1. チャイルド・プレイ(1988)
《ネタバレ》 人形を題材にした怪奇小説は昔からあって、江戸川乱歩の「怪談入門」にも人形怪談という項目があります。しかし本作のチャッキーは、それとは根本的に違っていそう。 人間の魂が人形に宿るという設定自体はホラーかオカルトですが、内容や演出は『13金』のようなスプラッター映画に近い。特にチャッキーが正体を現してからは、それまでと一転してアクション中心になります。終盤のしつこさもスプラッターの悪役かゾンビを思わせます。 その点では予想外だったのですが、これはこれで楽しめました。ユーモラスな場面も多々あり、観客を楽しませようという精神にあふれていました。シリーズ化されるのもうなずけます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-25 10:53:44) |
2. チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
《ネタバレ》 やっぱり前作より落ちるか。前作ではチャーリーが狙われたわけですが、今回は元エンジェルが黒幕だったり、ディランの過去が明らかにされたりと、映画らしいスペシャルな展開となっています。しかし、そればかりではやはりちょっとな~、という気が。もう少し「普通の」エピソードも見たいもの。ボスレー役がビル・マーレイから替わったのも大きなマイナス。やせ男も再登場したのに、髪の毛にこだわる理由が明かされず、何のために出したのかよくわかりません。デミ・ムーアはなかなか健闘していたと思います。アクションはかなりパワーアップしているようですが、現実離れしてほとんどマンガかアニメのノリの部分もあり、それはどうかと思いました。あと前作もそうでしたが、この監督はスローモーションが好きなようですね。しかしこういうものはいいところで使うから効果的なのであって、しょっちゅう使っていてはかえって魅力を殺しかねないでしょう。あと、仲間とのチームワークなどを話として入れていますが、そういう要素を排除した、純娯楽作品の方がよかったと思います。 そんなこんなで、やはり評価は低くなってしまいますね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-04-24 20:44:41) |
3. チャーリーズ・エンジェル(2000)
《ネタバレ》 テレビシリーズは未見(ファラ・フォーセットが嫌いだった)。映画としては、決してつまらないわけではないが、特に面白いわけでもないという困った作。コメディとしてはビル・マーレイが大奮戦で(ちょっとやり過ぎかも)、エンジェルたちも要所要所で笑わせてくれて楽しめました。ヘンテコ日本パーティーは微妙。アクションものとしては、ややキレが悪い。特にキャメロン・ディアスは、ミスキャストではないかと思います。どう見てもアクションは似合いませんよ。アジトに乗り込むときも、ノースリーブを着ることないでしょう。どちらかというと3人のコスプレが見もので、その点は満足。依頼が最初からうさんくさかったり、この手の話としては鉄板の展開で、そこは安心して見ていられました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-23 21:23:34) |
4. 地平線から来た男
《ネタバレ》 『夕陽に立つ保安官』の姉妹編。後発のためか、こちらの方が人物関係が複雑で、シンプルでわかりやすかった前作よりはやや落ちるか。ヒロインのスザンヌ・プレシェットも、無駄に騒ぎすぎ。しかしこの方、こんな役もやってたんですね。あまりイメージとは合わない気が……。 それはともかく、本作のミソは主役のジェームズ・ガーナーが一度も銃を撃たないということでしょう。おかげで最後まで、実はやり手なのか、あるいは本当に口だけなのか、よくわからないという寸法。こちらの方が、はっきり凄腕であるとわかっているより面白い。最後のメイのセリフ「俺はマカロニウェスタンのヒーローだぜ!」というのは、正統派の西部劇が衰退し、マカロニが人気になっていた時代を象徴する、ほとんど自虐的なギャグなんでしょうね。本編よりも、そのあたりの方が面白かったりします。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-01-02 22:12:52) |
5. チャップリンの殺人狂時代
ブラック・ユーモアの作としてはそれほど笑えません。例外は釣りと結婚式の場面で、ここだけパントマイム風の笑いなので、全体の中で完全に浮いています。前半はやや退屈ですし、どうも時間をもてあましたのか? 最後までギクシャク感がつきまといますが、考えると、むしろそれが狙いなのかもしれません。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-10-28 22:27:50) |
6. チャップリンの黄金狂時代
《ネタバレ》 音楽と語り入り版で鑑賞。前半のパントマイム芸がすばらしいです。やはりこういうバカバカしさ(ナンセンス)が笑いの基本であると再確認しました。とはいえ、素直にあははと笑えないところもあり、見ていて居心地がよろしくない。後半のロマンスはほとんどオマケのようで(まかり間違っても「主題」などとは呼べない)、最後にハッピーエンドになるのも安直すぎ。ジョージアの心変わりがよくわかりません。当時のフォーマットにのっとったものなのでしょうが、唐突すぎます。そこから逃れられなかったというのが、チャップリンの限界を物語っているように思えます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-30 21:26:45) |
7. チャイナ・シンドローム
《ネタバレ》 私が感じたことはほとんど【あろえりーな】さんが書いてくださったので、補足だけ。 本作で反原発の活動家がやっていることは、現在とほとんど変わりません。「子どもたちの未来を考えて」とか、どこかの政党のスローガンみたいですね。「企業利益優先」という点とあわせて、どちらも当時から基本的に同じ。進歩しないのか、それが究極の形なので進歩しようがないのか知りませんが、こうしたところも、本作が古びていないことを表していると思います。人間の本質を突いているのかもしれません。原発にしろトンネル崩落事故にしろ、本当に恐ろしいのは人間である、と。 あと、脚本がうまいと思う。特にゴデルが尾行を振り切れず、発電所に逃げ込んで籠城に至るプロセス。最後に大ごとにならなかったのも、「生き残って事実を伝える」というメッセージが感じられて好印象を持ちました。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-12-08 16:39:19) |
8. 地球の静止する日
《ネタバレ》 スチル写真でゴートやクラトゥは見慣れていますが、映画自体を初めて見ました。宇宙船やゴートはデザインがシンプルで、ゴテゴテしているより未来性を感じさせます。手をかざしただけで始動するというのは、製作時期を考えればすごいアイデアなのではないでしょうか。ロバート・ワイズの演出がリアリスティックでいいし、バーナード・ハーマンの音楽もこの手の作品に合っています。ストーリー自体は、クラトゥが地球人に紛れたりと意外な方向に進みました。まあ「フムフム」と見ていたのですが、最後のクラトゥの演説に至ってずっこけてしまいました。 「地球人がこちらの平和を乱すのなら徹底的に潰す」みたいなことを言っていますが、平和平和と言っても戦闘行為自体を否定しているわけではないようです。むしろ相手に攻撃させないため、相手よりも強力な戦闘力を所有することが必要だという考えに聞こえます。核兵器の抑止力に関するクラトゥ氏の意見を聞いてみたいところですね。結局、アメリカ人の思考回路は、当時からほとんど変わっていないのでしょう。いまだに拳銃所持に対する規制をまったく行わないお国柄ですから。なんにせよ、強力な戦闘力を背景に相手を恫喝するような行為は、気分が悪いです。実際問題として、絶大な力を持った存在がにらみを利かせれば、下手な争いは起こせず平安な時期が続くでしょう。しかしそれが、クラトゥ氏が感銘を受けた「人民の、人民による、人民のための政治」といえるのか。いろいろと考えさせられるところがありました。平和の使者であるような顔をしながら、最終的には軍事力に頼る。いかにも東西冷戦時代のアメリカが作った映画、という気がします。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-07 19:42:03) |
9. チャンス(1979)
《ネタバレ》 風刺劇としてはそこそこ面白い。一番笑ったのはテレビに合わせてぐるぐる回るところでした。チャンスは着ているものもあってビジネスマンと勘違いされるのですが、それは勘違いしている方がついつい自分の経験の範疇で判断してしまうから。要するに、みんな世の中の一部しか知らないという点で、チャンスと同じなのだな~、などと思いました。最後はどう解釈すればいいのか、よくわかりません。「奇跡を起こす男」みたいな感じでしょうか。唐突にああなって説明なしで終わったので、カタルシスは感じられませんね。ただ、もう一度見てみたくなるような終わり方です。マクレーン演じるヒロインにあまり好感が持てなかったのは、ちょっとマイナス。 チャンスはテレビ大好きですが、これも当時の世相を風刺しているのでしょうね。リモコンで次々とチャンネルを変えることも含めて。21世紀のチャンスは、おそらくネットにはまっていることでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-15 18:33:31) |
10. チャップリンの独裁者
数十年ぶりに見ましたが、あいかわらずおかしい。子供の頃の『全員集合』のコントのようで、チャップリンの影響力がわかります。この笑いの要素があるからこそ最後の演説が生きてくるわけで、そこが一番うまいと感じました。とりあえず、演説がなくても満足。あくまで希望を持たせる終わり方も好きです。 [映画館(字幕)] 8点(2010-04-02 13:58:29) |