうかんじがあって。ヒロインのママなんか設定に比べて若過ぎじゃない?って思うけど良いわ。エンドロールまでウザいアイツはずーっとウザかったけど・・・
で、ポイントとしては数々のオマージュというか、こういうの好き!っていうのが散りばめてあって、そここそを楽しんでねって状態で。『キャリー』みたいにプロム大パニック、ちっちゃいカブトガニちゃんたちはモロにグレムリンだし、中くらいの連中はエイリアンみたいだし、でっかいのは日本産着ぐるみ怪獣特撮映画状態だし。その上、巨大ロボットものでハンドル・・・じゃなくて舵で操縦しちゃうとか(ハンドルで操縦するのはザブングルよね)。
だけどそういうノリを送り手と受け手で共有してオタク同士でわかりあいました、っていうのもなんかねぇ、ココロザシ低〜いカンジしちゃうのよね。こういうの好きなんだろ?とかって癪に障るし、ダメさを楽しんでみせるとかって歪んでると思うし、あーんまり持ち上げるのも良くないわね。まずはやっぱり予算に関わらず質がポイントだと思うわ。