1. セックス・アンド・ザ・シティ
《ネタバレ》 シーズン4か5までは全部見たはずですが、やっぱ老けるということは痛い。もともと老け顔だったパーカーですら。 この映画では、最初のほうでものすごいドラマティックなシーンを振っておいてどん底まで落とし、そこからどのようにキャリーがリカバリングされるのかを追ってじわじわと上昇していきラストでハッピーになるという構成がされています。…まあだいたいこういうことになるとは観客の誰もが予想しながら見ているわけだが、私はここでハッピーエンドにせずに「平常心」のラストで終わってほしかったものだと切に思うのだった。「完全な幸せなんて誰にも訪れなくて、先はどうなるかわからないよね~。でもなんとなく楽しく生きていこうよ。」というのがドラマ版SATCでの姿勢だったと思うのだが、キャリーをビッグと結婚させちゃったら「幸せ」以外の何者でもない。キャリーは結婚させたらダメなんだよ。永遠に男を探して彷徨っているのがキャリーなんだ。 あと背筋が冷やっとしたのは、シャーロットの妊娠発覚の際に「養子を迎えたあとに妊娠することって多いらしい」と言って平然としてたことね。…アジア人の養子を、本当の子供を授かるための準備品扱いしちゃってるんじゃ?という大問題なのに、作り手が疑問に思ってなくてスルーしちゃってるのが怖い。やっぱ白人だなあと思うね。 さて、見てみてよ~くわかったのが「4人の女優が3対1に別れてモメていた理由」です。 パーカーはプロデューサーに名前が入っていることもあるだろうが、露骨に自分ばっかいい思いさせすぎ。残りの3人に脱糞だとか女体盛りだとか全裸SEXシーンを割り当てておいて、自分は汚れシーンは一切なし。いいとこ全部自分。いやあ、はっきり言ってすごいよ。ここまであからさまにワガママを見せられると。 ドラマ版でもだいたいそういうことだったけど、パーカーは絶対脱がないしね。 これってつまり「あくまでもあたしが主役。残りは引き立て役なの。」ってことでしょ。 パーカーとは非美人でチビのユダヤ人女優、と私は認識しているのだが本人の認識は全然違うみたいだ。カマトトも年を考えてやって欲しい。ホリー・ハンターとかチビ女はなんか得してるよね。 そんなことで、サラ・ジェシカ・パーカーの自分充分ぶりが炸裂してしまった映画版なのでした(2もあるとは…和解なんてするわけないから、みんなそれぞれ困ってるのね)。 [地上波(字幕)] 6点(2010-09-12 17:19:31)(良:1票) |
2. セレブリティ
《ネタバレ》 どうやらこればっかりは、年齢とか経験とかで「客を選ぶ」映画だったようだ。 というのは数年前、まだ40の大台まで若干の余裕があり、ゆえに煩悩多き負け犬ライフを送っていたころに見た際は、「おもしろくない」という感想しか持てなかったからだ。が、今回「スカパーだから」というケチな理由により見直したところ…なんだ、とんでもなくおもしろいじゃないかあ。 とにかくジュディ・デイビスだ。中野翠によれば白人女優にしては珍しく〝お直し〟の入っていないという優雅なシワ顔、白黒映像によって、〝とびきりの美人〟でもなくブスでもないという、絶妙な映り具合となっている。そして、コメディエンヌとしてこれ以上ないというような愛らしいボケ連発、私は好きだ。 何よりロビン本人が、常に〝超のつくマジメ人間〟であることが、作品全体を通してずっと効いている。コメディだ。 白黒の理由は他にも、本物のセレブを何人も出演させることによるリアリティの低下を防ぐ意味と、色を排すことにより、客に考える暇を与えずドタバタと話を進めケムにまく、という効果を狙ったものと私は思う。「あっセロンじゃん」とか「あっディカプリオだ」という客の先入観を、少しでも薄めたかったのだろう。 アストンマーチンクラッシュ後のセロンの切れっぷりは、吹き替えを排してぜひとも耳で味わってもらいたいし、ディカプリオの壊れっぷりと王子風ヘアスタイルも、突き抜けた面白さがあった。 40を超えて夫に見捨てられたバツイチ教師の女性が、〝運命のいたずら〟であれよあれよと「セレブ」になっていく…そんな万に一つのとびきりの幸運を掴んだ女が、ジュディ・デイビスでなくしては「ケッ」という女性客の顰蹙を買わずにはいられないだろう。本当に不思議な女優さんだ。そして、女性にとっては勇気の出る映画である。 ケネス・ブラナー、ウッディ・アレンの役どころを引き受けたが、今回はジュディ・デイビスに完全に喰われたと思う。死ななきゃ治らないバカ…な「リー」なる男性は、当然憎めない。なぜだか美女に構われる。でも、また浮気する。ロビンよ、別れて本当に良かったね。 それにしても、監督アレンは、女性がキレるところを描くのが抜群にうまい。実体験によるのか。 トニー役の俳優さんが安倍晋三に見えて仕方がないのがただひとつの難であった。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-09-10 16:37:18)(笑:1票) |
3. セルピコ
《ネタバレ》 10人中9人が「カラスは白い」と言っている場合、自分だけが「いや、カラスは黒い」と言えるだろうか。どうですか。 セルピコのやっていた事は、そういう事だったので、私はそこに日本人の想像する「正義感」とかいう物件とは別の背景を感じる。宗教だ。 映画「セルピコ」を見て、誰もが「よくそこまでできるよなあ。よっぽど正義感が強いのだろうなあ。」という感想を抱く。…でもセルピコは本当は、「内なる神」に対して誠実たらんと務めたのではないかと思われてならない。キリスト教の神というのは、「ウォッチング アス」だからだ。 恋人にも去られ、すべてを捨て、残った己の命さえも危険に晒すことができるほどの勇気というのは、「他人に見せるための正義や勇気」ではないのだと私は思う。彼が評価を求める相手は「神様」だけだったのだ。…だからたぶん、日本人が「正義感」とか「正義漢」という言葉でセルピコを語るのは、微妙に、というか根本的に違うのかもしれない。 さて個人が組織の内にあって、諸事情によりその組織と闘わなければならない場合、最も障害となるものは何かというと、私の場合は「妻子」という得体の知れない言葉であった。「自分の」ではないけれど。 洋の東西を問わず、「妻子」というのは、組織悪と闘う人間にとって、最大の障害となっているに違いないと思う。セルピコの闘いも、例外ではない。そして、「カラスは白い」と言って恥じない人間も、見ないふりをしている人間も、その動機に少しも「妻子」が関わっていないなどということは有り得ない。 最終的にセルピコに残ったものは、「命」と「犬」。私はセルピコの相手は「神様」だけだったと思うので、そういう意味では「悪い結果」ではない。…が、いかにセルピコでもやはり人間で、人間だから「欲」というのはあったのだな、孤独で嬉しかったわけではないし、自分が可愛いというのもあったのだな、というもろもろの言葉にならない感情が…あのベッドの上での一瞬の嘆きに現れた。「セルピコ」でのパチーノの演技は神がかった熱演だ。なんというか、血と肉を持ったセルピコその人の存在を強く感じた。これはパチーノによって単なる「社会派」を超えた名作となった。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2007-09-06 14:32:59) |
4. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
《ネタバレ》 なんとも長い作品で、この内容で「ミュンヘン」と同じくらいの長さというのはやっぱりちょっと無理がある。 と長さに不満は残るが、後味はなんともいえずさわやか。 「盲目の退役軍人が後見人席で勝手なことをいったくらいでそう都合よくいくものか馬鹿馬鹿しい」というご都合主義を中和するために、NYでの冒険譚とスレードの鬱および自殺願望を延々と見せたわけでしょう。ラストの演説の時点で最高潮にもってきたところ、常に高低のバランスを意識したつくりと思います。 45径の銃を片手に「養子になるか一緒に死ぬかどっちだ」と言いますね。これは相手が女性だったとしたら、求婚しているのと同じですね。こんなふうにしか、「お前が気に入った。離れがたい。」ということを表現できないなんて、スレードというおっさんはせつないな。それと、このおっさんは男性相手には卑猥な女性蔑視の表現ばかりするんだけど、女性相手になると全然違うのね。どうです、見ず知らずのおっさんに「君の香水は○○だね。」とか言われたら。気持ち悪くてすぐに逃げるでしょう。セクハラな会話ばかりしていても決して女性に嫌われない。ここに至るまでにはひっぱたかれること何百回の修行を積んだことでしょう。真の女好きとはこういうものか、と妙に納得したのでした。 それにしてもパチーノ、生まれる前から役者さんであったかのようなその存在感には今更ながらお手上げです。このところ出演作をよく見ていますが、「これはもう役者さんになるしかないような人」といえましょう。マイケル・ジャクソンを例えにすると、「人前で歌って踊ってお金をもらうことに何の疑問も抱かせない(何であんたなんかがとつっこまれる余地がない)」のが歌い手の条件だという説がありますが、俳優部門でいったら迷うことなくパチーノを推します。誰がつっこめるでしょうか、身長が足りないとか、顔がデカく見えるとか、パチーノが演技しているときに。そういうことがどうでもよくなってしまう不思議な俳優さんです。 私見では、トム・クルーズにはまだ迷いがあります。「身長が足りないのに堂々主役を張っている」という後ろめたい気持ちが、5%くらいは彼の中に残っている。だから見ている私たちも「トムがんばってるー」と応援する合間に「やっぱ身長が足りないから女優さんと並んで映さないのね」とかどこかで思ってしまう。やっぱパチーノはそういう意味で偉大だ。 [DVD(字幕)] 8点(2006-09-03 12:48:23) |
5. セッション9
《ネタバレ》 「マシニスト」でブレイク中のアンダーソンだ。こっちをだいぶ前に見てたけど。車に乗ったまま自分の家を眺めているとこで、なんとなく「これがオチだね」って思っちゃったんだな。だって変だったもんね。「なんかとんでもないことがありそう」な雰囲気を出したことは○。でもやっぱアンダーソンは驚かせたい人なのね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-31 23:16:21) |
6. セブン
《ネタバレ》 ブラピが「汚な作り」にはげんでいたころ。顔がきれいな人の悩みは凡人には理解しにくいのである。「きれいならきれいに写っとけばー?」と思ってしまうところがこれ凡人。 ケヴィンのニヤニヤ演技には飽きたなあ。「妻を殺されて」をラストにもってきてしまったところがレベルを下げた。「実は生きていた」とかさ、これからはもうひとひねり要です。ずっと雨降っているのがイヤだなあ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-23 13:10:31) |
7. セレンディピティ
《ネタバレ》 以前よりジョンキューザックに疑惑の目を向けていた。「本当にかっこいいのか?」顔も体も間延びした感じするし。なぜ主役ばかり張るのか?誰にウケているというのか?ターゲット層は?疑問はつきないセレンディピティ。ケイトベッキンセールはすごくキレイ。「イギリス人は、髪や歯が汚いの」といっていたのがすごくリアルだった。しかしジョンキューザック。これっぽっちもフェロモンを感じないが。フェロモンなしの主役もありなのか? [DVD(字幕)] 7点(2005-11-20 20:12:04) |
8. セイヴィア
《ネタバレ》 なんでこれ見ちゃったかなあ、と思うような映画。女の人を物扱いするのはやめてくださいね。「アート」だから、というだけで鑑賞に値するわけではないんじゃ。アメリカ人て「家族愛」が最高の価値でもって、「レイプ」がこの世で最悪の悲劇と思っているのだなあ。単純ですなあ。 [DVD(字幕)] 3点(2005-11-15 21:00:55) |
9. セックスと嘘とビデオテープ
《ネタバレ》 期待のソダーバーグ。「ソラリス」で大コケしたが、デビュー作でこれだけの力量を示すとは、すごいものだなあ。スペイダーは、このころ全然マッチョじゃないので、「ええ、顔がきれいなんです」になっている。アンディは、女性から見ると、シンクロしにくい女優さんだ。なんでかなあ。メグライアンとのこの違い。あえて言えば、「いっつも人に言えないことがありそうな女の人ね」かな。共感呼びにくいですよ、このタイプ。この作品で一度も「この子かわいそう」と思えなかったし。女子校に行ったら、村八になることまちがいない。この作品で記憶に残すべきは、「あたしは神様の前で誓ったりしてないもん」という妹のセリフです。なるほど。不倫カップルで誰が悪いかというと、神様との誓いを破ってるほうの人間なのですね。アーメン。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-13 18:15:06) |
10. 戦火の勇気
《ネタバレ》 ここではいつものデンゼル。メグライアンはラブコメ意外の作品に出たときはなぜこんなに存在感薄くなっちゃうのでしょう。「あたしのホームグラウンドじゃないから」「ちょっと出てみただけだから」って感じ。女性で士官ならば、そうなった背景があるはずだー。説得力のないまま出てすぐ死ぬ。ああゆう女性士官のオーダー聞くわけないじゃんね。アイディアはよし。ルーが出ているので大目にみたい。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-07 21:09:52) |