1.生活に疲れた中年詩人が、ふと見かけた青年のことが気になりだしてあれこれ起こる、というお話。こういう設定だったら、父性愛なのか友人愛なのかホモ・セクシュアルなのかそれ以外なのかがはっきりしないところが面白いはずなんだけど、この作品はそもそもそのどこにも踏み込んでいないため、はっきりしない以前に、何も始まっていない。あと、奥さんがキーキーうるさいのも、かえって主人公2人のやりとりの興を削いでいます(妻への反動で青年の方に行った、というだけに見えてしまう)。そしてよく考えると、詩人という要素なり属性は、結局何も生かされてないですね。