381. 愛と喝采の日々
《ネタバレ》 バレエのシーンは美しいのですが、肝心のドラマがありきたり。「それを聞きたかった」というのはわかるのですが、裏返せば予想の範囲内ということで、平凡です。「女にとって結婚か仕事か」というのは今でも生きているテーマだと思いますが、うまく活かせなかったようです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-29 21:09:34) |
382. ジーザス・クライスト・スーパースター
《ネタバレ》 序盤はなんの説明もなく場面がクルクル変わり、キリストの生涯に精通している人にはよくわかるのでしょうが、私としてはただロックのプロモーション・ビデオを続けて見せられているような気分になります。要は脈絡がないのです。磔に向けてなんとか統一した流れになってきましたが、それでも連続する場面の垂れ流しという印象はぬぐえません。現代的要素を取り入れるのも製作当時らしくて面白いのですが、効果があったかどうかは疑問。中途半端に現代風にしたというところも見受けられます。 一応イエス・キリストの物語なのですが、死んでからもしつこく出てくるユダが主人公で、イエスは狂言回しという感じでした。しかしそれにしては、ユダがなぜ裏切ったのかがまったくわからず、このあたりも中途半端だという印象です。 ロック・オペラ(ロック・ミュージカル?)というアイデアは面白いのですが、それに寄りかかりすぎて、中身がおろそかになってしまったようです。つまりはアイデア倒れ。正直、もったいないと思う。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-23 18:20:21) |
383. 腰抜け二挺拳銃
序盤こそサスペンス調の部分がありますが、ボブ・ホープが出てからはお笑い一色。この人は画面に出てくるだけでおかしい。対するジェーン・ラッセルも、あんまり可愛くないことが幸いして好演です。インディアンとか悪役ガンマンをバンバン撃ち殺してはいますが、きわどい場面や残酷なシーンがなく、正月にでも家族そろって楽しめる明朗快活コメディーといった風情。理屈抜きに笑って楽しめる名編です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-22 11:33:59) |
384. ノーマ・レイ
《ネタバレ》 これはどう評価したものか……。「女性としての自立」を描いたという解説もあります。たしかに、最初ノーマは男なしじゃダメ、みたいなところがありましたし、そこから脱却したと言えるでしょう。しかし、夫や子供を放っておいて労働運動にのめり込むのが、はたして「自立」と言えるのか。疑問が残ります。労働運動よりノーマの人間的成長が主題のようで、そこはキッチリ描かれていましたが、逆に団結の方は少々お留守になった結果、中途半端な映画という印象が残りました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-05 11:48:39) |
385. 渚にて
《ネタバレ》 非常に真面目に作られた反核映画で、全編リアルな演出に徹したのが効いています。力作だとは思いますが、見終わると疑問が。 放射能の影響による“死”を扱っている割には、死体がひとつも出てこない。まったく無人のサンフランシスコという図は、これはこれなりに恐怖感を抱かせるわけですが、猫の子一匹死体がないとはどういうことか。放射能汚染で突然死ぬわけではあるまいし、パニックになって暴動や略奪が起こりそうなものですが、そういった形跡もなし。まあ、作品全体の雰囲気と合わないのかもしれませんが、あまりにも静かすぎます。 核戦争が「愚かな人間」によって引き起こされたのなら、愚かであることを感じさせてくれなければ、なるほどと納得できません。どうも、あまりにも綺麗事すぎるんじゃないかと思います。結局のところ、「アメリカ人が作った反核映画」はこんなものか、という気がします。いい映画だとは思いますが、傑作とは言えません。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-01 20:44:50) |
386. エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~<TVM>
《ネタバレ》 どうしてもケイト・ブランシェットの映画と比べてしまうのですが、内容的に遜色はないと思います。テレビ映画なので時間の制限があり、エピソードを絞っているのですが、それがかえって功を奏したのか、集中して見られました。ただ、政治家ではなく「女性のエリザベス」であることを強調するためか、恋愛のエピソードが強調されすぎていて、ちょっと引いてしまいました。逆に、スコットランド女王メアリーとの関係は、よかったと思います。また、スペインとの戦いのさなか、兵士たちに檄を飛ばすあたりは、政治家としてのカリスマ性を感じさせ、これまたインパクトが強かったです。ロマンスの要素が薄ければ、もっと高得点になりましたが……。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2009-08-31 20:40:46) |
387. 荒野の決闘
《ネタバレ》 これはやはり、途中で飽きてきました。つまらないわけではないのですが、テンポというか、エピソードのつなぎが悪いのかも? ちょっと淡泊すぎやしませんかねぇ。よかったのは、ドクが荷馬車を駆って疾走する場面。画面のフレーム内では止まっているのに、ものすごいスピード感が出ていておみごと。あと、ワイアットが酔漢を捕まえるところもよかった。結局、アクション・シーンの方が見どころだった、ということになりますか。最後の決闘場面は、人物の位置関係がサッパリなので緊張感がなく、拍子抜け。クレメンタインを演じたキャシー・ダウンズが、異様なまでに美しいのが印象的でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-08-13 19:25:46) |
388. フィラデルフィア物語
とりあえず、登場人物の性格や価値観がよくわかりません。当然、なぜその行動をとったのかもわからず、特に終盤の展開は意味不明でした。どうもこれは、字幕で見たのが悪かったのかもしれません。やはりこのような台詞劇は、吹き替えで見るのが正解でしょう。コメディとしてはけっこう笑えるのですが、ドラマ部分が理解できないのでは仕方がありません。が、妹役の Virginia Weidler がむちゃくちゃ可愛かったので、おまけで+1点。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-08-12 16:17:50) |
389. アラバマ物語
人と人が理解し合うのは困難だが、理解し合えたときにはそれ相応の素晴らしいものがある、などと感じてしまいました。いい映画ですが、グレゴリー・ペックのお父さんは格好よすぎるかも。 それにしても、昨今では一見すると罪がないような人間が、とんでもない犯罪事件を起こしたりするわけで、この映画のような理想は実現しがたい。見るからに「狂犬」みたいな人間って、そんなにいるわけないよね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-29 19:48:37) |
390. 宇宙水爆戦
《ネタバレ》 2度ほど民放の吹き替えで見たことがありますが、ノーカット・字幕で見るのは初めて。けっこうよかったという記憶があったのですが、今回の感想は「こんな面白くなかったっけ?」 いや、序盤はいいのですよ。リアルな演出は後半の飛躍した物語をリアルに感じさせるために必要だし、インターロシターを組み立てるくだりもダルイとは感じませんでした。が、中盤以降「?」なところが出てきます。はるかに科学が発達しているはずのメタルーナ人が、地球人に助けを求めるというのもヘンだし(一応説明はあるけど)、主人公2人以外の科学者を殺すというのも後味が悪い。が、一番ダメだと思ったのは、最後まで見ても結局何がやりたかったのかサッパリわからないこと。星間戦争に巻き込まれたからといって、戦争の悲惨さを訴えるでもなし、科学の行き過ぎを警告するわけでもなし。「それで終わっちゃうの?」という感じ。 だから見どころとなると、地球とメタルーナの気圧が違いすぎるために体質を変化させるところとか、メタルーナ・ミュータントとか、その辺しかないわけです。 おそらくは、「人間が太陽系外の惑星へ飛び出した」というだけで映画が作れた、そういう時代の遺物ということなのでしょう。この映画と同時期に日本では『ゴジラ』が製作されていますが、こちらが現代にも通じる普遍的なテーマを扱うことで今日でも鑑賞に耐えるのとは対照的です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-28 20:05:49) |
391. ミニヴァー夫人
《ネタバレ》 第二次大戦中のイギリスの片田舎を舞台にした映画。その点からすると、よくできていると思います。主人公一家の家庭の様子や、ご近所づきあいが巧みに描かれている。女中との会話など楽しいですが、戦時下だけに緊迫感もあり、メリハリのつけ方がうまい。脚本にジェイムズ・ヒルトンが参加しているのも、ポイント高し。ワイラーの演出は光と影をうまく使っていて、これもさすがのでき。 ただ、戦争中の映画なので、戦意高揚目的になっていて、最後も戦争の悲惨さを訴えるのではなく、徹底抗戦を主張している。これをどう評価するかですが、私としては大きなマイナスにはなりません。むしろ、こうした映画が作られ、それが高く評価されたということを記憶する意味からも、この映画には今も存在意義があるのではないかと思います。 これがテレビで放送されたり、ビデオソフトが簡単に手に入ったりするというのは、改めて平和というか、自由な時代なのだと思います。しかし、初公開当時の日本人は、どういう気持ちでこの映画を見たんでしょうね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-23 20:34:09) |