9.《ネタバレ》 敵兵と恋に落ちる?う~ん、そこでもう、感情移入ちょっとできなかった。映像は、さすが貴族の出。今でもきれい。当時のインパクトはすごかったろうと思います。フランコゼッフィレリ、ヴィスコンティの助監督だったんだね。「ロミオとジュリエット」の完成度に深く納得。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2014-07-03 21:31:55) |
8.ヴィスコンティ監督の作品の中では未熟という意見もありますが、なんのなんの、荘厳なBGM、貴族の邸宅の内部、ヴェニスの風景、戦闘シーンなど全て秀逸です。憎みあう敵味方の間に生まれた愛情というのはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」以来、何度も文学や演劇の作品で表現されてきましたが、この作品では中盤頃からアップになるリヴィアの表情、特に眉間に深い皺が刻まれたハイミスの彼女の年輪とオーストリア軍人フランツの小悪魔的な童顔が何か単なる敵味方ではない、新旧勢力の象徴のように描かれている気がします。とろけるような官能を描き切ったこの作品は新旧交代をよりリアルかつ重厚に描き切った後年の「山猫」の布石になっていると思います。 く知られているようにシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」では愛し合う二人の恋は死によって完結しますが、本作品の似て非なる結末も新旧対立という観点からいろんなことを考えさせます。 【かわまり】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-10-27 08:07:56) |
7.《ネタバレ》 伯爵夫人があれだけ入れあげてしまう部分がどうしても説明不足なんだが、アリダ・ヴァリの演技はそれを超えて説得力がある。あるいは、女性かまたは同性愛者の目で、中尉をみれば、それなりにコケットリーを感じるのかもしれない。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-08-13 17:54:28) |
6.《ネタバレ》 この監督は、異世界の闖入で始まる映画が多い。『山猫』は祈りの場に兵士の死体、『地獄に堕ちた…』はブルジョワの誕生パーティーにナチの兵士、『家族の肖像』はもう闖入そのものが主要なモチーフで、本作はオペラ劇場に解放を呼びかけるビラ、となる。緊張で張りつめ、静けさ・秩序を保っていた世界が、崩れ始める予兆。劇的効果満点で、下り坂にかかって、ぎりぎりに保っていたものをプツンと切るところから、ドラマが始まるわけ。そして全体が没落の傾斜を演じていく。軽蔑していた密告者への没落。しかしラストの処刑によって、男を「オトコ」にしてやった最後の愛情とも取れるわけで、すべてがみじめに没落していく中でそこだけ高貴なものを輝かせようとした女の凄みみたいなものを、アリダ・ヴァリが演じきった。というかもうこれは監督の資質なんだろうな。売春婦一人を画面中央で捉えるところでも、実に格調があって堂々としている。生まれながらの貴族ってこういうものか。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-06-30 09:48:35) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 映画としては確かに未熟かもしれないが、この作品はやはり貴族の血を引くヴィスコンテイでなければできなかった題材ではなかったか。オペラ座の光景。ロバート・クラスカーの荘厳なカメラ。ブルックナーの第七番。伯爵夫人の恋の相手となるファーリー・グレンジャーもルックスを生き延びてゆく武器にしながら、そんな自分の卑劣な行動に心底嫌気がさしている駄目人間を演じて好演。そしてこの話の素晴らしさはそんな「だめんず」に心底惚れ込んでしまった伯爵夫人アリダ・ヴァリの情熱的な眼差し、そして最愛の恋人を密告し処刑場に送り込んでしまった際の最後の叫び。恋のもたらす盲目的な熱情をこんなにうまく表した映画は無いのでは、と思っている次第です。ちなみにこの映画の原題は『「Senso」=官能』ですからね。 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-08-02 20:48:10) |
4.映画中、女の独白ナレーションがちょこちょこ入るが、この独白が説明的過ぎていて質が悪い。しかも映像で十分に伝わっていることを、重複して説明してしまうことが多々あり、折角の映像を殺してしまう結果になっている。また、男も女もキャラクターの一貫性に乏しく、心の痛みの重みも説得力も欠けます。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-02-10 14:41:35) |
3.ヴィスコンティの映画って、面白いですかねぇ・・・ なんか似た様な作品が多いですし。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2007-10-12 16:58:17) |
2.リビアのジェラシーに苦悩する気持ちが痛いほど伝わってくる情念の映画だと思う。それは見ていて苦しいほど。 【omut】さん 7点(2003-07-23 23:21:49) |
1.個人的には、ヴィスコンティの最高傑作。いや、単に「傑作」と言ってしまってはあまりに味気ないな。これはこの巨匠が作り得た最高の「愛(について)」の映画と言い換えましょうか。全編にわたって人間の情念がうねり、息苦しいまでの官能に満ち満ちている。ラストのアリダ・ヴァリ扮するヒロインの眼差しに何も感じない者がいたとしたら、それは映画の敵であるばかりでなく、人としてももう一度出直してこい! と言ってあげるべきでしょう。ジャン・ルノワールの『黄金の馬車』と双璧を成す、狂おしいまでに偉大な真の「ドラマ」だと思います。 【やましんの巻】さん 10点(2003-05-30 11:27:09) |