1. ソルジャー・ブルー
《ネタバレ》 こういう時代に、この映画を観る。 ソルジャーブルーと言えば、竹宮恵子の漫画「地球へ」を思い出す。 が、本作は甘くない。 が、だからアメリカ人は、と言ってしまうのも危険である。 本作の位置づけは、ニューシネマである。 ベトナム反戦の意識が高まり、起きたアメリカ映画の傾向のことである。 本作もベトナム戦争後期に創られた映画である。 直接言うのはお上の怒りに触れるので、ベトナム人をインディアンに置き換えて、映画のラストが描かれる。 江戸の戯作家が、お上に観られると怖いので、当時の政治を批判するのに、平家物語など軍記ものを書くように、 作家の反骨精神の手法として、昔からある。 冒頭、この映画は残酷だと言っておきながら、映画の最初から4分の3は、男と女の逃避行である。 ラブシーンまである。 一転、ラストはサンドクリークでのシャイアン族の大虐殺を描く。 どの国民が、というより、戦争は狂気の沙汰なのだ。 [DVD(字幕)] 7点(2023-08-12 00:17:22) |
2. それでも夜は明ける
《ネタバレ》 う~ん、アカデミー賞ということで期待して観たが・・。自由黒人以外の黒人は救いがない。ついこの前まで、これが現実だったんだよね。この白人の主人たちがどのような死に方をしたのかが、興味あるところ。それにしても、思うのだが、アメリカという国、戦争した後は、文化面に自己否定が混じった作品が評価される傾向があるみたいだね?ベトナムの後のニューシネマしかり、今回の3・11後の戦争の後のこのようなアメリカの自分否定の映画のアカデミー賞受賞、本当にこれもそう。 [DVD(字幕)] 6点(2015-01-18 12:03:18) |
3. 組織
《ネタバレ》 けっしてあわてないロバートデュバルが頼もしい。派手なアクションによる脳の快楽刺激物質ドパーミン頼みよりは、淡々と進行するドラマの知的な脳への刺激のほうが、自分には楽しい。この時代の娯楽映画は、今の映像頼みの演出重視の映画が忘れているものを埋め合わせてくれる。どんどんこういう映画をDVD化してほしいものだ。それにしてもジョードンベイカーがまたこういう映画によく似合う。彼は出演映画の本数が少ないのに、小生には強烈なイメージがある。悪役もいいが、こういう頼もしい味方になってくれる彼もまたいいね。 [DVD(字幕)] 7点(2012-09-18 10:16:33) |
4. 存在の耐えられない軽さ
何回も観てしまう、好きなラブストーリーの一本。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-06-12 00:05:23) |
5. ソーシャル・ネットワーク
《ネタバレ》 冒頭はハーバートのエリート模様を描いてて、ふ~ん、こんなもんなんだ、と思っていた。ハーバートを描いた作品には「ペーパーチェイス」があるが、今のトップエリートは講義の課題なんか、さらさらとくぐり抜けてしまう。「ぺーパーチェイス」の頃は講義についていけずに自殺までするのに。今の学生はすごいね!学長も!いいですねぇ。親のコネで会いに来た学生に「つまらん!」と言ってのける。後半は社会に出て行く話だけど、「バトルオブシリコンバレー」を思い出させる。でもこの作品での主人公マークは、さほど金儲けしても、表面上は変わらない。「バトル~」のマックの社長は、俺は天才なんだ~って感じで弾けるのに。これがフェイスブックの魅力(らしい)の”クール”て言う事なんでしょうね。この若きエリートに周囲の大人も取り乱さない。もう若い人間が起業するってことは珍しくなくなってたからでしょうね。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-30 23:38:25) |
6. 捜索者
最初、絵に描いた様な幸せな家庭(大草原の小さな家みたいな家庭)が、インディアンに襲撃を受けて、毅然とした母親とか殺されてしまう。残酷な演出だよね。こういう話って、現代に置き換えて、たくさん創られている。「悪」がこの映画のインディアンの代わりに、ならず者だったり。アメリカって建国してまだ二百数年しか経ってないので、こういう映画で描かれているようなことを、ちょっと前に経験したんだ。あんな荒野の一軒屋って無防備もいいとこだ。アメリカ人が銃を離さないのもこの時代の恐さがDNAに刷り込まれているからかもしれない。この映画の目玉であるジョンウェインはカッコよかった。 (2度目鑑賞) 西部劇は何も決闘シーンの映画ばかりではない。 インディアンとの熾烈な争いも西部劇のポイントである。 これは後者。 ジョンウエインが演技している貴重な映画。何せそこにいるだけで映画になる俳優だから、こういうのは貴重になる。 ちょっと捻たカーボーイを演じている。 しかし、唯一の肉親の妹を助け出して、一言「家に帰ろう」と優しい声でいう。 これが、今まで嫌な奴だった分、ドカンと効く。 結婚式での喧嘩の場面も「静かなる男」同様、好きですね~、フォード監督♪ [DVD(字幕)] 6点(2010-02-02 12:29:33) |
7. 相続人(1998)
《ネタバレ》 いやぁ、面白かった。アルトマンの人物の演出はホント見事で、探偵さんが良かった。主人公が弁護士と言うところがグリシャムカラーかな?グリシャムもこの話のヒントになるような体験があったのかしらん?女性は怖いね。でもあんな状況にめぐり合ったら、男としてどうなんだろう?「それじゃ」と言って、帰る男っているだろうか? [DVD(字幕)] 7点(2010-01-12 11:40:04) |
8. その土曜日、7時58分
ルメット監督といえば、社会派モノや戯曲の映画化を多くてがけているが、この作品は今までのルメットとちょっと違うと思った。「ウイズ」や「グロリア」のような作品にも、ちょっと社会派のスパイスを効かせていたが、この作品はそれがない。ただ、金が人生を誤らせるという点くらいだ。しかし、新しい試みもしている。タランティーノのような演出をしたり、映画ならではの場面変えに新しい試みをしている。老いても、まだまだやれると言った感じで、この監督、ホントすごい。尊敬します。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-06 13:29:39) |
9. ゾディアック(2007)
《ネタバレ》 この事件が未解決だとは知らなかったので、後半、ギレンホール演じる漫画家が動き出した時、これは警察でも突き止められなかった事件を漫画家が!?と期待して観たので、退屈はしませんでした。が、ラスト、はっきりと断定できずに映画が終わった時、ちょっと疲労感が残りました。監督は、あのリーとかいう人物が犯人だと遠まわしに言っていますが、2時間半の映画を観終わった後のカタルシスが弱いので、ちょっと疲れたということです。警察が、個人で動いている漫画家にヒントやアドバイスを与えるシーンは面白かったです。あの眠そうな顔した刑事がいい味を出してて、好感もてました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-10 16:32:23) |