1. チェンジング・レーン
運命に身を任せるしかない人間にとって、「あの時、こうしていたら違う人生になっていたかも知れないな」という思いは、誰でも一度は抱いたことがあるでしょう。しかし大事なのは、「あの時どうしていたら良かったか」と考えることよりも、今の結果を齎したものも、結局は自分の判断と選択でしかない、という事実を認識することではないかと思います。この作品の主役ふたりも、一見、どうにもならない運命に翻弄されているように見えますが、事故を起こしたのも、裁判の開廷時間に遅刻しそうになっていたのも、きちんと事後処理をしなかったのも、書類を間違えて出してしまったのも、お互いを憎み合うのも、ひいてはアル中で離婚したり、横領の事実に苦しむのも、元を正せば、自分の行動と選択の帰結であり、自己責任以外の何者でもありません。ふたりともラストまでの紆余曲折を経て、その事に気付くからこそ、始めて他人を許せる心を持ち、人間としても成長できたのではないかと思いました。 7点(2004-01-26 13:54:06)(良:1票) |
2. チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
《ネタバレ》 前作は個人的には2点を付けるほど駄作だと思ったが、今作は全体的にかなりのレベルアップ。特にアクション演出全般のクオリティが上がり、ワイヤーの使い方もだいぶ洗練されてきていて、「カッコ良さ」を演出しつつも、物理的挙動があまり不自然にならない程度に抑えてある。 各キャラの掘り下げと共に、過去に纏わるいわくありげな人物なども登場し、物語性も深まっている。 ただ惜しいのは(この手のハリウッド映画に共通することではあるが)、ここまで娯楽作品として出来ていながら、今一歩のところで「分かっていない」と言うか、微妙にセンスがズレている部分が多いのが残念な限り。 例えば導入シーン。出てきた男がいきなりマシンガンを撃ちまくるから、結局、尻尾を巻いて必死に逃げ出すというようなつまんない導入になってしまう訳で、やはりこういう場面で「勿体つけて出てくるヤツ」は一癖も二癖もあるような「用心棒」や「殺し屋」で、そいつとの格闘シーンがあって欲しい。 他にも倉庫で暗闇にしといてさっさと明かりをつけてしまったり、マディソンがすぐに銃火器を使うとか、「そこはそうじゃないだろ!」と突っ込みたくなるシーンが多い。 「裏切った先輩エンジェル」なんてすごく魅力的な設定なのに、マディソン一人しか登場しないのもつまらない。やっぱり3人出てきて欲しい。ラストも3対1なんて卑怯。3対3が見たいところ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-04-09 21:16:00) |
3. チャイルド・プレイ(1988)
「殺人鬼の怨念が人形に宿る」というアイデアは良いけど、ホラー映画としてはたいして怖い作品ではない。 人形は黙って動かないから怖いんであって、チャッキーが喋ったり、動きまくったりし過ぎなので、キャラ的には立っても、人形独自の怖さや不気味さは薄れているのが残念。 しかも、いくら刃物を持ってるとは言え、あんな小さな人形にいつまでもやられてんなよ、もう!と思っちゃう(まあ、そんな事を突っ込む映画ではないけど)。基本的に典型的な殺人鬼ホラーである事には違いが無いので、展開や演出もワンパターンになりがち。一度くらいは見る価値もあるが、その後のシリーズを見る必要性は感じない。 [ビデオ(字幕)] 5点(2003-09-15 18:14:39) |
4. チャーリーとチョコレート工場
《ネタバレ》 高評価が多いけど、個人的には子供にこそ見せたくない作品。申し訳ないけど酷評です。 どうも、この監督さんとは「シザーハンズ」以来、イマイチ相性が合わないなあ~。この作品も「オレって、夢のある世界も作れるけど、それだけじゃなくて、ちょいと現実の厳しさや皮肉なんかも盛り込めるんだゼ」と言わんばかりの斜に構えた露骨な狙いがヒシヒシと伝わってきて、見ていて鼻白む。 現代のおとぎ話を気取っているのかも知れないけど、もともと昔話や童話は毒を含んでいるものだし、幻想的な世界観とコメディタッチなノリとのギャップによる「寓意の強調」という演出もよくあるものでしょ。 だいたい主人公の少年が拾った金をネコババし、それでチョコを買うという「外し方」が露骨すぎ。「現実世界では必ずしも正直者じゃなくても幸せになっちゃうよ」ってか。原作ではお金を拾う事の葛藤があるそうだが、ネコババした事には変わりない。 そのくせラストはお定まりの家族愛でハッピーエンド。実に偽善的。たかが一日、一緒に工場見学して、親父と再会しましたってだけで、お互いの何が分かるの?ましてジジイたちとは直接会ってもないじゃん。そんな事で家族のように振舞える事自体が自己欺瞞で気色悪い。おまけに歯医者の親父は最後の食事会の場にいないという中途半端さ。 現代社会において理想的な家族像が崩壊しつつある根本原因の追究や代案も無いままに、「家族は大事」などと締めくくられてもねえ…。 [DVD(字幕)] 3点(2006-08-09 19:21:52)(良:1票) |
5. チルドレン・オブ・ザ・デッド
基本的に作品の意図が分からない。「ゾンビ」三部作の番外としても意味不明。何のために「ゾンビ」という素材を使っているのか、監督に問い質したいところ。実際、つい先日、鑑賞したばかりなのに、内容がほとんど印象に残っていない。そんな作品がどの程度のものかは言わずもがな。 2点(2005-02-08 18:48:24) |
6. チャーリーズ・エンジェル(2000)
頭をカラッポにして見るべき「おバカ映画」だとは思いながら、その内容のあまりの中途半端さに閉口するのみ。娯楽作品としても、アクション映画としても、おバカ映画としても、それぞれに「徹底感」が無いんだよな~。 ストーリーなんてあって無いようなものだし、かと言って売りであるはずのアクションシーンもワイヤーで吊って高くジャンプして蹴るか、ぐるぐる回ってるだけの安易さじゃ、面白くもカッコ良くもない。これなら「マトリックス」の方がビジュアル面の見せ方に関してはまだマシ。 どうせ娯楽作品として作っているんだから、もっと演出面を工夫したり、おバカなアクションに徹するとか、何かこだわりは無いのだろうか?こういう最近のハリウッドアクション映画ほど見ていて歯痒いものは無い。 最新技術を使った視覚効果も、使う側に演出センスが無いと返って安っぽさや不自然さが際立つという見本。 唯一、エンジェルたちに美人ではなく、あえて個性的な顔立ちの女優を配した英断は評価できる。これで三人が三人とも美女だったら、どうしようもない作品になっていたはず。 [ビデオ(字幕)] 2点(2003-08-30 07:52:08)(良:1票) |
7. 地球で最後の男
《ネタバレ》 ここでの評価を先に見ておくべきだった…。 指摘にある通り、まず邦題が悪い。基本的に内容と無関係。自分もこの邦題に騙されたクチ。 次にその内容も、これまた低レベル。「ジェイコブズラダー」辺りのパクり。結局、死に逝く者の見た夢オチパターン。 だが問題はそれが悪い訳じゃなく、あまりにも演出やストーリー展開、カメラワークなどにスタッフのやる気が感じられないこと。終始ダラダラしてるわ、展開にも意外性が無いわ、今どき大真面目に「黙示録」だの「天使」だのというギミックを出してくるわ、おまけにその天使のデザインもチープなC3-POもどき。すべてにおいてセンスが無い。見るだけ時間と金の無駄。 [ビデオ(字幕)] 0点(2005-07-24 23:16:05) |