4.《ネタバレ》 濃密で見応えの有る作品だった。
私は日経紙金曜夕刊の映画評を実際に映画館に赴くか否かの指針の一つとしている。
その影響で本作は必ず映画館で・・・と思っていたが、都合が合わずCSでの放送を心待ちにしていた次第。
華麗・優美等の言葉とは真逆の、北欧神話の世界らしい武骨極まりない世界観の中で物語は進行する。
どちらかと言うと虚弱体質系だった王子が果たして成長してあれだけのマッチョになれるのか?
と些か疑問には思うものの、アレクサンダー・スカルスガルドは本作の主人公にまさしく適役だった。
主人公が思念する「命の樹」のビジュアルも見事で、その命の樹を観て自分の本懐を全うすべく単身敵地に乗り込み、
怖いとしか言いようのない母親(二コール・キッドマンが文字通りの怪演!)を、そして父の仇である叔父を
殺めて行く流れは荒々しく正に映画的表現の極み。
本懐を遂げてヴァルハラへと飛び去る様も作品の雰囲気に相応しいものだった。
こういう作品こそ映画館の大スクリーンで観るべきなのだろう。
劇場に行けなかった事を後悔しているし、再上映してほしいと真剣に思っている。