1.《ネタバレ》 楽しかったです。制作前に監督が全閣僚の演者に「自分が大河ドラマの主演に抜擢されたつもりで演じろ!」と檄を飛ばしたそうですが閣僚全員がセンター前にヒット⋯いやホームランも何人かいたかもしれません。野球になぞらえればオールスター球宴といったところです。豊臣秀吉を演じるのが今回で5度目とかの竹中直人さんは昔若くて細身だった頃に『Shall we ダンス』だったかでキレの良いモダンダンスのステップを披露しましたが、今回は豊臣秀吉の扮装でそれを披露、織田信長の有名な「人生五十年下天のうちを比ぶれば」の舞に徳川家康が飛び入りで参加して古典芸能の狂言が本業ながら今回のようなSF映画にまで出演する野村萬斎さんの面目躍如といったところ、そして徳川家康が現代社会をより良くするための内閣解散時の演説等々、全てエンタメ満載でしかも大真面目なのです。普通、愛国心というものは国土が酷く被災したような時に被災者などに対する助け合い精神として発揮されるもので決してこの作品の中の誰かのように近隣国の人々や文化を見下すことを愛国心とは呼びません。でも自分の国の歴史、文化、自然を讃え、ロックダウン中に古典を学習して愛国心を高めるのはありかなとNHK大河ドラマのせいで急遽文部科学大臣として内閣入りした紫式部の弁で納得しました。ただ目下のNHK大河ドラマでは紫式部はやっと中流貴族の奥さんになったばかりで本作品ではちょっと偉そう過ぎました。他閣僚メンバーも納得の本領発揮で終わり近くの新撰組と坂本龍馬が演じる殺陣もカッコ良かったです。