21. 島の女
最初の方のシーンで、海から上がったソフィア・ローレンがその豊満すぎる肉体にピッチリと服をまといつかせ、あまつさえ乳首が立っているままでご登場となられた時、幼少時の小生はドキドキと我を忘れたものでした。改めて見直すと、才人ジーン・ネグレスコ監督にしちゃストーリーの退屈さを救いきれなかった感じだけど、ローレン様はやはり圧倒的で、彼女の歌う主題歌も、オジサンとなった小生をあの性春…もとい、青春時代に連れ戻してくれました。エーゲ海がどんなに美しかろうと、ミロのヴィーナスがどんなに端正な美を誇ろうと、若き日のソフィア・ローレンの前じゃ霞む霞む! 《追記》↑へちょちょさん、そうだったんですか。あれ、口パクでローレンが歌ってんじゃなかったんすか…。ガッカリしたんでついでに点数も下げようかと思ったものの、あの爆裂バディがまたもまぶたにチラついて(笑)、やっぱりこのままにしときます。それに、「海底の宝探しもの」としちゃ、やっぱりそれなりに「スタンダード」ですものね。 6点(2003-09-16 16:45:17)(笑:1票) |
22. シカゴ(2002)
キャサリン様に、100万本のバラの花束を差し上げたい! でも、彼女が出演していなけりゃどうなっていたことやら、この映画(なんて、わざわざ倒置法つかうこともないが)。すべてに計算された演出はインテリジェントで達者ではあるものの、ミュージカルの”いのち”である歌と踊りを細かくカット割りする野暮ったさに閉口。こんなところまで、ボブ・フォッシーの悪いトコ見習うなっての! レニー・ゼルウィガーも、健闘してはいるもののやはりミスキャスト。ギアは、まあまあってところか。面白く見られはするけれど、こんな程度の映画に喝采をおくるアメリカ映画って、やはり衰退してんだなあ。 6点(2003-09-04 17:28:33)(良:1票) |
23. シーズ・ソー・ラヴリー
他のレビューワーさんたちもご指摘の通り、日本人の感覚じゃとてもついていけない主人公たちの独善的な「愛のかたち」を、これぞ純愛!と高らかに謳いあげるあたりは、まあガマンしよう。ショーン・ペンと実生活でも奥さんのロビン・ライト・ペン以下、役者もいい。けれど、完全にナルシスティックなニック・カサベテスの演出の暑苦しさだけは、ちょっとガマンできない。この御仁、偉大なオヤジにあった”対象に密着しつつも失われないその人物への批評的意識”をまるっきり理解していないようにみえる。残念だけど、ペケ。 4点(2003-08-25 18:03:32)(良:1票) |
24. 死霊のはらわた(1981)
劇場公開の何年か前に、「スゲエ怖い映画があるぞ」と友人の間で評判になり、”海賊版(!)”ビデオで見た時の衝撃ときたら…。ひたすらコケオドシに徹した演出のパワフルさ、カネはなくとも工夫次第じゃここまで「スゲエ」映画がつくれるんだ! と、当時の映画少年たちをどれだけ勇気づけたことか。個人的には『2』の方がよりフェイバリットだけど、大好きであります。 8点(2003-08-06 18:05:14) |
25. ジョン・カーペンターの要塞警察
初見参はテレビだったのだけど、もう画面に釘付け状態。この陰惨な現代版『リオ・ブラボー』には、確かにジョン・カーペンターのすべてがあるなあ。あの主人公なんて、完全に『ニューヨーク19997』や『エスケープ・フロム L.A』のスネークだし。何なら、カート・ラッセルを主演に、これを”スネーク三部作”のひとつとしてリメイクすればいいのに…などと、思ってしまうのですが、どう? とにかく、カーペンターはやはりいいなあ。暗いくせに、ヘンテコなユーモアもあるし。あらためてリスペクト! 8点(2003-07-17 14:19:11) |
26. シャーキーズ・マシーン
バート・レイノルズ、自作自演でオノレの最高傑作を作っちまった。このあたりが、無意識過剰(?)なこの御仁ならではの人徳ってやつ? とにかくホラーじみたヘンリー・シルバの殺し屋を相手に、レイノルズと仲間のオッサン刑事たちが頑張る姿にナミダ…。レイチェル・ウォードも、めちゃくちゃイイ女(スケ)っぷりだしね! 8点(2003-05-24 19:39:26) |
27. 死にたいほどの夜
ま、他人さまにはおいそれとおすすめいたしません(特にキアヌ・リーブスのファンの方々には…)。が、ビートニクを支えた面々の生きざまに40年後のXジェネレーションとの”共通項”が見出せて、そのへん実に興味深いものがありました。青春って、どんな時代もカッコ悪くてぶざまなもので、だからこそ切ないって気分が、ホント良く描けている。 8点(2003-05-24 13:25:56) |
28. JFK
「っていうか、映画っていいたくない」という意味でいうなら、小生にとってこれこそが、それ。あの、ケネディ大統領が狙撃されて頭が吹っ飛ぶ実写(!)映像を、これでもかと執拗に反復するあたり、鬼畜かと思ったぜオリバー・ストーン。死者に、ひいては人間そのものの”尊厳”に唾するこういうシロモノを、断じて「映画」とは呼びたくないつ! 0点(2003-05-24 13:17:37)(良:3票) |
29. シーナ
ジョン・ギラ-ミン監督って、その昔は本家タ-ザン映画を撮ってんですよね。しかも、『シベールの日曜日』の美少女パトリシア・ゴッジ主演の『かもめの城』なんていうセンシティヴなドラマも。そういう一面を知る者にとって、この映画は「底抜け超大作」監督のレッテルとは無縁な”本来の(?)”ギラーミンらしさが麗しい最後の1本と言えるのでは。タニア・ロバ-ツ扮するジャングルの美少女を見つめる眼差しが、実に好々爺していて、生臭くないのがいい気分です。 7点(2003-05-24 13:10:03) |
30. 心臓が凍る瞬間(とき)<TVM>
とにかく我が最愛のジェニファー・ルービン様が出演しているだけで、しかもニューロティックなキレまくり演技に感涙。映画も、B級スリラーでありながらどこか『ベティ・ブルー』していて、「精神異常であるのはわかっていても、俺のことを“好き”と言ってくれたのは彼女だけだったんだ。俺はそんなアイツのためなら何だってする!」というディラン・マクダーモットにナミダ…。彼とル-ビン様の「ニューロティックな“ボニーとクライド”ぶり」は、ベネックスのご本家よりもある意味哀しく忘れ難いものがある。ジェニファーと言えばコネリーよりルービンな世の皆様(果たしてどれくらい存在するのか…)なら、彼女の出演作のなかでも最高傑作のひとつという小生にきっとご賛同いただけるハズ! どなたか、「JR友の会(って、何か鉄道マニアの会みたいだな…)」を創りませんか? 《追記》久しぶりにビデオで再見。やっぱりこれ、低予算のTV映画風でありながら実に良くできた小さな“大傑作”だと再確認しました。ジェニファー・ルービンの“壊れっぷり”と、それゆえの倒錯的美しさにウットリ・・・。誰もあまり見てくれない(というか、コメント書いてくれない)んで、ええいっ! と、点数を「8」から「10」にしちゃいます。個人的には当然の満点映画なんで。 [ビデオ(字幕)] 10点(2003-05-15 16:47:56) |