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悪い奴ほどよく眠る

[ワルイヤツホドヨクネムル]
The Bad Sleep Well
1960年上映時間:150分
平均点:7.36 / 10(Review 69人) (点数分布表示)
ドラマサスペンスモノクロ映画犯罪もの
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-05-18)【にじばぶ】さん
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監督黒澤明
助監督森谷司郎
坂野義光
西村潔
松江陽一
キャスト三船敏郎(男優)西幸一
森雅之(男優)岩淵
香川京子(女優)西佳子
三橋達也(男優)岩淵辰雄
加藤武(男優)板倉
西村晃(男優)白山
志村喬(男優)守山
藤原釜足(男優)和田
宮口精二(男優)岡倉
菅井きん(女優)和田友子
佐田豊(男優)接待係
中村伸郎(男優)建設会社顧問弁護士
賀原夏子(女優)古谷の妻
清水元(男優)三浦
土屋嘉男(男優)事務官
山茶花究(男優)金子
沢村いき雄(男優)運転手
田中邦衛(男優)殺し屋
南原宏治(男優)堀内
三井弘次(男優)新聞記者
田島義文(男優)新聞記者
藤田進(男優)刑事
笠智衆(男優)野中
松本染升(男優)波多野
三津田健(男優)有村
一の宮あつ子(女優)有村の妻
児玉清(男優)新聞記者
脚本黒澤明
橋本忍
小国英雄
菊島隆三
久板栄二郎
音楽佐藤勝
撮影逢沢譲
木村大作(撮影助手)
斎藤孝雄(撮影助手)
製作黒澤明
田中友幸
東宝
配給東宝
特撮東宝技術部(特殊技術)
美術村木与四郎
録音矢野口文雄
下永尚
その他キヌタ・ラボラトリー(現像)
あらすじ
西幸一は住宅公団の副総裁岩淵の秘書である。西は岩淵の娘佳子と結婚する。この披露宴のさなか、岩淵の過去の汚職とその隠蔽工作を仄めかす不吉な出来事が起きる。折りしも公団と建設会社の癒着に関して岩淵の部下和田が検察の取調べを受ける。和田は岩淵たち上司を守るために自殺を決意するが意外な人物に救われる。この人物には岩淵を破滅させようとする策略があるのだったが…。
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69.何十年ぶりかの再鑑賞。前はラストシーンしか頭に残っていなかったが、改めて見ると、やはり凄い映画だった。ただ、主人公の身元がばれてからは、テンポが少し冗長になったような気がして、残念。豪華な役者陣(誰かなこのカッコイイ検事と思ったら、悪代官の南原宏治さんだったり、さりげなく顔だけ出演で児玉清さんでてたり)も見どころ多し。
代書屋さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-06-23 16:13:51)
68.《ネタバレ》 いやあ、久しぶりに黒澤映画を観て、根幹的な映画づくりの巧さに冒頭から感嘆した。
オープニング、本作の登場人物が一堂に会する結婚披露宴のシーンが先ず白眉だ。
贈収賄が疑われる土地開発公団組織内の人間関係やパワーバランス、主要登場人物一人ひとりのキャラクター性が、披露宴が進行する中で実に分かりやすく映し出される。それと同時に、過去の事件のあらましや、渦中の人間たちの不安や焦燥感も如実に表されており、実にすんなりと映画世界内の“状況”を理解できる。
そこには当然ながら、世界の巨匠・黒澤明の卓越した映画術が張り巡らされていて、俳優一人ひとりへの演出、ドラマチックかつ効率よく映し出される画面構図など、素人目にも「ああ、上手い」と感じ取れる映画表現が見事だった。

1960年公開の作品であることをあまり意識せず観始めたので、キャスティングされている錚々たる名優たちが、これまでの鑑賞作のイメージと比べて随分若かったことも新鮮だった。
西村晃、志村喬、笠智衆ら、“老優”の印象が強い俳優たちが、まだそれぞれ若々しくエネルギッシュな演技を見せてくれる。

中でも印象的だったのはやはり西村晃の怪演だろう。晩年こそ水戸黄門役などで好好爺のイメージも強いが、若い頃の西村晃はクセの強い悪役が多く、本作でも次第に精神を病んでいく気の弱い中間管理職の男をあの独特な顔つきで演じきっていた。
また志村喬が悪役を演じている映画も初めて観たのでとてもフレッシュだった。

そしてもちろん、主演の三船敏郎のスター俳優としての存在感も言わずもがな。
恨みを秘め、復讐劇を果たそうとする主人公を熱演している。冷徹な復讐者の仮面を被りつつも、元来の人間性が顔を出し苦悩するさまが印象的だった。

60年以上前の古い映画でありながら、150分間興味をそぐことなく観客を引き込むサスペンスフルな娯楽性が凄い。
ストーリーの顛末に対する情報をまったく知らなかったので、ラストの展開には驚いたし、釈然としない思いも一寸生じたけれど、この映画においてあれ以上に相応しいラストも無いと思える。

森雅之演じる公団副総裁は、物語の佳境で自分の娘すらも騙して保身のための悪意と悪行を貫く。そしてその自分自身の様が映る鏡を見て、思わず目を伏せ、脂汗を拭う。
本作は勧善懲悪の分かりやすいカタルシスを与えてくれずに、痛烈なバッドエンドをもたらす。
現実社会の陰謀や巨悪がそうであるように、本当の悪人に対しては裁きも無ければ、贖罪や処罰の機会すら与えられない。
只々、罪を抱えて孤独に生き続け、そして一人眠るのだ。

まさに、“悪い奴ほどよく眠る”を雄弁に物語るラストシーンの皮肉が痛烈。
60年の歳月を経ても、その社会の仕組みに大差はない。
どの時代も、悪意は、よく眠り、よく育つ。
鉄腕麗人さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-02-03 00:41:15)
67.《ネタバレ》 悪い奴ほどよく眠る、いいタイトルだなぁ。
胸のすくほどのバッドエンド。
これが現実の社会なんだろうけど。

それにしても香川京子があまりにひどい役柄だ。
単なるバカ女の役ではないか!
つくづく黒澤映画って男の映画なんだなって感じる。
とにかく黒澤映画に出てくる女性は魅力的ではない。

しかし地位や金ってそこまで大切かねぇ。
私には理解はできない。
特に子供に見限られてまで地位や金を守りたいとは思わないね。
にじばぶさん [インターネット(邦画)] 6点(2023-05-17 17:28:52)
66.《ネタバレ》 バッドエンドなラストは賛否の分かれるところだろうと思う。全体が舞台劇のように進行して映画としての面白みに欠ける。まるで脚本の朗読を聞かされているような気がする。せっかく理詰めに進行させたのだから、あっと驚く大成功、圧倒的な映像で終わった方がカタルシスがあったように思う。ラストのくだりもセリフで説明されたのでは本当に舞台を見ている気になる。同じ巨大権力の勝ちというオチなら松本清張の「中央流砂」の方が凄味がある。贅沢な俳優陣がこれではもったいない。
ブッキングパパさん [映画館(邦画)] 5点(2021-01-05 14:41:38)
65.痛烈な批判をこめられた作品だった。
ホットチョコレートさん [DVD(字幕)] 8点(2019-08-29 06:15:10)
64.黒澤映画ということで心理的バイアスがかかってしまい、無意識にハードルを上げていたようで、普通の社会派サスペンスに映ってしまいました。でも、いろんなラストを選べる中で、あのラストに仕上げたのは皮肉たっぷりで好みでした。岩淵が森雅之とは観終わるまで気がつきませんでした。
la_spagnaさん [DVD(邦画)] 6点(2016-06-26 00:35:02)
63.《ネタバレ》 かなり前に「公権力横領捜査官 中坊林太郎」という漫画を読んだんですが、この話の前半はまさにそれそのままでした。
思わず「中坊~のパクリか」と、わけの解らないことを思ってしまった次第です(^^;
もちろんその反対なんですが、何はともあれこういう設定大好物なのでとにかく興味津々。
何故か口笛をふくスカしたようなキャラの主人公に期待は膨らみました。
…が、後半完全に失速です。社会派作品として真面目に作りすぎ。謎めいた主人公も完全に普通の人に成り下がってしまいました。
ぶっ飛んだ展開を生かして娯楽に徹してくれればもっと楽しめたと思います。
前半8点、後半4点
午の若丸さん [DVD(邦画)] 6点(2015-01-03 21:57:09)
62.《ネタバレ》 本当に「悪い奴」は、電話の向こうで高いびき

冒頭の結婚式の場面。
華やかな場面の裏で、マスコミの陰口が交錯するシーン。表と裏、光と影。
花婿を脅しにかかる兄貴も面白い。照れ隠しだね。
謎のウエディングケーキ。ここから「復讐者」と「悪い奴ら」の戦いが始まる。
それで結婚式が終わった直後に次々と起こる汚職事件の顛末。
新聞紙の山、警察に引っ張られる役人たち、ある者はおとなしく捕まり、ある者は車にと・・・凄いな。
だがこの中に「復讐者」はいない。
意外な人物がソイツだったとはビックリ(まああの貫禄じゃあ「ああコイツだな」と思うけど。予告編なんか余裕でネタバレだよw)
この映画は「復讐者」が誰か解らない所から始まるから面白いのに。
家庭では温厚な父親も、裏では悪事を引き受ける実行人だ。
互いの思い遣りが仇になっていく・・・残酷なもんだ。
ラストシーンは最高にバットエンドだが、何故だか納得してしまう。
やりきってるからな。
すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-14 21:30:09)
61.《ネタバレ》 高度成長期が始まった当時の日本において、市場原理主義から起こる社会の矛盾、事件を黒澤監督は危惧されていたのだろうと思える作品。
重厚なストーリー作りといいますか事件作りといいますか。
役者は佳子役の香川京子さんが素晴らしいですね。汚い意図が交錯した社会を描く作品の中で唯一の清純さを身を以て演じていると言いますかこんなにも清純無垢な役柄を演じられる人は少ないんではないかと思います。
三船敏郎さんについては、正直この作品の中ではあまり発揮しているようには思えません。むしろ三橋達也さんと役柄をチェンジした方が良かったのではないかと思えます。森雅之さんは完全に異なる人格にすっぽりとはまっていて名優ですね。
最後の電話でぺこぺこは黒澤の軽蔑が含まれているような気がしてなりません。
ところであのビルを模したケーキは食べられるんでしょうか。おいしそう。
大経師さん [DVD(邦画)] 8点(2014-09-13 17:36:11)
60.《ネタバレ》 黒澤明監督が自らのプロダクションを(東宝の意向もあって)立ち上げて手がけた第一作。汚職事件に絡む復讐劇を描いたサスペンス映画で、黒澤監督らしい見ごたえのある娯楽作に仕上がっていて最後まで面白く見ることができた。三船演じる主人公・西が復讐のためならどんなことでも厭わない男で、やや共感しづらい面もある(実際、主人公よりも藤原釜足演じる和田にずっと感情移入していた。)ものの、ちゃんと人間的な部分も描いているので、主人公にまったく感情移入ができないというようなことはない。この後の「用心棒」や「椿三十郎」と違ってやるせないバッドエンドですっきりしない結末であるが、ここにこの映画で黒澤監督の言いたいことが集約されているのだろう。ただ、人間ドラマとして少し物足りないところもあり、もう少し登場人物たちを掘り下げて描いても良かったのではという気はするし、やはり女性の描き方に不満が残る。でも、西と板倉(加藤武)が隠れている軍需工場跡にやってきた西の妻(香川京子)と西のラブシーンはいつもの黒澤映画では見られないようなシーンでとても印象に残った。出演者の中ではやはり岩淵副総裁役の森雅之。家庭で見せるよき父としての顔と汚職に手を染めている悪の顔をきっちりと演じ分けていてさすがに上手いし、ぱっと誰だか分からないような老けメイクのせいもあってか強烈に印象に残る。この岩淵の息子役が三橋達也で、香川京子演じるその妹である西の妻が障害者という設定なので見ていてつい川島雄三監督の「風船」を思い浮かべてしまったが、もし、川島監督なら香川京子の役柄の存在をもっと大きくしていただろう。そうそう、この映画は小津安二郎監督の映画の顔である笠智衆が初めて黒澤監督の映画に出演した作品でもあるんだなあ。
イニシャルKさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-18 15:37:33)
59.企業の汚職を扱った映画だからもっと社会派映画かと思ったら、ただの拭く襲撃だったとは内容が浅い。もっと心理面の葛藤がほしい。
ESPERANZAさん [DVD(邦画)] 4点(2013-08-20 22:31:03)
58.《ネタバレ》 配役を全く気にせず見始めて「このメガネの主人公、誰?」「日本にこんな雰囲気持った俳優さんいたの?」と、気になりまくり。どの時点で解ったんだろう、もしかして見終わってからだったかもしれない。『天国と地獄』で現代人姿だった時とも違うので三船敏郎だとは全く思いませんでした。口笛のメロディは擦り込まれています。あとペコペコしながらの電話姿のラストが強烈に残り続けています。
だみおさん [ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-17 03:50:02)
57.《ネタバレ》 何度か観たが、ラストを知っていても楽しめる。この時代の映画はハッピーエンドありきと勝手に思っていたからこのラストは衝撃だった。いろいろ突っ込める部分はある、まあ、そんなのをおいておいても本体はよかった。しかし、本当のラスト岩淵の上の奴らはなにもダメージ受けないのかとおもうとやりきれないね。
minさん [DVD(邦画)] 8点(2013-06-16 22:25:16)
56.冗長過ぎるきらいがあるし、首をかしげる所も無いでもないが、ラストの衝撃で全て吹き飛んだ。想像ほどのスケールは無かったが、重厚な出演陣の熱演もあり、なかなかいい映画だった。観て損無し、お勧め。
はあさん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-01-06 23:45:29)
55.現実離れしていた西の素性がばれる瞬間を境に面白味がだんだんと薄れていきました。とりわけ無知でお人形さんのような奥さんに興を削がれました。悪を気取ったところで世間の仕組みには今も昔も勝てないという事を思い知らせてくれるタイトルが強烈です。一番興味深かった人物が、その世間の仕組みを体現していた岩淵。森雅之さんは何処に出ていたのかの答えを本サイトで知り仰天、役者魂に感嘆しております。
The Grey Heronさん [DVD(邦画)] 6点(2012-03-18 19:22:06)
54.冒頭の結婚式でのひそひそ話が明らかな説明となっており、もちろんそれはシェイクスピア劇のようなお話ゆえの演出なんだろうけども、そこを例えば歌にしちゃうとか、背景に幕が下りちゃうとかといった具合に、演出であることがもっと露骨ならいいんだけども、やっぱり台詞ってのは、どうにもひっかかる。そこだけならまだしもその後もやたらと説明台詞が多いからまいっちゃう。社会派エンターテイメントとしての「わかりやすさ」を獲得するための説明台詞なんだろう。シリアスな内容と説明台詞の相性が悪い。生々しいロケーションと型通りの登場人物の相性も悪い。お話自体はかなり面白い。幽霊を演出する光と闇のマジックは映画そのもののようだった。
R&Aさん [DVD(字幕)] 6点(2011-08-10 15:26:15)
53.汚職を題材にしたサスペンスタッチのドラマ。
シナリオも構成もいいんだけど、黒沢監督の見せ方が相変わらずうまく、
見応えのある娯楽映画に仕上がっていた。キャスティングは言うことなし。
重厚な役者さんばかりが出演しているので、安心して鑑賞できるのがいい。
主人公のキャラは、人間臭い部分まで踏み込んで描かれていて、これはこれで面白いんだけど、
その分、後半のストーリーがやや甘くなった感があり。
それでも十分な満足感を与えてくれる内容の作品だった。
MAHITOさん [DVD(邦画)] 6点(2011-08-07 09:23:22)
52.《ネタバレ》 現代の視点からは特にひねりのない汚職事件ものだし、人物の掘り下げが深いとも思わないんだけど、救いがないストーリーは良かったです。復讐が成就しなかった悔しさが汚職に対する怒りとして残る。スッキリ観終われないことをがテーマです。まぁ、嫌な映画ですな。エンディングでタイトルをしばらく出しっ放しにする演出も効果的でした。すでに半世紀前の作品ですが、汚職に関与した下っ端役人や政治家の秘書が自殺するような事件はその後に現実に起こりました。「記憶にございません」などは本作から十数年は未来の出来事だけど、それを予感していたような脚本は見事だと思います。「役人は上役を裏切れない」って台詞は現代でも相変わらず色褪せない。さらに半世紀を経ても色褪せないのでしょう。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-07-13 22:26:51)
51.《ネタバレ》 「悪を憎むのは難しいよ。憎しみをかき立てて、俺自身悪にならなきゃできない」。今も、いや永遠に無くならないであろうテーマを直球勝負。んでもって切ない。サスペンスや夫婦の悲哀も相俟って、「世界のクロサワここにあり」です。完璧に近いんだけど希望がなさすぎなのでマイナス1点。
すたーちゃいるどさん [DVD(邦画)] 9点(2011-04-23 18:51:56)
50.黒澤明らしい、細部のリアリティが雑なことと(一般には逆のことが言われているが)、人間描写が浅いことを気にしなければ、十分楽しめる。
みんな嫌いさん [DVD(邦画)] 7点(2011-04-04 09:47:09)
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【点数情報】

Review人数 69人
平均点数 7.36点
000.00%
100.00%
200.00%
311.45%
422.90%
522.90%
61217.39%
71623.19%
82637.68%
957.25%
1057.25%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.33点 Review6人
2 ストーリー評価 7.77点 Review9人
3 鑑賞後の後味 5.90点 Review10人
4 音楽評価 7.14点 Review7人
5 感泣評価 6.60点 Review5人
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