21. 交渉人(1998)
《ネタバレ》 あ~勿体ない~、のひとこと。 配役と設定が非常に魅力的なだけに、K.スペイシーとS.L.ジャクソンの頭脳戦、駆け引きが観れると思っていたら、普通の(没個性な)アクション映画ノリで終わるなんて勿体なさ過ぎます。指名されたK.スペイシーが、現場に着いて仕切り始める辺りは緊張感があった、でも…そこまで。「凄腕の交渉人同士」という、せっかくの設定を活かした見せ場は殆ど無く、爆発、銃撃戦と、勢い任せのアクションで決着してしまうとは残念。この題材とキャスティングを使って作り直して欲しい気分。 4点(2004-06-14 04:26:54)(良:1票) |
22. ドラゴン・タトゥーの女
《ネタバレ》 デヴィッド・フィンチャー監督のファンで、設定も面白そうで楽しみにしていた本作、残念ながら正真正銘の駄作だった。無駄な描写を端折って映像美と勢いで押し切るのはいいが、全てが大雑把すぎて謎解きのスリルもカタルシスも何もなし。ラストも、リスベットの超人っぷりに頼って全て解決してしまうとは思わなかった。「彼女が本気を出せば何にでもアクセス出来る、解けない謎はない、だから途中経過を見せなくても解るだろ?」万事、こんな調子。ルーニー・マーラ演じるリスベットが魅力的なだけに本当にもったいない。リスベットのキャラクター造形にはフィンチャー監督独特のセンスが感じられるが、それでも続編は別の監督に撮って欲しい。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2012-08-03 02:33:22) |
23. バビロン(2022)
《ネタバレ》 賛否両論あるのを知った上で、スケールの大きな群像劇に期待して鑑賞。 結果、あまりの無頓着さと幼稚さに呆れた。 「映画って素晴らしい、だから舞台裏がどんなに醜悪でも仕方ないよね」じゃダメでしょ。 ゴシップライターが突然上から目線でブラピに説教する台詞と、 ラスト、人気映画の映像を借用した力技で綺麗にまとめようとしても、やっぱりダメでしょう。 音楽とテンポで押しまくる演出は効いているが、 そのぶん中身の空虚さと、現実に向き合わない幼稚さ・不誠実さが露呈している。 ビッグビジネスの為なら、外国人エキストラが何人死のうが未成年が何人使い棄てられようが関係ない、 それが映画業界の歴史だって? 幼稚な妄想に浸っていないで現実を見ろと言いたい。 搾取、過重労働に支えられた大量生産、 凄惨なハラスメントが問題視される中、 よくもここまで軽薄な、搾取する側の自己正当化映画を撮れたものだ。 [ブルーレイ(字幕)] 1点(2023-06-04 15:11:02) |
24. ミスト
《ネタバレ》 ここまで嫌悪感しかおぼえない映画は久し振りに観た。 ありがちなモンスター映画を装い、観客に毒を吐き絶望と嫌悪の底に突き落とす映画だ。 映画制作者の姿勢として最低。 キングの中編小説『霧』は何年も前に読んで、漠然とした恐怖が印象に残ったが 敢えて霧の中で終わる小説からは、まだ救いを想像することも出来た。 だが映画には希望どころか情けの欠片もない(知性もない)。 何しろ、小説で霧の中に踏み出していった主人公たちの、悪趣味な結末を映画は描いている。 それも無駄に丁寧に、ダラダラと時間をかけて、真綿で首を絞めるように如何に救いがない状況か見せつけ、あの結末に至る。 演出の技は認める。が、あの無駄に皮肉めいた結末は、悪乗りとしか言いようがない。 今までダラボン監督作品は好きな部類だったが、この映画の記憶が褪せるまでは観ないだろう。 もう一つ、この映画が最悪なのは、 結末変更を提案された原作者・キングに『思い付いていれば原作もこの結末にしただろう』等と 今更余計なひとことを言わせてしまったことだ。 そりゃないぜ。 [DVD(字幕)] 1点(2008-09-21 02:44:04)(良:1票) |
25. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 残念ながら合わなかったという事なのか。映画全体のテーマは好みだし堅苦しい事を言う気もないが、観ていて不快感ばかり感じた。本筋にさほど関係あるとも思えない悪趣味な描写の多さ。トラウマや児童虐待、歪んだ子供同士の暴力を何度もフラッシュバックでショッキングに使う手口に辟易。児童ポルノ撮影や脅しつけるような場面をこう何度も見せられるとは。もはやラブストーリーと言うより、最後だけ甘くまとめたサイコパス映画という印象。子供、動物、赤ん坊と母親・・、痛めつけ、傷付けるシーンのオンパレード。しかも、罪悪感の重さが感じられず、妙に軽い。役者陣の声が皆甲高く、ヒステリックに響いたのも痛かった。 切ない筈のラストシーンも全く響かず。オアシスのあの有名な曲でエンディングってのも卑怯じゃないか。 [DVD(字幕)] 1点(2006-05-24 05:11:40) |